マーケティング入門

2021.10.06

パーソナライゼーションとは?マーケティングに必要な理由と注意点

パーソナライゼーションとは、顧客一人ひとりのニーズやライフスタイルに合わせて、提供する情報やサービスを最適化するマーケティング手法です。ディスプレイ広告やカスタマーサポート、メールなど、複数のチャネルを通じて一貫した体験を提供し、顧客満足度を高めてコンバージョンの増加やLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化につなげることを目的としています。

人々の価値観が多様化する今、必要不可欠とされるパーソナライゼーションについて、概要や必要とされる理由、注意点などを詳しく解説します。

目次

パーソナライゼーションの例

検索履歴や訪問したwebサイトに応じて、検索結果が自分の要望に合うようカスタマイズされたり、ECサイトで購入した商品や検索した商品、一度カートに入れた商品に関連しておすすめ商品が広告に表示されたりするのは、パーソナライゼーションの代表的な例です。
最近では、人間との会話に近い感覚でコミュニケーションがとれるチャットボットも、ユーザーの情報から好みや行動を予測し、パーソナライズされたメッセージを送ることができる手法として注目されるようになりました。 パーソナライゼーションをより深く理解するために、まずは身近な具体例を見ていきましょう。

Amazon:レコメンド機能

Amazonのアプリやwebサイトを開くと、最近検索したり、購入したりした商品に似た商品が「おすすめ」として表示されます。これは、レコメンド機能とよばれるパーソナライゼーションの手法です。顧客の閲覧履歴や行動履歴に合った商品を示して興味を引くことによって、webサイトの滞在時間が長くなり、商品の購買率が高まります。
また、「自分の嗜好を理解してくれている」「自分に合った商品をおすすめしてくれる」といった価値ある体験を提供することで、ブランドや製品、サービスへのロイヤリティ向上にもつながっています。

Google:パーソナライズド検索

Googleは、ユーザーが検索したワードを基に、求めているものや意図、目的を予測して、検索結果に反映する「パーソナライズド検索」を2005年からスタートさせました。パーソナライズド検索は、ユーザーの所在地、過去に検索したワード、過去に訪問したwebサイト、クリックしたURLなどを参考にして検索結果に反映させているといわれています。
これも、個人の興味関心に沿った情報提供により、顧客満足度を上げるパーソナライゼーションのひとつです。

Netflix:レコメンド機能

Netflixでは、ユーザーが好みのテレビ番組や映画のタイトルを見つけることができるよう、独自のレコメンド機能を提供しています。
レコメンドの基準になっているのは、ユーザーがNetflixで過去に視聴した番組やその評価、似た属性を持つユーザーの視聴傾向、よく視聴する時間帯と視聴時間、視聴しているデバイスなどの情報です。これらの情報をアルゴリズムで処理し、最適な提案をすることで、ユーザーのモチベーションをアップさせています。
ユーザー本人の行動だけでなく、似た属性を持つユーザーの行動も、パーソナライゼーションに利用しているのです。

パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違い

パーソナライゼーションと混同されやすい言葉に、カスタマイゼーションがあります。カスタマイゼーションの例としては、アプリのレイアウトや表示されるコンテンツを自分好みに変更したり、必要な機能を追加したりすることなどが挙げられます。

パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違いは、最適化を実施する人と最適化の目的です。パーソナライゼーションは商品やサービスを提供する側が最適化を実施し、商品やサービスを通じて顧客体験を向上させ、興味や関心を引いて購買につなげることを目的としています。
それに対して、カスタマイゼーションはユーザー自身が最適化を実施し、商品やサービスの使用を通じた体験を、より価値あるものにすることが目的です。

パーソナライゼーションが現代のマーケティングに必要な理由

パーソナライゼーションが現代のマーケティングに必要とされる理由には、どのようなものがあるのでしょうか。主に、インターネットの普及に伴う2つの要因が考えられます。

主導権がサービス側から顧客に移行

インターネットの普及で顧客の行動範囲が広がり、企業の発信を待たずにみずから情報を収集して商品を選ぶようになりました。これによって、購入に至るまでの主導権が、ビジネス側から顧客側に移行したのです。
そのため、サービス側は、顧客がアプローチする情報を想定し、その情報を個別最適化することで、サービスや商品への興味関心を喚起する必要に迫られました。そこで、パーソナライゼーションが必要になったのです。

価値観の多様化

顧客が得られる情報が増加し、多彩な情報にふれられるようになったことで、価値観も多様化しました。近年は、多様性を尊重する風土も醸成されています。
結果として、従来の一方的かつ画一的なマスマーケティングで心を動かされる層が減り、パーソナライズされた情報提供の重要性が高まったと考えられます。

