フクナガエンジニアリング丨導入事例丨マーケティングオートメーション(MA)ならマルケト

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フクナガエンジニアリング

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大阪の中小企業がMarketo Engageとともに世界へ挑む

1994年創業の株式会社フクナガエンジニアリングは、大阪市に本社を構える社員数30名の中小企業だ。"環境"を切り口に、フレキシブルコンテナバッグ(通称フレコンバッグ)やノーパンクタイヤといった産業資材の製造・販売のほか、金属資源リサイクル事業を手がけている。

2014年にはベトナムに進出し、金属資源リサイクルで現地企業と日系企業の橋渡しを実現するなど、海外展開を積極的に進めている同社では、「テクノロジーを活用することで業務効率や生産性の向上を図り、その成果をお客様に還元することで、お客様から必要とされる存在になる」という考え方が根付いていると言う。

大阪から世界へ挑む同社が、Marketo Engageに期待するものとは、何だったのか。Marketo Engage活用に携わる、マーケティンググループ グループマネージャー 杜氏 康浩氏、同グループ 建口 亮氏、橋本 有名氏に話を聞いた。

ECサイトだけでは完結しないBtoB-ECの現実

フクナガエンジニアリングの主力商品である"フレコンバッグ"とは、柔らかく軽量な素材でできた大きな袋のこと。上部に頑丈な吊りベルトが付いているため、フォークリフトやクレーンで吊り上げて運ぶこともできる。フクナガエンジニアリングでは、丸型/角型、500L以下(小型)〜2,100L(特大)、排出口の有無や内側コーティングの有無など、50種類以上のフレコンバッグを製造・販売している。

最大耐荷重1t(一部商品は2t対応)というフレコンバッグの用途は、穀物、飼料、土砂、廃棄物、化学薬品の輸送・保管など、多岐にわたる。現場の作業員が使用するものであるが、実際に購入するのは購買担当の事務員だ。

豊富なバリエーションがあるということは、現場のニーズに細やかに対応できる利点がある一方で、購買担当者にとっては「どれを選んでいいのかわからない」状態を招きかねない。

フクナガエンジニアリングでは、フレコンバッグのECサイトとして『ふくろ屋ふくなが』を運営している。とはいえ、ECサイトからの直接注文は全体の売上の2割程度で、注文の多くは電話かFAXによる注文だ。

ECサイト経由の注文も、単純にECサイト内を回遊してコンバージョンする訳ではない。ECサイトで注文すると決済方法を選べるという理由から、電話で問い合わせた後に、あえてECに戻るケースも多いのだ。

「だからこそ、お問い合わせのメールや電話の対応を行うサポートグループには、お客様のご希望に沿った提案ができる対応力が求められています」(橋本氏)

短期的な成果を得るためには焦点を絞ること

フクナガエンジニアリングがMarketo Engageに興味を抱くきっかけには、次のような課題感があった。

「Marketo Engageを導入する前は"売り込み型"の発想で、『新商品を出しました!』『セール中です!』とアピールしていたのですが、お客様の反応は芳しくありませんでした。実際に過去の購買データを分析しても、価格訴求はあまり響いていないこともわかっていて。

一方で、一度買っていただけると、10年以上にわたって購入し続けてくださるお客様もいて、"ナーチャリング"という言葉が気になり始めていたときにMarketo Engageに出会いました」(杜氏氏)

このように、長くお付き合いいただけるお客様との関係を深める必要性を感じていたことに加え、すぐに購入には至らないお客様のフォローをしたいという思いもあった。購買プロセスの途中でこぼれ落ちてしまうお客様を、見込み顧客として拾い上げる仕組みを作ることで、機会損失を最小限に抑えたかったのだ。

IT投資に積極的な会社の意向もあり、Marketo Engageの導入が決まった。実際にMarketo Engageの導入を進めたのは、杜氏氏と建口氏である。ITリテラシーの高い両氏がいたとはいえ、最初の半年間は苦労の連続だった。

コンテンツを作成し、メールマーケティングを始めてはみたものの、すぐに成果が出るわけではない。メールマーケティングによって生まれた顧客行動を、営業活動につなげるまでには相当のハードルがあったのだ。

「Marketo Engageの運用開始からしばらく経過して、『お問い合わせの件数は増えているか?』という社内からのプレッシャーも強くなっていきました。なかなか成果に繋がらない時期にアドビのコンサルタントの方に相談したところ、『理想とするマーケティング像を一気に実現するのではなく、まずは成果に繋がりやすいところを見極めて、ミニマムでやっていきましょう』とアドバイスをいただきました。それなら、まずは商談につながる一歩手前にある"無料サンプルの申し込み数を上げること"にフォーカスしようと決めたんです」(杜氏氏)

