マーケティングオートメーション(MA)とは

スマートフォンやSNSの普及により、私たちが日々触れる情報量は飛躍的に増加しました。そのように情報が溢れかえっているいま、自分たちが届けたいメッセージを、適切な相手に届けるには、どうすればいいのでしょうか。
そんなマーケターの課題を解決してくれるソリューションの1つが「マーケティングオートメーション(MA)」です。MAが何ができるツールであり、どんなメリットをもたらしてくれるのか、わかりやすく解説します。

1.マーケティングオートメーション(MA)の定義

「マーケティングオートメーション= Marketing Automation(略してMA)」とは、顧客の興味関心応じたOne to Oneコミュニケーションを実現することで顧客と長期的な関係を構築することができるプラットフォームです。また、そのOne to Oneマーケティングを10人の顧客に対して実行するのは簡単ですが、1 万、あるいは10 万の顧客に対して行うのは簡単なことではありません。日々の膨大な作業を簡素化・自動化し、さらにはマーケティング施策がどのように成果につながったのかまで測定することができます。つまり、マーケターの効率を高める仕組みを、マーケティングオートメーションを用いて構築することが可能です。

"マーケティングオートメーション元年"と言われた2014年頃から日本においてもMAの認知や導入事例が増えていき、日本のMA市場は、今も急速な成長を遂げています。矢野経済研究所の調査では、2020年のマーケティングオートメーションの国内市場規模は2014年比で約2.5倍の420億円に達すると予測されており、今後もさらなる普及が見込まれています。

矢野経済研究所のデータクリックで大きく表示されます

これほど大きな注目を集める理由のひとつとして、MAがいま求められている"One to Oneマーケティング"の実現に不可欠なソリューションであることが挙げられるでしょう。

スマートフォンやSNSの普及により、人々は複数のデバイス、複数のチャネルを渡り歩きながら、膨大な量の情報と接触するようになりました。このような時代に、顧客へメッセージを確実に届けるためには、顧客が求めるタイミングで、最適なコンテンツを届けることが効果的です。それを実現できるのがMAの強みでもあります。

顧客が求めるタイミングで、最適なコンテンツを届けることが効果的ですクリックで大きく表示されます

2.MAでできること

MAは、マーケターが常に抱えている3つの課題を解決することができます。

  • 自社のブランドをどう確立するのか
  • どうやって収益を向上するか?
  • 自分たちの貢献度をどうやって証明するか

しかし、顧客との関係が根本的に変化している中で、これらの課題を解決するのはかつてないほど難しくなっています。顧客との接点は、メール、ウェブ、モバイル、ソーシャル 、広告と、どんどん広がっています。

顧客は、これらのチャネルを自由自在に使いこなし、行き来し、また、どの接点においても、自分のためにパーソナライズされた、そして一貫した、顧客体験を期待しています。

MAは、幅広い顧客接点を通じて、一人ひとりの顧客に合わせた適切な情報を、適切なタイミングで届けることでブランドの確立、収益を向上することができ、分析・レポーティング機能によりマーケティングROIをも証明することができます。

3.MAを導入する効果

では、MAを導入するとどのような効果があるのか、具体的な例をいくつかご紹介しましょう。

(1)業務効率化

MAでできる施策をすべて手動でやろうとすると、マーケターに膨大な作業負荷がかかります。マーケターだけで完結できるならまだしも、メールの配信リスト一つを作るためにシステム担当者のサポートが必要であるとしたら、多くの時間の無駄にしていると言わざるを得ません。あるいは、営業にすべての見込み客に対して「一人ひとりに最適な手厚いフォローをするように」と言っても、現実的に不可能であることは明らかです。MAは、こうした要望を自動化することで負荷を軽減し、より生産的で価値のある仕事にマーケターや営業担当者が注力できるようにしてくれます。

(2)マーケティング投資の効果可視化・最適化

リスティング広告やFacebook広告など、広告経由で流入した見込み客が、そのまますぐに商品を購入してくれるケースは限られています。高額な商品であればなおのこと、いったん離脱して、他のメディアなどで情報収集を重ねたり、異なるデバイスで再びWebサイトへアクセスしたりした後、ようやく購入に至るのはよくあること。BtoB企業であれば、展示会の出展にかかる費用対効果なども見たいことでしょう。個別のマーケティング施策のKPIを見るだけでなく、MAで直接収益に影響を及ぼしているキャンペーンを知ることで、本当に効果のあった施策に対し、資金を最適分配することができるのです。

(3)収益の向上

「マーケティングコストをかけて獲得したリードを営業に渡しても、確度が低いという理由からフォローしてくれない」「営業が使っているSFAとマーケティングが保有するオンラインの行動履歴が紐付いておらず、誰がいつ何をしているのかわからない」といったように、マーケティングと営業が組織としてバラバラの状態では、企業として一貫したメッセージを顧客に届けることはできません。MAをマーケティングと営業をつなぐハブにして、「長期に渡ってエンゲージメントを高め、顧客のLTVを最大化させる」という共通の目標に向かって互いに手を取り合う環境を作ることで、収益成長を加速させる理想的な組織作りに役立ちます。

