マーケティングオートメーション(MA)ツール・サービス・システムのマルケト

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カオナビ様

市場と自社プロダクトを繋ぐ"要"となるインサイドセールスに注力し、売上の倍々成長を実現

人手不足が深刻化するなか、いかに"個"の力を適性に評価し、最大限に引き出すか。適材適所で生産性向上を実現しつつ、規模の拡大と業績向上を両立させるか。

多くの企業が、人材マネジメントのあり方を模索するなか、「顔と名前の一致」というシンプルなコンセプトを掲げるクラウド人材管理ツールが注目を集めています。株式会社カオナビが手掛ける、その名も「カオナビ」です。

その最大の特徴は、ズバリ、顔写真が並ぶわかりやすい画面にあります。社員の顔をアイコンに、名前、実績、評価、スキルなどの人材情報を一元管理でき、まさに"顔ぶれ"を俯瞰しながら人材の配置や抜擢などもスピーディに実現。経営層が社員の「顔と名前を覚える」ことで、社員のやる気、ロイヤリティをも引き出す、ありそうでなかったマネジメントツールとしても注目されています。

同社では、ブランド認知拡大を実現すべく、2015年9月にMarketoを導入。2012年のサービス開始から約5年でカオナビ導入企業数が450社を突破するなど、順調に成果を上げ、売上も倍々成長を達成。数年後のIPOをも見据え、ベンチャーキャピタリストからの注目度もアップしています。

今回は、創業時から営業・マーケティングを統括してきた取締役 佐藤 寛之氏、Marketo運用およびインサイドセールスを担当する営業グループ 最上 あす美氏に、好業績の背景とMarketo導入の経緯、活用法についてうかがいました。

ブラックボックス化していたリード獲得からセールスに至るプロセスを"見える化"

「マーケティングとフィールドセールスの間にある"壁"がボトルネックになっている。それが最初の問題意識でした」と明かす佐藤氏。

株式会社カオナビ取締役 佐藤 寛之氏

同社社長の柳橋 仁機氏と共に会社を立ち上げ、ひとりでマーケティング、営業を実践していた創業時から、次第に案件、スタッフ共に数が増えるにつれ、マーケティングとフィールドセールスの連携、人員のバランスをとるかが課題として浮上してきたといいます。

たとえば、せっかく広告宣伝を打ち、コンバージョンが向上しても、有効なリード獲得につながらない。あるいはリードを獲得し、営業にパスしても実際の受注につながらない。「こうした状況を、一世代前のベンチャー企業のような気合、勢いで打破するのではなく、論理的に解明する必要がある」と考えた佐藤氏。

いわばブラックボックス化していたリード獲得からセールスに至るプロセスを"見える化"し、適切なファネルマネジメントを実践するためには、マーケティングオートメーション(MA)が必須と判断。シンプルでわかりやすい操作性にこだわったUI、その設計思想から、Marketoに白羽の矢を立てます。

2015年9月より導入、稼働がスタートしたものの、実は、Marketo導入とともに入社し、担当となった最上氏は、マーケティングの知識も経験もまったくゼロ。

「最初は、マーケティングの専門用語をググりながら(笑)、話についていく状態でした」と明かします。まずは、リードのステイタスの区切り方、フィルターによるセグメンテーションといったリード管理の第一歩からスタート。

「素人の私にもわかりやすく、Marketoの担当コンサルタントの方が助けてくださったのは本当にありがたかったですね。社内の協力も得ながら、顧客の行動などのトリガーをきっかけとする、アクションの起こし方など、何度も仮説検証しつつ、トライ&エラーで最適化をはかってきました」と最上氏。

株式会社カオナビ営業グループ 最上 あす美氏

こうして、①webアクセスなどのデータを元にスコアやステージでリードに優先順位をつける、②トリガーをきっかけにインサイドセールスでアクションを起こす、③有効化したリードをフィールドセールスにつなげる、といったフローが確立。懸案だった、マーケティングからフィールドセールスに至るプロセスの"見える化"も実現します。

