Emotion Tech様
株式会社Emotion Tech ~お客様とパートナー様と三位一体でインバウンド施策に貢献--約3カ月でアポ獲得率4倍を実現
「顧客の声から売上向上のヒントを得たい」「会員数を増やすための要因が知りたい」「社員の離職率を下げたい」といった、企業のさまざまな課題に対し、独自の技術とクラウドシステムを組み合わせたソリューションを提供する企業が注目を集めています。
株式会社Emotion Tech(エモーションテック)です。
手がけるサービスは、大きく2つ。顧客向けのCXM(Customer Experience Management)と従業員向けのEXM(Employee Experience Management)です。
顧客や従業員の感情にフォーカスしたデータ解析技術や、顧客・従業員ロイヤルティを数値化するNPS(Net Promoter Score)、eNPS(Employee Net Promoter Score)に関する幅広い知見を強みに、今や導入社数は約200社にのぼります。
今回のインタビューでは、同社からはマーケティング本部 マーケティング部 部長・須藤 勇人氏、同部メンバーの野手 清美氏にご登場を願いました。
さらに導入から技術面をサポートした弊社パートナー企業の株式会社パワー・インタラクティブのマーケティングコンサルタント・山下 智氏、弊社 営業担当の田中 佑介も加わり、チームとしていかにMarketoを導入し、成果に結びつけたのかをご紹介します。
※ 左から同社・野手氏、須藤氏、弊社・田中、パワー・インタラクティブ・山下氏
やりたいこと、ゴールを明確にしてこそ、MAの選択基準が見えてくる
同社がMarketoを導入したのは、2017年3月末のこと。それ以前は、別会社のマーケティングオートメーション(MA)、さらに溯って、16年春ぐらいまでは、ひたすら社員とアルバイトで、電話などのアウトバウンド施策で、営業をしていたとか。
「同年夏ごろから、HPなどを通じ、リードを獲得できるようになりました。そこから効率性を重視し、インバウンドの施策に集中しようとMAを導入しました」と須藤氏は振り返ります。
ところが、以前のMAでは、細かいスコアリングやセグメントができず、目指していた質の高いリードの獲得や育成が実現できないことが判明。
そこで、リプレイスを検討。2代目のMAとして、Marketoに白羽の矢を立てます。その理由について、須藤氏は、大きく3つのポイントを挙げます。
1つ目が、やりたいと思ったことが実現するカスタマイズ性の高さ。2つ目が、良質なリードを蓄積し育成していく上で、時代を超えて長く使える汎用性とブランド力。加えて、3つ目が、ユーザーコミュニティの存在でした。
「カスタマイズ性が高いということは、使い方の幅も広くなります。そうした知見や情報が蓄積されており、いつでも聞きたいと思うことや知りたいことにリーチできるコミュニティの存在は大きなポイントでした」(須藤氏)
最初に須藤氏にコンタクトをとった田中も、「初めてお会いした時から、やりたいことがはっきりされていたのが印象的でした」と明かします。そして、「スピード感を持って導入し、一刻も早く施策をスタートしたいとのことでしたので、技術的な知見、サポート実績を幅広く持っておられる山下さんにサポート役をお願いすることにしました」と振り返ります。
ここから、チームでタッグを組み、まずは以前使っていたMAからのデータ移管作業からスタートします。
当時のマーケティング部はメンバーも少なく、須藤氏がひとりで担当。「他の仕事もある中、大変だったと思います。それでも、ご自身でシナリオを作成するなど、方針が明確だったため、いいスタートが切れました」(山下氏)
「当初は、山下さんからの宿題や、膨大なタグ付け作業で手がいっぱいのときもありました(笑)」と明かす須藤氏。しかし、「山下さん自身がMarketoの利用キャリアも長く、ユーザー視点、長期的視点に立って、今やるべき設定や準備についてアドバイスをしてくださいました。単なる操作マニュアルにはない、実践的な助言を得られたことは非常にありがたかったです」と言います。
こうして、最初の1カ月で基本的な設定を終え、試運転をしながら、5月から本格稼働を開始。そのタイミングで、野手氏がマーケティング担当としてチームに加入し、施策を展開していきます。
見込み顧客の行動を視覚化し、優先順位をつけてアポ入れを適格に実践
同社ならではのマーケティングの課題は大きく2つありました。
1つ目が、サービス内容に対する社会的認知度がまだ低いことでした。
「例えば、NPSという言葉一つとっても、『聞いたことはあるけれど......』といった反応も多いです。メール配信やセミナー開催などで、いかにお客様とコミュニケーションを継続し、弊社のサービスに関心を持っていただくかが課題でした」(野手氏)
2つ目として、サービス単価が高く、導入の検討段階から、購入に至るまでの期間が長期化しやすいことも挙げられます。
