マーケティング入門

2021.10.06

マーケティングにおけるAIの効果とは?種類や注目される理由を解説

AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、1956年のダートマス会議で使用された言葉です。大まかに、「人工的に作られた、人と同じように思考する知能およびその概念や技術」と理解されていますが、その説明は研究者によって異なり、統一された定義はありません。
近年では、マーケティングでAIを利用する場面が急速に拡大しています。ここでは、AIの種類やマーケティングでAIが注目される理由のほか、AIを搭載したMA(マーケティングオートメーション)でできることなどを解説します。

目次

AIの基礎知識

AIと関連して話題になる言葉に、機械学習やディープラーニングがあります。まずは、AI、機械学習、ディープラーニングの違いについて説明します。混同しやすい言葉なので、整理しておきましょう。

AI:人工的に作られた、人と同じように思考する知能およびその概念や技術

AIは、人工的に作られた、人と同じように思考する知能およびその概念や技術を指します。のちほど説明する機械学習とディープラーニングも、AIの概念に含まれています。
代表的なAIのひとつに、ルールベースAIがあります。ルールベースAIは、人間が記述したルールに従って動くAIで、人間が教育することによって学び、人間の判断を効率化してくれます。定型的で、反復の多い作業で力を発揮しますが、自立的に学習するわけではないため、予想外のことや教えられていないことは判断できません。

機械学習:みずからルールを見つけ出し、分類や予測などを行う技術

機械学習は、みずから大量のデータに潜むルールを見つけ出し、そのルールに沿って分類や予測、判断などを実行するアルゴリズムです。ルールベースAIのように、人間がルールを記述する必要はありません。

ディープラーニング:人間の脳の仕組みに近い思考回路を持つ機械学習の手法

ディープラーニングは、機械学習をさらに発展させた技術のひとつです。人間の脳の仕組みに近い人工的な思考回路ネットワークを構築して、みずから推論や認識を行います。十分なデータさえあれば反復的に学習し、人の手を介さずにタスクを遂行します。

AIの進化

AIも、最初から高度な推論や認識ができたわけではありません。AIは、1950年代からできることが増え、進化を続けています。ここでは、AIの進化を3段階に分けて解説します。

第1段階

第1段階は、AIという言葉が生まれる前後の1950年代から1960年代です。当時のAIは、コンピューターの推論や探索で単純な問題を解くことはできたものの、複雑な現実社会の問題には対処できないことがわかり、ブームはいったん終焉を迎えました。

第2段階

第2段階は、コンピューターが推論するためのベースとして、知識を取り込めるようになった1980年代です。ただし、コンピューターが自動で知識の収集や蓄積を行えるわけではなく、すべての情報を人間が手作業で記述して認識させる必要があったため、利用は一部領域に限定されました。

第3段階

第3段階は、2000年以降です。ビッグデータからAI自身が知識を収集および蓄積する機械学習の実用化がきっかけとなってブームが再燃しました。
その後、AI自身がデータの規則性やパターンを見つけ出して定義する「ディープラーニング(Deep Learning:深層学習)」が登場したことにより、あらゆる分野で注目を集めています。

AIの種類

AIにはさまざまな種類があり、大きく2つに分類されます。主な特徴は下記のとおりです。

汎用型人工知能

汎用型人工知能は、人間のようにさまざまな思考や検討を行うことができ、初めての状況に対しても適切な行動をとることができます。

特化型人工知能

特化型人工知能は、特定の内容に関する思考や検討のみに力を発揮します。例えば、将棋ソフトのAIのように、将棋ではプロ棋士に勝てるほどの実力があっても、将棋以外には対応できないAIなどが代表的です。

AIの活用方法

AIの活用方法は、機能別で4つに分類でき、さらにそれぞれ役割別で代行型と拡張型の2つに分けられます。
例えば、顔認証や自動運転などは「識別系の代行型」、動画から大量の特定の人物を特定することは「識別系の拡張型」というように、全部で8つに分類することが可能です。

<機能別>

  • 識別系:大量の情報を見て識別する
  • 予測系:情報を基に考え、予測や判断、計画する
  • 会話系:会話型のコミュニケーションを行う
  • 実行系:運転や作業など、体や物体を動かす

<役割別>

  • 代行型:人間ができることをAIが代行し、効果を最大化する
  • 拡張型:人間では実行が難しい判断や作業を代わりに行う

マーケティングでAIが注目される理由

AIは、衣料品の需要予測や車の自動運転などのほか、マーケティングでも導入が進んでいます。
マーケティングでAIが注目される理由は、データ量の増加やパーソナライゼーションの需要拡大などがあると考えられます。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

