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営業の行動、質を変えたパーソルキャリアの挑戦 

新規事業を立ち上げたいが、社内に適任者がいない--。このような経営課題を解決する手段として、豊富な専門知識を持つ"顧問(個人事業主)"によるコンサルティングサービスを提供するのが、「i-common(アイコモン)」である。「i-common」は、人材サービス企業「パーソルキャリア株式会社」初の社内起業コンテストから、2011年に生まれた。現在「i-common」に登録する顧問は12,300人にのぼり、多くの企業の多様化する経営課題に応えることで、順調に事業を拡大してきた。

事業開始から約8年。強い営業力を武器に、右肩上がりで成長を続けてきた彼らが、SFAよりも先にMarketoの導入に至った。その背景には、何があったのだろうか。i-common統括部 事業推進部 営業推進グループ マネジャー 大溝 大氏、同グループ所属の大屋敷 圭介氏と山田 雄基氏に話を聞いた。

テクノロジーの力で人海戦術からの脱却を図りたい

現在、「i-common」には、約130名が所属している。東京・大阪・名古屋・福岡の拠点に約80名の営業が在籍しており、その他の企画や人事などの機能は東京に集約する組織構成となっている。

営業推進グループでマネジャーを務める大溝氏は、2012年に旧インテリジェンスにプロパーで入社した後、新卒一号として当時約10名で運営していた「i-common」に配属された。入社4年目まで営業のフロントメンバーを務めた後、マネジャーに昇進。2018年4月に営業推進グループが立ち上がるまで、営業畑で活躍してきた生粋の営業だ。「Marketo導入前の我々の課題をひとことで言うと、人海戦術から脱却できずにいたことでした」(大溝氏)

「営業の仕事は、新聞や有価証券報告書、企業のWebサイトなどで情報を集め、架電リストを作るところから始まります。そこに対し、営業電話をかけて、アポイントを取る。アポイントが取れたらお客様に会いに行き、『i-common』に対するニーズを引き出していきます。製造業のお客様も多いので、お客様先へ訪問するために、東京から片道1〜2時間かかるなんてこともザラにあります。1日に100件の電話をかけて、アポイントが取れるのは1〜2件。お客様に価値を提供するまでの道のりに心が折れることもありました」(山田氏)

勘や経験によって左右される、属人的な営業活動。それでも、立ち上げ当初からの徹底的な新規営業によって、売上高は年間130%の水準で伸び続けていたために、非効率な営業スタイルを変えられずにきたと言う。「今後、より多くのお客様にサービスを届けていくために、そろそろ本気でテクノロジーを活用して、営業効率を改善していかなければ」と大溝氏が考えていた折に出会ったのが、マルケトの川上 エリカと石野 真吾だった。

MAで営業活動を支援する、SFAよりもMAの導入を優先した理由とは

「i-common」では独自の顧客管理データベースを保有しているものの、SFAは未導入だ。営業組織において、テクノロジーの力で効率化を図ろうと考えたときに、まずSFAの導入を検討するケースが一般的である。しかし、「i-common」が選んだのは、SFAではなくMAだった。なぜSFAよりも先にMarketoの導入に踏み切ったのだろうか。

「他社様においても聞く話ではありますが、我々の組織でも"営業が何らかのツールに入力する癖"というのが、ほとんどありませんでした。そんな中でSFAを導入しても、入力してもらえないことは目に見えていた。SFAは営業管理者にとって大きなメリットがありますが、現場の営業にとっては単に面倒なだけで、なかなかすぐにその効果を実感しづらいのではないか、という懸念がありました。その点、Marketoなら現場の営業にメリットを体感しやすいし、SFAの導入に比べてスモールスタートできる。まずはMarketoでツールに入力するモチベーションを高めてから、次のステップとしてSFAを導入しようと考えました」(大溝氏)

大溝氏がMA選定の際に重視したのは、"情報収集しやすい環境"と"人"だったという。

「Marketoは人材業界で多く導入実績があってノウハウが溜まっていますし、情報収集ができるコミュニティが活発なところも良かった。川上さんと石野さんにお会いして、『弊社のことをこれほど考えてくれるこの人たちと一緒に仕事がしたい』と思ったのも、大きな決め手となりました」(大溝氏)

長く険しかったMarketo導入までの道のり

ところが、"「i-common」にはツールへ入力する文化がなかった"ために、導入は一筋縄ではいかなかった。「Marketoを導入しても、使いこなせずに終わるのではないか」という疑念をかけられ、IT部門から反対の声があがったのだ。

加えて、パーソルキャリアの親会社であるパーソルホールディングスでも、時を同じくしてMarketoの導入が決まっていた。そのため、「全社で同じMarketoインスタンスを使えばいい」という流れになっていたこともあり、「i-common」としての導入には調整など含め約半年の期間を要した。