パーソナライゼーションで期待できる効果

パーソナライゼーションを実践することによって期待できる効果について確認しておきましょう。パーソナライゼーションの代表的な効果は、下記の4つがあります。

エンゲージメントを高めることができる

パーソナライゼーションでは、一人ひとりの属性や行動履歴、ニーズを分析し、最適化した情報を提供することが可能です。これにより、顧客は「自分のために時間を割いてくれている」「自分を大切にしてくれている」といった特別感を味わい、上質な体験を通して企業へのエンゲージメントを高めて、企業との信頼関係を構築していきます。
一般的に、webサイトの場合は回遊率が高ければエンゲージメントも高くなるといわれています。回遊率を測定すれば、エンゲージメントの変化を知ることが可能です。

既存顧客を維持して単価アップにつなげられる

パーソナライゼーションによって満足度がアップした既存顧客は、企業との結びつきや信頼をより深めて、商品やサービスを継続的に使用します。
また、さらなる満足度の向上に期待して、より単価の高い商品やサービスの購入につなげられるでしょう。

コンバージョン率を高める

パーソナライゼーションによって、顧客のニーズに合わせた情報を直接的に提示することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
コンバージョン率は測定可能な指標なので、パーソナライゼーションの成果を証明するためにも、目標を設定して数値を測定しましょう。

潜在ニーズの掘り起こしができる

不特定多数ではなく、顧客一人ひとりを深く分析するパーソナライゼーションは、顧客自身が気づいていない潜在的なニーズの掘り起こしにもつながります。「実はこういうものが欲しかった」「考えたことはなかったけど、これがあれば確かに便利だ」といった気づきにアプローチすることができれば、コンバージョンが向上するでしょう。

パーソナライゼーションに大きく関わる規制

これまでご紹介したとおり、顧客の属性や行動履歴に基づいて情報を個別最適化するパーソナライゼーションは、インターネットが普及した現代において非常に効果的なマーケティング手法です。一方で、パーソナライゼーションは個人情報が大きく関わることから、その扱いと規制には十分注意をしなくてはなりません。
個人情報に関する規制は世界中で進んでおり、企業には適切な個人情報の取り扱いが求められています。ここでは、パーソナライゼーションに大きく関わる規制を挙げておきましょう。

個人情報の保護に関する法律

日本の個人情報の保護に関する法律は、個人情報の収集や利用に関するルールを定めており、すべての事業者が対象です。住所や氏名、生年月日、電話番号のほか、顔写真、指紋、免許証番号、マイナンバーなども個人情報とされています。
また、個人情報の保護に関する法律は3年ごとに見直されているため、以前は努力義務であった情報漏洩時の通知が義務化したように、規制や罰則が厳しくなる可能性もあります。常に最新の情報を確認し、必要に応じて対策をとりましょう。

GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)

GDPRは、個人データの保護や扱い方について定めた、EU域内の各国に適用される法令です。日本の企業であっても、EU域内の居住者に商品やサービスを提供し、個人情報を取り扱っている場合はGDPRが適用されます。
GDPRでは、個人の基本的な権利を保護するために、画像、映像、メールアドレス、顧客名簿、音声など、幅広いデータを対象としています。また、事前の承諾なしにはデータを取得できないこと、個人データの侵害があればすぐに本人に知らせること、本人はデータの削除を管理者に依頼できることなど、厳しい規制を設けています。

GDPRについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

GDPRとマーケター Marketo Engageユーザー向け実践ガイド

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CCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法)

CCPAは、アメリカのカリフォルニア州の個人データ保護に関する法令です。
画像、映像、メールアドレス、顧客名簿、音声のほか、位置情報、インターネットの検索履歴や閲覧履歴なども個人データに含まれます。GDPRとは異なり、顧客の要請がなければ情報を開示する必要はないことを前提とし、使用については制限していません。

カリフォルニア州はアメリカで最も人口が多く、大手IT企業の本拠地も数多く存在していることから、この規制がほかの州、および他国に及ぼす影響は少なくないと考えられます。日本もその例外ではなく、よりハイレベルな個人情報管理を徹底していくべきでしょう。

Cookie規制

Cookieの利用に、大幅な規制を設ける動きも活発化しています。Googleは、webサイト上の未知の訪問者のトラッキングや、顧客体験のパーソナライズ、広告のターゲット選定などに利用されてきたChromeの3rd Party Cookieを、2023年後半に終了すると発表しました。

また、Appleは、2013年からSafariでITP(Intelligent Tracking Prevention)を通じて、Cookieの保存期間の制限や無効化などのデータの安全性対策を実施しています。さらに、Appleは2021年に配信されたiOS 14.5からATT(Application Tracking Transparency)を開始し、アプリケーションのトラッキングについてユーザーの許可を求めるようになりました。

3rd Party Cookieとは、ユーザーがアクセスしたwebサイトとは違うドメインが発行したCookieを指します。例えば、ユーザーがアクセスしたwebサイトに広告が掲載されていた場合、広告配信サーバーが発行したCookieは3rd Party Cookieとなります。ちなみに、1st Party Cookieとは、ユーザーがアクセスしたwebサイトと同じドメインが発行したCookieのことです。