無料サンプル申し込み数が対前年比約2倍に増加

『ふくろ屋ふくなが』のサイトを見ると、トップページで最も目立つのが「フレコンバッグを無料でお試しできます!しかも即日配送!」と書かれたバナーだ。メールからECサイトへ誘導したときに、お客様の目に留まりやすいよう、無料サンプルの申し込み数を上げる一環として、ECサイトでの見せ方を改良した。

施策を推し進める中で、新たに見えてきた課題もあった。収集する顧客データの体系化ができていなかったのだ。インサイドセールスとの連携がうまく進まなかった原因のひとつもここにあった、と建口氏は分析する。

「ECサイトから来て欲しいお客様のペルソナをマーケティングだけで作っていましたが、それがインサイドセールスの中で腹落ちしていなければ、数字の改善にはつながらないことがよくわかりました。

インサイドセールスと一緒にペルソナを描き、足並みをそろえて同じゴールを目指すようになったことで、Marketo Engageの導入から2年目以降は、無料サンプルの申し込み数を対前年比で2倍ほど獲得できるようになり、今でも順調に伸ばすことができています」(杜氏氏)

このような大きな成果を上げるために、同社ではどのようなメールマーケティングを行ったのか。

冒頭に触れた通り、フレコンバッグの用途は多岐にわたるため、業種が絞りきれない。また、ECサイトを軸としている以上、顧客は全国に広がっており、顧客の属性によってセグメントを切ることは至難の技だ。

そこで同社ではお客様アンケートの声に耳を傾けることにした。自分たちの強みを知り、それを武器にしていこうと考えたのだ。

アンケートを分析する中で見えてきたことがあった。それは、"サポートの質の良さ"に価値を感じているお客様が多かったことだ。事実、データを分析してみても、インサイドセールスが接触したお客様は継続率が高く、新たなニーズが発生したときに相談が入るケースが多く見られた。

したがって、同社では「既存顧客かどうか」「インサイドセールスとの接触の有無」「無料サンプルの申し込みの有無」を軸にセグメントを切り分け、その結果に応じてメールコンテンツを出し分けるよう設計した。

さらにユニークなのが、関西弁と標準語の2種類のメールとランディングページを作り、関西圏の会社に対しては関西弁のコンテンツを、非関西圏の会社に対しては標準語のコンテンツを出し分ける試みだ。

「語尾を関西弁にするだけでも、関西圏の方はメールを開いてくれやすくなるんですよ」とコンテンツ作りを担う橋本氏は、笑顔を見せる。

1年経って感じる、Marketo Engageを導入した意義

今後、引き続き挑戦したい課題として、杜氏氏は2つのポイントを挙げた。

1つめはCRMシステムの切り替えを進めることである。Marketo Engageの効果をさらに高め、データを活用した営業の効率化を実現するためには、SalesforceのようなMarketo Engageとの連携性が高いシステムを選択したい。しかし、過去に導入したCRMシステムに慣れ親しんできたインサイドセールスにとって、新しいシステムに適応することは、一朝一夕にできることではない。

2つめはホットリードの対応を強化することだ。Marketo Engageで検知したお客様のオンラインの行動に応じて、インサイドセールスから電話できる仕組みを作ることができれば、お客様の興味関心が高まったタイミングで良質なコミュニケーションが図れると考えていた。

しかし、当初このアイデアをインサイドセールスに伝えても、「ちょっとそれは...」と難色を示されたと言うが、Marketo Engageの導入からいくらか時間が経ち、インサイドセールス自身もその効果を実感している今、「お客様にとっても価値のあることだから、積極的にフォローしていきましょう」というマインドに変化してきている、と語る。

「私がMarketo Engageを導入して一番よかったと思うのは、Marketo Engageの導入を契機に、弊社に足りないポイントがどんどん明らかになったことです。マーケティングの観点から、お客様のためにやるべきことが明確になったおかげで、ビジネスの成長に向けて、大きく前に進むきっかけになったと感じています」(杜氏氏)

Marketo Engageの導入によってマーケティングの道筋が見え、さらにSalesforceと連携することで、効率的かつ効果的なデータの蓄積が始まったフクナガエンジニアリング。データによって、お客様とさらに深く強固に結びついた先に、どんな未来を描いていくのだろうか。今後の展開が楽しみだ。

取材日:2019年10月2日

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