コラボスタイル

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全施策オンラインシフトで顧客接点を増やし商談創出数約150%増

DX(デジタルトランスフォーメーション)やテレワークの普及を背景に、多くの企業で社内業務の効率化、ペーパーレス化などを実現するワークフローシステムの導入が進んでいる。競争も激化する同サービス市場において、誰でも簡単に運用できる直感的な操作性で支持を集めているプロダクトがある。株式会社コラボスタイルが提供する「コラボフロー」だ。

国内最大級のIT製品・SaaSレビューサイト「ITreview」のアワード、「ITreview Grid Award 2021 Spring」の「ワークフロー部門」では、高い顧客満足度を得ている製品に贈られる「High Performer」を受賞。また、顧客の継続利用率は99.55%を誇っている。

様々な業界業種から定評がある「コラボフロー」だが、先行する競業企業も多い中で、同社はいかにマーケティング戦略、施策を展開しているのか。同社のマーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセス、営業全般を統括する加瀬 曹一郎氏と、マーケティング担当としてウェビナーの企画やAdobe Marketo Engageの運用に携わる太田 晴子氏に聞いた。

顧客の興味関心に合わせた施策実現のためMAのリプレイスを実施

2人がコラボスタイルに入社した当時、同社にはすでに他社MA(マーケティングオートメーション)が導入されており約2年ほど運用されていた。しかしMAの操作性、運用体制に様々な課題を抱えていたという。

まずは、操作性の問題だ。

「例えば、一度配信したメールの条件や対象を変えて、再配信しようとしても設定作業が複雑で、毎回数時間かかるような状況でした」と太田氏。

また、そもそものMAの設計思想として、顧客情報をセミナーやイベントの参加を起点に管理する仕様のため、顧客の全般的な興味関心やそれに沿った言動に対応したアプローチがしにくいのもハードルになっていた。

さらに基幹となるCRMツールおよびインサイドセールスとの連携にも問題があったという。「インサイドセールスチームを立ち上げたばかりで、マーケティングチームが持っているリード情報、インサイドセールスの架電情報がMA内に混在し、個々人が更新作業を行うなど、リードがまったく整理できていない状況でした」と加瀬氏。

そこで、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、およびカスタマーサクセスといった各チームの連携を見直すとともに、MAのリプレイスを検討する。

最終的にAdobe Marketo Engageに白羽の矢を立てた理由として、「実際にMAを運用する立場として、以前のMAで課題となっていた操作性がシンプルで、メール配信の条件設定なども柔軟にできる点が優れていると思いました。また、お客様の温度感や興味関心に対して様々な施策でアプローチできる点、CRMとして使っているkintoneとの連携の相性も決め手となりました」と太田氏。

加瀬氏は「豊富な導入件数の中でも特に当社と同様のSaaSサービス関連企業の成功事例が多くあり、参考にしやすいと考えたのもポイントでした」と言う。加えて、他ユーザー企業との交流を図るコミュニティ活動も積極的に行われており、他社の知見を共有できるのも魅力だったという。

Adobe Marketo Engageの活用でウェビナーの企画・運用を効率化

同社は2020年5月にAdobe Marketo Engageを導入。旧MAからの既存リードの移行を進める一方で、kintoneとの連携作業を進める。

約4カ月をかけ、kintone×AWS×Adobe Marketo Engageを連携させたマーケティング基盤を構築。同年9月から本格的に施策を稼働していく。

では、導入から約1年を経た現在、どのような施策を展開し、変化が表れているのか。

最も大きなメリットとして加瀬氏が挙げるのが、Adobe Marketo Engageを核に、あらゆる施策をオンラインにシフトし、見込み顧客とのタッチポイントを増やせたことだ。

その一つが、高い頻度でウェビナーを開催していること。「以前はオフラインのイベントだけを開催していましたが、コロナ禍の影響もあり20年3月頃からウェビナーに全面シフトし、この1年間で開催数が劇的に増加しました」と加瀬氏。多いときは週2~3回、1日に複数回実施することもあり、その運用や管理にAdobe Marketo Engageをフル活用することで業務効率化を図っている。

