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スヴェンソン

スヴェンソン

アナログとデジタル施策の融合で、新規開拓と顧客体験の最適化を実現

株式会社スヴェンソン

業種
サービス業
業務内容
男性・女性向けウィッグ製造、販売、理美容サービス、ヘアケア商品販売
導入商品
Marketo Engage
活用用途
メールマーケティング、リードナーチャリング
導入製品
マーケティングオートメーション メールマーケティング

手紙のみのナーチャリングからのデジタルシフトが課題に

株式会社スヴェンソンはウィッグ事業を中心に理美容サービス、ヘアケア商品の販売などを展開。契約後の継続率は95%以上と顧客から高い支持を集めている。

主力となるメンズ向けウィッグ事業をさらに強化すべく、同社では新規契約獲得、顧客体験の最適化のツールとして、2017年6月、Marketo Engageを導入。

もともと、アナログ志向が強かったという同社がいかにデジタルにシフトし、施策を成功させたのか。その背景や課題、施策内容、成果について、同社Men's事業部 広告販促チーム兼サポートセンターでシニアマネージャーを務める圷陽太郎氏、外部コンサルタントとして導入から施策までサポートする株式会社パワー・インタラクティブの山下智氏に聞いた。

まずスヴェンソンにとって大きな課題だったのが、先にも挙げた社内に根強く残るデジタルへの抵抗感だ。「問い合わせや資料請求に対してのナーチャリングの既存施策は、1週間後と1カ月後とその後不定期に送る手紙でのフォロー施策のみでした」と圷氏。

メール施策でのナーチャリングについては、「一斉送信の紋切型のイメージが強く、配信停止だけが積み上がることを懸念する声が大半でした」と圷氏は振り返る。

そんな中、広告販促チームの一員としてデジタルシフトを担うこととなった圷氏。「顧客データが蓄積されることで、適切なナーチャリングが実践できる」といった"分かりやすい"メリットを社内で訴えていくことで、MA(マーケティングオートメーション)の良さをアピール。

また数あるMAの中で、日本語対応をしていたこと、トライアルでカスタマイズがしやすい点などを決め手にMarketo Engageに白羽の矢を立て、コンサルタントの山下氏と施策に取り組んでいくこととなる。

段階的なメール施策で来店率1.25倍、社内のデジタルへの抵抗感も払しょく

具体的な施策については、「配信停止が増えることを懸念する声が多い点を配慮し、段階的に3つの施策を打っていくことにしました」(山下氏)。

1つ目が「DM送付後追跡メール」だ。年2回、顧客向けにやっているキャンペーンに際し、従来はDMだけ送付していたのを、18年、夏のキャンペーン期間終了が近づいたタイミングでメールを送信。キャンペーン終了の2週間前と1週間前に各2000通程度の送付を実践する。

結果は配信停止が増えるのではという社内の予想に反し、どちらも配信停止は1%程度。さらに、「キャンペーン期間終了が近づいたタイミングで9人の来店を実現したのもいい意味で予想を裏切られる結果となりました」(圷氏)。

2つ目の施策が「資料請求を受け、2週間後のタイミングでのメール配信」だ。ウィッグという商品の性格上、契約に結び付けるには、「ご来店いただき、実際に体験していただくプロセスが欠かせません」と圷氏。

施策を実践したところ、送付数1440通に対し、来店数94、契約数54と高い成果を達成。実施前と比較すると来店率は1.25倍となり、一方でメールの配信停止は0.3%に留まる結果となる。

タイミングを外さなければ、配信停止にはつながらない――そんな共通認識が社内に醸成されたところで、山下氏の提言で行った3つ目の施策が、契約までのステージを捉えるための「長期的なライフサイクルステージの設定」だ。

地毛を生かしたエクステサービス、カットサービスといったスポット利用のライトユーザーは、将来的にウィッグタイプの契約につながりうる大事な見込み顧客でもある。

遷移条件は社内のデータベースに即して制御し、「山下さんのサポートをいただきながら、SQLの抽出と、そのデータのMarketo Engage 連携を実施しました」(圷氏)。

こうして新規契約獲得というミッションとナーチャリングのイメージを社内で共有。「完全にデジタルにシフトするのではなく、アナログ施策とバッティングしないようにメール施策を進め、小さな実績を積み上げていったことが社内の理解につながったのではないでしょうか」と山下氏は振り返る。

資料請求に「webカタログ」を追加し、新規リードの積み上げを実践

ソフトランディングでのデジタルシフトを経て、第2フェーズで課題として浮上したのが施策を拡大していく上での体制のボトルネックだ。

同社では従来、広告、CM、web対策などのプロモーション施策については、広告代理店やSEMの代理店などの3社でチームを構成。週1回のミーティングで施策を決定し、山下氏とのMarketo Engageの施策は別に走らせていた。

しかし、より本格的な活用で大きな成果につなげていくには、既存のプロモーションチームとの連携も必須となる。そこで、山下氏にもプロモーションの定例会に参加してもらうよう体制を変更し、19年7月より新たな2つの施策に取り組む。

1つ目が、紙のみ対応していた資料請求に「webカタログ」を追加したこと。

2つ目は、資料発送後1カ月以上経った見込み顧客がwebに来訪し、3ページ以上閲覧したら、Slackでサポートセンターに通知を送付。サポートセンターからの手紙送付により来店予約を狙う施策を実施する。

「webカタログ」の追加については、「既存の紙の資料請求が大きく減って競合しかねない」「住所データが手に入らないため手紙送付ができなくなる」「ライトゆえに契約にならないのでは」といった懸念も浮上。だが、結果は紙の資料請求が減ることなく、全体の母数増を実現する。

web経由のコンバージョン数やコンバージョン割合推移を見ても、契約に至る確率は紙の資料と比べてもほぼ横ばいで「デジタルとアナログの双方向からのアプローチで来店機会を最大化できるという裏付けができました」と圷氏。

これまでナーチャリング施策のみだったのに対し、「webカタログ」の追加によりMarketo Engageで新規リードを取れるようになったことも大きいと山下氏は指摘する。

2つ目のSlackを使った施策については、実際、手紙を送付できるケースは全体の4割程度。残りの6割はすでに手紙を送った顧客が手紙を見てwebに訪問していたという結果になった。

「手紙送付の効果がweb訪問という形で可視化されたことで、『ちゃんと手紙を読んでくれている』という、サポートセンターのやる気につながる副次的効果を得ることができました」(圷氏)

一連の取り組みを成果に結び付けたことで、同社は「Marketo Champion 2020」で「Marketing Team of the Year」を受賞。

「圷さんが広告販促チームおよびサポートセンターを統括する立場で、それぞれ現場のことを熟知していたことも、社内の理解と施策の成功につながったのではないでしょうか」と山下氏は分析する。

今後はMarketoおよび連携しているKARTEやAccrete、さらにアナログ施策を組み合わせ、新たに構築したペルソナに基づく顧客セグメント、ライフサイクルステージを掛け合わせたOne to Oneの細かなコンテンツ配信にも取り組む構えだ。

顧客に寄り添う企業風土を大事にし、アナログとデジタルの共存に成功した同社。自社に合わせたデジタルシフトのあり方を考える上でも、ぜひ参考にしたい。

2020年10月26日 現在

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