リードをしっかりとナーチャリングしていくことが肝要となりますが、せっかくリードが獲得できても、マンパワーの問題で、営業のアプローチが追いつかないことも課題となっていました。
では、Marketo導入で、何がどう変わったのか。
まず成果として挙げられるのが、営業がアクションを起こしたうち、アポにつながった割合を示す、アポ獲得率の大幅な上昇です。
「これまではせっかくリードが10倍、15倍と増えても、営業が追いつかない。フルパワーで電話をかけても、アポが増えずに徒労感ばかりが増す状態でした。MAでスコアリングを見ながら、優先順位をつけ、リードがホットなところからアポを入れられるようになったことで、アポ獲得率が大きく改善しました」(須藤氏)
実際の数値としては、「MAを入れた当初の3月末時点でのアポ率と、一番、成績が高かった7月で比較すると、約4倍を達成しました」と野手氏。通常、夏休み時期で、アポ獲得率が下がる8月も、3倍をキープしたと言います。
次の成果としては、施策を実施する際の工数が大幅に削減できたこと。
「これまでは名刺情報、セミナー参加、Webからのリードがバラバラの状態で、ほぼ管理できていなかったのが、Marketoで簡単に一括管理できるようになりました。それによって、どのチャネルからリード化したかの道筋が見えるようになったのも大きな違いです」(野手氏)
さらに、従来では営業担当が6名がかりでメールを送付していたのが、MAを担当する野手氏、ほぼ1名でコンテンツを配信できるようになり、工数にして6分の1の省力化が実現したと言います。
最後に、定性的な成果として、営業メンバーから、電話をかける際の心理的負担が削減された、という声も挙がるようになったのも、エンゲージメントプラットフォームとしての強みでしょう。
「電話をかけても、『メールを見ましたよ』と、お客様からの反応がいいですね。話が早いといったフィードバックを営業から受けると、マーケターとしてもやりがいがあります。社内の雰囲気も変わりました」と野手氏は語ります。
これに対し、「この短期間で、素晴らしい成果だと思います」と山下氏は評価。
「マーケティング部門で、有望顧客を絞り、エンゲージメントを高めていくというMAのあるべきゴールを、非常に適格に実現しているケースではないでしょうか」と語ります。
企業情報データベースとの連携で、さらにターゲットを厳選
また、アポ獲得率向上のもう一つの要因として、須藤氏が挙げたのが、山下氏の勧めによって導入したという、クラウド型の企業情報データベースとの連携です。
「IPアドレスから業種や企業規模、売上高といった企業情報を参照することで、弊社サービスの主なターゲットとなる大企業を中心に、絞り込むことができます。これによってアポ獲得の確度がさらに上昇しました」と須藤氏。
野手氏も、「メール施策についても、企業情報を見ながら、業種や部署ごとに出し分けをするなど、細やかなコンテンツマーケティングが実践できるようになりました」と明かします。
同社では、現状の商品ラインナップに加え、ミドルビジネス向けに価格を下げたサービス提供も予定しており、より企業規模やターゲットに合わせたエンゲージメントマーケティングを実施していきたいと語ります。
最後に、今後の目標を語ってもらいました。
「最近、新しいエンゲージメントプログラムを導入したばかりなので、商品ラインナップの拡充に合わせたコンテンツの充実、アプローチの精度をさらに高めていきたいです。Salesforce導入も予定しています」と野手氏。
須藤氏は、「B to Bマーケティングを成功させるには、営業との連携が大事です。現在も、営業とのミーティングを実践していますが、今後は、お客様になった後の情報も共有し、既存顧客のナーチャリング、提供するサービスのバリュー向上もしっかり実践していきたいです」と語ります。
それに加え、「クラウドサービスにおいては、休眠や解約が発生した際のフォローも肝心です」と指摘するのは山下氏。
「これから顧客企業が増えたところで、新たな課題として浮上しうる休眠・解約ユーザーをいかに育成、復活させていくか。MAは導入したら終わりではなく、実態に合わせ、進化させていくことが大事です。そのために、私も長期スタンスで、サポートしてまいります」と語ってくれました。
まさに、お客様、パートナー、そして弊社メンバーでタッグを組み、プロジェクトを推進したからこそ、短期間での成果に結びついた好例ですが、今後の案件化も含め、取り組みはまだ道半ばです。
今回のインタビューを経て田中も、「今後も積極的に推進したいのは、弊社が掲げる『Marketing Nation』ですね。Marketoユーザー、パートナー、マルケトメンバーで、互いの専門性を高め合い、ビジネス成長を加速させていきたいです。お客様の成功を実現していくべく、私自身も全力を尽くしてまいります」と決意を新たに表明。
"チームEmotion Tech"のチャレンジは、まだまだ続きそうです。
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