確かに、全社で1つのMarketoインスタンスを使い分けることもできなくはない。しかし、パーソルホールディングスは、グループ約75社(国内:36社 海外:39社)、37,812名の従業員を抱える大企業。Marketoの主な活用目的は、グループ間の相互創客(見込み顧客のナーチャリングやクオリフィケーション)

である。一方、「i-common」の目的は、約80名の営業がリードナーチャリングをすることだ。ただでさえ、大きな組織で大きくPDCAを回すのと、小さな組織で小さくPDCAを回すのとでは、実際の運用プロセスが随分と異なる。その上、両者の活用目的が異なるとなれば、現場で何らかの不都合が出るであろうことは明らかだった。

そこで川上は、両者にとってWin-Winとなるプランを提案。その結果、Marketoインスタンスは切り分けながらも、パーソルホールディングスが保有する膨大なリソースを「i-common」が活用しながら、「i-common」が培ったMarketo活用のノウハウをパーソルホールディングスに還元する、というグループシナジーを活かした独自の運用プロセスが実現したのだ。

Marketoを起点にしたプロセス変革で営業力UPを図る

ツールへ入力する文化がない中で、「i-common」ではどのようにMarketo活用を現場に定着させていったのだろうか。この点について大溝氏は「自分自身が営業出身なので、営業の気持ちはよくわかる。営業の行動を変えるためには、メリットを体感してもらうことが一番です」と話し、その具体策を教えてくれた。

i-commonでは、お客様との面談後に「これはすぐに課題解決に貢献することはないだろう」と営業自らが判断した案件の情報を、Marketo上で作成したフォームから入力する仕組みを作った。これにより、お客様のデータがMarketoに入り、ナーチャリングプログラムがスタートするのだ。

同時に、Marketoにデータが入ったお客様に対しては、自動的に営業の名前で"提案メール"が配信される。さらに、これまで営業の手で行っていた独自データベースへの入力を、Marketoに入力された情報をもとに、営業アシスタントが代行するようにした。


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この手法であれば、すぐに案件化しそうなものは従来通り、担当営業が自らフォローすることができるため、"自分の案件を手放したくない"という営業の心理的バリアによってMarketo活用が阻害される心配もない。

判断に迷って手元に残されたままになるリスクを避けるために、営業推進グループで10項目ほどのチェックリストを作り、「これらの項目を埋められなかったらMarketoに入力するように」と案内している、と大溝氏は語る。

Marketoのフォームでは、すぐに案件化しないと判断した理由を次の6つの中から選ぶようになっている。どれを選ぶかによって、Marketoから配信するコンテンツの内容を出し分けているのだ。

  • (事業フェーズ的に)今ではない
  • ほかの顧問サービスを使っているので「i-common」は必要ない
  • ほかの顧問サービスを過去に使ったことがあるが、成果に至らず、活用にはネガティブ
  • 予算がない
  • (労働派遣を望んでいるなど)「i-common」に対する期待値が異なる
  • お客様の管掌部署・役割が、ターゲットと大きく異なる。
  • "フォームに入力すればするほど、インバウンドの問い合わせ案件のアサイン率が上がる"というインセンティブを付けたり、リストへの入力率ランキングを開示して、その成果を見える化したところ、「今では案件化しなかったもののうち約8割がフォームに入力されており、案件化率も2%向上した」という。

    「フォームの入力はPCだけでなくモバイルからもできるようにしているので、移動時間を有効活用できるようになりました。営業の生産性が向上したことにより、売上は下がることなく、社内で業務を行う時間が短縮され、結果的に営業担当者の帰宅時間も早くなりました」

    これまでは、すぐに課題解決に貢献できなかったお客様に対して、何のフォローもできていませんでしたが、一度接点を持っていただいたお客様は、ちゃんとフォローしていけば、提案の機会に繋がるはずだと思っているので、今後Marketoから再び営業に戻せる日が来るのが楽しみです」(大溝氏)

    いつかはアウトバウンド営業が不要な世界を実現したい

    「営業推進グループで今、最も力を入れているのは、デジタルマーケティングの領域です」と語るのは、Webサイトのリニューアルやセミナーの企画・運営などを担当している大屋敷氏。Marketoの活用が進むにつれ、SFAの導入が現実味を帯びてきたと言う。

    「SFAがあれば、お客様の行動履歴を残すことができますし、お客様がWebサイトを訪れたタイミングをキャッチして、営業に知らせるMarketoのアラート機能も活用できるようになる。今後は、Marketoをハブとして、SFAとFORCASを連携することで、Marketoの機能を最大限に活用していきたいです」(大屋敷氏)

    これを受け、大溝氏は「問い合わせ数が昨対比で約3倍に増えているので、来期中にはMarketoでナーチャリングしてホットになったお客様も含めて、さらに2倍に増やしていきたい。いつかは営業が自らアポイントを取らなくていい仕組みにしていけたらと考えています」と同調した。

    従来の強い営業力に加え、テクノロジーという新たな武器を手にした先に、どんな躍進を遂げていくのだろうか。ますます目が離せなくなりそうだ。

    取材日:2019年3月14日

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