データ量の増加

マーケティングでAIが注目される理由のひとつに、データ量の増加が挙げられます。2020年5月、アメリカの調査会社International Data Corporationは、2020年に全世界で生成、取得、複製、消費されるデジタルデータの総量は、59ゼタバイト(1ゼタバイト=10億テラバイト)を超えるとする試算を発表しました。
これは、テレワークの浸透や、デジタルトランスフォーメーションによって業務のオンライン化が進んだことなどによるもので、マーケティングで利用できるデータ量もこれに比例する形で増加しています。

しかし、データが膨大であればあるほど、その扱いは容易ではありません。データの分析からアクションまでに求められるスピードが年々加速する中、人の手で有効に利用するのには限界があるといえるでしょう。

パーソナライゼーションの難度が上昇

顧客の属性や行動履歴、購買履歴などによって顧客をセグメントし、提示するメッセージや表示するコンテンツを変えることで関係性を育むパーソナライゼーションにおいて、データの分析は必要不可欠なプロセスです。
データ量の増加によってデータが複雑化し、パーソナライゼーションの難度が上昇していることも、AIの導入が進む理由のひとつでしょう。AIを使えば、大量のデータから顧客一人ひとりの特徴を容易に見つけ出し、ハイレベルなパーソナライゼーションを実現することができます。

AIをマーケティングに利用する際に期待される効果

AIは、マーケティングでどのような効果を発揮するのでしょうか。AIにできることをマーケティングに応用すると、下記のような効果が期待できます。

データの管理、分類、分析の効率化

データ量が増加し続ける中、大量のデータ分析と相性の良いAIが利用できるシーンは広がっています。
データの管理や分類、分析にAIを利用すれば、自社に蓄積された顧客の属性、行動履歴、購買履歴などを基に、「受注確度が高い顧客」や「解約が懸念される顧客」などを容易に予測することができます。さらに、それらの予測に応じて的確なレコメンドを表示したり、パーソナライズされたメッセージを送信したりすることが可能です。
AIを利用することで、顧客の感情に訴えかけ、エンゲージメントを高めることができるでしょう。

顧客対応

webやアプリ上での顧客からの問い合わせに対して、人間のようにテキストを駆使してやりとりをするチャットボットのように、顧客対応にAIを利用するケースも多く見られるようになりました。
直接的なコミュニケーションまで代替できる技術の進化は、人的コストの削減につながります。その結果、人間はより丁寧な対応が求められる顧客に注力できるといったように、顧客対応の充実にもつながります。

web広告やコンテンツの最適化

Cookieから読み取った閲覧履歴や検索履歴を基に、関連するコンテンツを表示する従来のパーソナライゼーションでは、顧客の現在の興味に結びつかないコンテンツが表示されることも多くありました。
AIを導入することで、顧客がその時点で読んでいるページを理解した上で、画像やリンクなどの最適なコンテンツを表示できるようになるため、パーソナライゼーションのレベルが格段に向上します。

マーケティングには、AI搭載のMAがおすすめ

マーケティングに大きな効果をもたらすAIですが、普段からAIを利用しているマーケティング担当者はごくわずかだといわれています。「なんとなく難しそう」「利用しきれる自信がない」といった理由で、導入に二の足を踏む担当者も多いでしょう。

このように考える担当者におすすめなのが、AIを搭載したMAを利用する方法です。MAは、マーケティングに欠かせないツールのひとつで、顧客一人ひとりの興味や関心に応じたマーケティングを実現し、業務の自動化および効率化と、マーケティングの最大化に貢献します。

従来のМAでは、行動を起こす条件と、行動の具体的な内容を手作業で設定する必要がありました。施策を考えるのは人間、実行するのはМAというように、いわば分業体制でマーケティングを行っていたのです。しかし、今では施策の提案から分析精度の向上に至るまで、AIに任せられる範囲が拡がっているため、業務の効率化が進んでいます。
ここでは、AIが搭載されたМAにできることの中から、代表的なものを3つご紹介します。

顧客のデータを分析し、パーソナライズされたコミュニケーションを提供する

顧客の属性やニーズに合った施策を展開するには、データの分析がカギとなります。AIは、蓄積された購買データ、閲覧履歴、購入履歴といった顧客のデータから、どこに注目すべきかをみずから考え、パーソナライズされたメッセージやコンテンツを自動的に表示することが可能です。
これにより、コンバージョンの向上やリピーターの獲得、顧客単価の向上などに貢献します。