仮説を立て、声なき声をしっかり拾い、PDCAを回すことが肝要

一見すると、MAの手法としては、比較的オーソドックスのようですが、冒頭でも触れたように導入企業数増、売上倍々成長といった目指すべき成果にいかにつなげているのか。その背景には、2つの大きなポイントが挙げられます。

一つが、インサイドセールスを立ち上げ、その精度向上に注力したこと。

特に「カオナビ」の場合、初期費用ゼロで導入可能という製品の特性と価格帯から、受注の成否が比較的短期で決まりやすいのが特徴。逆を言うと、ホットなタイミングを逃してしまうと、そのままリードが埋もれてしまうリスクも高い。

つまり、長期スパンでリードをナーチャリング(育成)するというよりも、短期決戦。リードの状況を適切に把握し、架電対応で顧客との接触機会を増やし、認知度を上げ、フィールドセールスに引き渡すか。インサイドセールスの役割が非常に大きいというわけです。

よって、「インサイドセールスのメンバーには、単なるアポ取りではなく、Marketoで得たデータを活用しながら、電話の先のお客様が、どういうwebページを見て、どのような課題を抱えているのか。しっかりと仮説を立て、声なき声も拾い、道筋をつけてから有効化した案件を営業に引き渡す。自らPDCAをしっかり回す重要性を常に伝えています」と最上氏。

さらに、フィールドセールスの会議、マーケティングの会議の両方に参加。「電話での会話を経て、市場の温度感に加え、リードの件数やスコアの状態など、定量的データを営業とマーケティングにしっかりフィードバックをすることを心掛けている」と語ります。

また、佐藤氏は「インサイドセールスこそが、市場と製品をつなぐ重要な任務を担う要であり、最も優秀な人材を配置すべき」と断言。インサイドセールスチームの中心に自らのデスクを置き、必要に応じて、メンバーの電話対応へのフィードバックも行なっているといいます。

こうしてインサイドセールスのメンバーの意識、精度も向上。現在、3名のチーム体制で、1カ月に有効案件を100件以上創出できるまでに、生産性向上に大きく貢献しています。

社員が経営視点を持ち、業務に取り組むためのツールとしてMAを活用

二つ目のポイントが、リード数の増加やCPAの低減といった、単なる数値的なKPI達成を目指すのではなく、社員全員が経営視点を持って、業務に取り組むための"仕組み作り"として、Marketoを活用していることが挙げられます。

「Marketoで数値化、見える化をはかったことで、マーケティング、セールス部門ともに、各自が実施したことが、どう収益につながっているのか。そのためにはどうアプローチを最適化するべきか。社員全員が考える風土が培われてきたのは、後々の成長を左右する大きな成果だと考えています」と佐藤氏。

さらに、2016年6月から、Salesforceとの連携もスタート。フィールドセールスのパイプラインの管理も徹底することで、リードの状態から受注までのスコアリングがクリアになり、「事業計画の細かい数値についてもほぼ狂わず設定できるようになりました」(佐藤氏)

つまり、リード獲得から受注までのプロセスが数値化されることで、いわゆるトップ・オブ・ファネル(TOFU) がどの程度必要なのかを逆算。合理的な経営判断も実現できるようになったといいます。

さらに、最終的な成果(収益)にコミットするべく、全社で経営マインドを醸成していくには、「我々マネジメント層が目指すべきゴールとプロセスを明確にするとともに、ミドルマネジメント層の育成がさらなる成長のカギを握る」と今後の課題を挙げる佐藤氏。

同社プロダクトの「カオナビ」同様、MAに関しても、こうした大局観の下、ツールを適切に活用することこそが、今、企業にとって喫緊の課題である生産性向上、さらなる企業価値アップにつながっていくはずです。

今後の成長を期すスタートアップ企業にとっても、組織拡大の弊害に陥っている大企業にとっても、従来のベンチャー企業のイメージを覆す同社の事例には、参考にすべきポイントがあるのではないでしょうか。

2017.04.10 Mari Shimizu