とはいえ、これだけ高頻度でウェビナーを開催するにはコンテンツ制作などの負荷が懸念されるところだが、「登壇者はほぼ1人に限定し、鉄板となるシナリオを核に、テーマによって随時カスタマイズして話してもらうようにしています」と加瀬氏。

ウェビナーによる集客力、リード獲得アップ実現には、「高頻度、量産に注力するべき」という方針の下、企画や集客、LPの作成、メール管理などの業務はマーケティングチームが一手に引き受け、役割をしっかりすみ分けしているのもポイントだ。

もちろん、新たな企画でウェビナーを開催する際には、期間に余裕を持って念入りに準備を進めている。カスタマーサポート部門が実施する既存ユーザー向けの勉強会においても同様で、講師に負担がかかりすぎないよう、各チームの担当者が連携し役割分担を明確にしているという。

「セミナーで得られた質疑応答の内容やアンケート情報も共有し、次のステップとしてハンズオンセミナーや、個別に営業チームが担当するオンラインデモにも誘導する仕組みを構築しています」(太田氏)

リードインテグレーションツール連携でリード管理をシステム化

また、自社のウェビナーに加え、他社との共催ウェビナーやオンラインイベントにも積極的に参加。多様なチャネルからの資料請求も急増したことから、外部メディアから獲得したリード情報をMAに自動的にインポートするリードインテグレーションツール「Lead Brizzy」を導入した。

Adobe Marketo Engageをkintoneと連携させることにより、kintone上でリード情報、インサイドセールスがヒアリングした内容といった情報を、整理した形で"見える化"を実現。Adobe Marketo Engageからkintoneへは、会社名、メールアドレスといったリードの属性情報とリードソースを共有。一方で、kintoneからAdobe Marketo Engageには、「無料お試し版」の利用状況を連携している。

「業務の効率化を図りつつ、リードソースを踏まえた上で獲得したリードに最適なタイミングで適切なコミュニケーションを取ることができるようになりました。旧MAを利用していた際のセミナー参加を起点とするアプローチから、個々のお客様の興味関心や、インサイドセールスチームの対応状況をも反映した形で、効果的な架電やご質問への対応ができるようになったのは大きかったと思います」(太田氏)

これらのオンラインシフトにより、具体的な成果として「約1年間でハウスリードが約150%、商談創出数も同様に前年度比約150%を達成しています」と加瀬氏。

定性的な成果としても、以前なら数時間かかっていたメール配信の設定の変更なども10分ほどで完了するなど、大幅な業務効率化を実現。顧客のステータスの変化によりフローを変えるなど、柔軟なマーケティング活動につなげている。

リードのナーチャリング強化により、さらなる成果向上を目指す

今後は、Adobe Marketo Engageとkintoneとの連携をさらに強化し、顧客のフェーズやセールスの進捗具合などの密な同期を実現したいと考えている。「興味関心に合わせたメールやコンテンツの作成と配信、Adobe Marketo Engageでキャッチしたお客様のアクティビティについてインサイドチームに情報を送り対応のスピードアップを図るなど、施策の精度、確度を上げていきたいですね」と太田氏。

コンテンツについては、ワークフローの紹介や活用法などを中心に、書きためている最中だといい、今後は既存リードのナーチャリングも強化していく方針だ。

その他、まだ活用できていないAdobe Marketo Engageの機能への理解も深め、「当社のブランディングとしても、『コラボフロー』の使いやすさと顧客満足度、継続利用率の高さといった強みをよりアピールできるようなマーケティング、露出に注力していきます」と語る加瀬氏。

コロナ禍を契機に、20年7月には脱東京一極集中を掲げ、本社を名古屋に移転したという同社。未曾有のピンチもワークスタイルを見直すチャンスととらえ、新たなチャレンジをし続ける同社の今後の新たな取り組みにも注目したい。

取材日: 2021年4月21日

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