集客施策を提案し、シナリオを実行する

数値に基づく施策の提案もAIの得意分野です。これまでの施策の成果を分析し、その結果を基に、集客のための施策とシナリオを提案および実行します。

シナリオの改善

AIは、提案したシナリオの効果から、成功や失敗の原因を自動で学習します。これを繰り返すことで、シナリオを改善して、より良いものを生み出すことが可能です。

MAについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

マーケティングオートメーション入門ガイド

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Adobe Marketo Engageでできること

アドビ株式会社が提供するMAのAdobe Marketo Engageには、Adobe Senseiが搭載されており、あらゆるマーケターが容易に使いこなすことができます。Adobe Senseiは、アドビ株式会社が提供するデジタルツールに使われているAIの基盤です。
Adobe Marketo EngageのAIでできることの中でも特徴的な機能とその効果を、2つ挙げておきましょう。

プレディクティブオーディエンス:集客の効率化

プレディクティブオーディエンスは、イベントなどへの集客を最大化し、同時にメールの配信停止を最小限に抑える機能です。プレディクティブ(predictive)とは、「予測的な」「予言する」といった意味です。プレディクティブオーディエンス機能を利用すれば、勘や推測に頼ることなく、データに基づいてAIが顧客をセグメンテーションすることによって、参加の見込みが高い顧客のみをイベントに招待できます。

さらに、集客に成功した顧客のデータは、類似オーディエンス機能を使って近しい属性の顧客を見つけることに転用することも可能です。成功した施策を活かして、継続的にコンバージョン率を向上させることもできます。
また、顧客の動きから、メール配信の停止を予測してコミュニケーション頻度を調整。過剰なコミュニケーションにより配信停止を検討している顧客の離脱を防ぎ、配信停止を減らします。

製品/機能プレディクティブオーディエンス

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プレディクティブコンテンツ:パーソナライゼーションの効率化

プレディクティブコンテンツは、顧客のデータを基にホットリードの抽出や売上推移などを予測するプレディクティブアナリティクスと機械学習を利用し、webサイトを訪問した顧客に対して最も適切なコンテンツを自動的に提示する機能です。顧客のプロファイルや行動パターンを基にコンテンツを選定することで、パーソナライゼーションを効率化します。
多様な分析によって最も効果的なコンテンツを割り出すことができるため、既存コンテンツの最適化、および新コンテンツの作成にも力を発揮するでしょう。

また、Adobe Marketo Engageでは、AIプラットフォームである「DataRobot」と連携し、機械学習機能を利用することができます。Adobe Marketo EngageとDataRobotの連携により、下記のようなことが可能です。

・Adobe Marketo Engageのデータから、高精度な予測モデルを作成
Adobe Marketo Engageに蓄積された豊富なデータは、DataRobotの機械学習との相性が抜群です。これまで、マーケティング担当者が自身のルールで行ってきたスコアリングを、機械学習が自動化。複数のマーケティングチャネルの効果を正しく評価することで、Adobe Marketo EngageのデータからDataRobotが高精度な予測モデルを作成します。

・予測値をリアルタイムに連携し、インタラクティブなマーケティングを実現
DataRobotが算出した予測値を、Adobe Marketo Engageにリアルタイムで連携します。流入してきた顧客に対して、パーソナライズされたコンテンツを瞬時に提供することで、インタラクティブなマーケティングの実現が可能です。

・マーケティングのROIを最大化
DataRobotの高精度な予測モデルと、予測値のリアルタイムな連携によって、広告費配分の最適化が可能になります。従来のルールベースの分析より高精度な分析ができるようになり、顧客単価やマーケティングのROI(Return On Investment:投資利益率)向上に寄与します。

なお、DataRobotの利用にあたって、マーケティング担当者にプログラミングやコーディングなどの専門スキルは必要ありません。Adobe Marketo Engageの画面上でアイコンを配置しプロパティを設定するだけで、DataRobotを利用できます。

製品/機能プレディクティブコンテンツ

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Adobe Marketo Engageのwebパーソナライゼ―ションについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

Webパーソナライゼーション入門

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AIが搭載されたMAで、マーケティングを効率化

AIが搭載されたMAなら、特別な知識やプログラミングなどのスキルがなくても、マーケティングにAIを利用することが可能です。膨大なデータの分析や、分析結果を基にした予測など、人の手が及ばない部分をAIに任せることによって、マーケティングはより効率的に、かつ効果的なものへと進化を続けています。
また、さまざまな作業をAIに任せることによって、マーケティング担当者が人間にしかできない業務に集中できるようにもなります。
AIが搭載されたMAで、マーケティングの可能性を大きく広げましょう。

簡単にスタートできて大きなメリットをもたらすAIの詳しい利用法を知りたい方は、下記のページから無料でダウンロードできるeBookをご覧ください。

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