企業は、新規ユーザーの獲得が困難になる中、魅力的な顧客体験を提供する方法を探っていかなくてはなりません。こうした動きを悲観せず、好機と捉える企業の中には、読者の会員化によるサブスクリプションモデルを確立したアメリカのニュースサイトBusiness Insiderなど、収益増に転じるケースも出てきました。
近い将来、日本国内でもCookie規制が強まる可能性は高く、企業には早期の対応が求められています。

1st Party Dataを活かしたパーソナライゼーションにMAを利用

パーソナライズされた顧客体験への期待が高まる一方、個人情報の取り扱いが厳しく制限される現状において、企業は許諾済みの1st Party Dataを用いて顧客を獲得していく必要があります。1st Party Dataの代表例としては、氏名、メールアドレス、電話番号、購買履歴、アプリの利用ログなどが挙げられます。

今後のパーソナライゼーションに欠かせない、1st Party Dataの収集や利用に役立つのがMA(マーケティングオートメーション)です。
MAは、マーケティング活動を自動化し、収益のプロセスを可視化するツールです。MAを導入することで、顧客情報の一元管理、購買意欲に合わせたきめ細やかなマーケティングによる見込み顧客の育成、マーケティング施策の効果の可視化、費用対効果の分析などを行うことができます。

MAについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

マーケティングオートメーション入門ガイド

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Adobe Marketo Engageでできること

アドビ株式会社が提供するMAのAdobe Marketo Engageは、匿名リードに対して関連性の高いコンテンツやパーソナライズされたメッセージを届け、エンゲージメントを高めることができます。具体的には、下記のような点に強みがあります。

実名リードの獲得と匿名リードの実名化

1st Party Dataを利用したパーソナライゼーションに欠かせない実名リードの管理は、Adobe Marketo Engageが最も得意とするところです。一度、自社サイトを訪れた匿名顧客の顧客情報を、名刺交換などによって得た個人情報に紐づけ、実名化することもできます。
例えば、Adobe Marketo Engageを利用した場合、展示会やセミナーなどで交換した名刺のほか、出席者に記入してもらった申込書やアンケートといったオフラインで獲得した実名リードと、問い合わせフォームや資料のダウンロードといったオンラインで得た実名リードを一元管理することが可能です。

顧客の検討ステージに合わせた中長期的なシナリオの作成

実名リードを獲得した後は、中長期的なシナリオを組み、その反応によって緩やかに情報を変化させながらアプローチしていく必要があります。
Adobe Marketo Engageは、一度組んだシナリオの並べ替えのほか、顧客の興味や検討度合いに応じたシナリオの切り替え、施策の成果による見直しなども簡単に行うことができます。そのため、確実に顧客との関係性を深めていくことができるでしょう。

パーソナライズにAIを利用したコンテンツの配信

マーケティングにおけるAIの有効性は以前から注目されていますが、なかなか利用できていないマーケティング担当者が多いようです。しかし、AIの使い勝手は驚くほどのスピードで改善されており、手間と時間をかけることなく、パーソナライズされたコンテンツを配信することができるようになりました。

Adobe Marketo Engageでは、蓄積されたデータを基に、AIが自動的に高精度な予測モデルを作成します。予測値をリアルタイムで各チャネルと連携することによって、流入してきた顧客に対して瞬時にパーソナライズしたコンテンツの提供が可能です。

AIのパーソナライゼーションへの利用については、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

AIで進化するマーケティング

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マルチチャネルでのパーソナライズ支援

顧客ごとのパーソナライゼーションをより効果的に行うには、チャネルごとの施策のデータを一元化することが重要です。Adobe Marketo Engageは、webパーソナライゼーション、メールのパーソナライゼーション、リターゲティング連携、営業連携など、マルチチャネルでパーソナライゼーションを支援します。
より良いコミュニケーションを実現して優良顧客を増やし、アップセルやクロスセルにつなげることが可能です。

顧客のモチベーションの見える化

Adobe Marketo Engageは、実名化されたリードを「展示会やセミナーに参加した」「自社サイトを訪問した」「ホワイトペーパーをダウンロードした」といった行動履歴に応じてスコアリングします。
顧客の現時点でのモチベーションを見える化し、よりパーソナライズされた良質なコミュニケーションを長期的、かつ継続的にとり続けることによって、受注確度の高いホットリードへの育成が可能です。

Adobe Marketo Engageで、高度かつ有効なパーソナライゼーションを実践

Adobe Marketo Engageのwebパーソナライゼーションは、webサイトの訪問者のうち、98%以上を占める匿名リードに対して、関連性の高いコンテンツや、パーソナライズされたメッセージを届けることで顧客のエンゲージメントを高められます。また同時に、購買により近いであろう実名リードに対しても、よりパーソナライズされた情報を提供することでコンバージョンや収益への貢献も見込めます。

webサイトで表示されるコンテンツを、顧客属性や行動に合わせて最適化するといった基本的なパーソナライゼーションの施策や、AIが作成した高精度な予測モデルを基に、パーソナライズされたコンテンツを提供するなど、Adobe Marketo Engageを利用してさまざまな施策を実施することが可能です。

Adobe Marketo Engageのwebパーソナライゼーションについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

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