中には「もうすでにメール配信ツールを使っているから大丈夫」「CRMがあるからMAはいらないのではないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし、こうしたマーケティングツールが個別に点在していると、一つひとつの施策に無駄な作業工数がかかったり、顧客の行動履歴がツールごとに分断されて、データを十分に有効活用することができず、顧客に対してコンタクトポイントごとにチグハグなメッセージを投げかけてしまったり、といった不都合が生じてしまいます。

収益の向上

4.MAの主な機能

MAには、、メールマーケティング、ランディングページおよびフォームの作成、キャンペーン管理、リードナーチャリング/スコアリング、リードライフサイクル管理、CRM統合、ソーシャルマーケティング機能、レポーティング機能など、マーケティングの精度・マーケターの作業効率を上げる多種多様な機能が含まれています。その中でもユニークな機能を7つ紹介していきましょう。

1) 既知および匿名のWeb訪問者の体験をパーソナライズできる(Webパーソナライゼーション)

見出しやランディングページを使ってWebサイトの訪問者の心をつかむための時間は、0〜8秒しかありません。そのため、コンテンツはできる限り訪問者の興味関心に近いものにするべきです。

例えば、医療業界の関係者がWebサイトを訪問しているとわかれば、医療業界専用のeBookの案内を提案するといったように、MAではIPアドレスを活用して、アノニマスの状態(匿名の訪問者)でも、訪問者にパーソナライズしたコンテンツを表示することができます。

あるいは、見込み顧客がWebサイトを離れた後に、他のWebサイトで表示する広告をパーソナライズすることも可能。属性・購入履歴・購入意図・リードスコアなどに基づき、各訪問者に関連した広告を表示することで、精度の高いリターゲティングを行えるようになります。

2) エンゲージメントに最も効果のあるメールを簡単にテストして決定できる

MAでは、メールの件名やランディングページのコンテンツといった様々な要素をテストして、どのアプローチが読者の関心を引きつけられるのかを明らかにする、"A/Bテスト"を手軽に行うことができます。

A/Bテストを繰り返し、絶えず最適化を図ることで、メールマーケティングの戦略に磨きをかけていきます。その結果、最高の成果を生み出していけるのです。

3) 成功したプログラムを数分で複製できる

もし多数のマーケティングプログラムを実施しているならば、プログラムをすばやく複製できる機能は大変貴重です。キャンペーンを複製することができれば、以前の成功したキャンペーンに基づいて新しいプログラムを作成し、時間を節約できます。キャンペーンの再作成は時間のかかる作業ですが、マーケティングオートメーションなら、わずか数ステップでプログラムの要素を複製できます。小規模なマーケティングチームでも、この機能を利用すれば、マーケティングプログラムを加速することが可能です。たとえば、通常のセミナープログラムの作成には22個のステップが必要です。これには2時間ほどかかるでしょう。各メールテンプレートとワークフローのコピーと編集が必要であることに加え、追加のステップを作成する必要があります。マーケティングオートメーションでは、プログラム全体をおよそ3分間で自動的に複製できます。短縮できた時間は、キャンペーンの改善と顧客エンゲージメントのための企画に充てることが可能です。

4) 顧客の行動をもとにコミュニケーションを自動化できる

Web・メール・ソーシャル・CRM(顧客管理)ソフトウェア、キャンペーン履歴・トランザクション・モバイルなど、複数のチャネルにわたる顧客の行動をリアルタイムでトラッキングすることで、顧客の行動をきっかけにメッセージをリアルタイムで自動送信することができます。

例えば、誰かがWebサイトからeBookをダウンロードしたら、あらかじめセットしたお礼メールが自動で配信されるように設定しておくことが可能です。また、トリガーとなるワークフローを設定しておけば、顧客の行動によってリードスコアを変更したり、特定のリード育成トラックに追加したりすることもできます。

5) 柔軟なスコアリングモデルが備わっている

MAにはリードスコアリング機能が搭載されています。この機能を使って、見込みが高いリード(顧客)だけを営業に引き継ぐことが可能です。スコアリングは一般的に次の3つの要素をもとに行います。

(1)適合度

所在地、企業規模、業界など、属性や企業データに基づき、リードが顧客候補としてふさわしいかを検討します。

(2)関心

リードが自社のWebサイトでコンテンツをダウンロードしていたり、オンラインセミナーを視聴していたり、といった顧客の活動レベルにより、関心の強弱を見極めます。

(3)購買ステージ

リードが現在、購買サイクルのどのステージに達しているかを把握し、評価します。

6) 営業はリードの優先順位や行動履歴を確認できる

MarketoのMAは、SalesforceのCRMとシームレスに統合します。そのため、営業チームはマーケティングプラットフォームにログインする必要はありません。営業はリードの情報をSalesforceから直接確認できます。マーケティングオートメーションを使用することで、優先順位が高いリードがどれか、営業担当者は判別することができます。 マーケティングオートメーションは営業担当者に重要なことだけを知らせます。たとえばMarketoのプラットフォームでは、次のものが表示されます。

  • スターと炎:営業チームは、Salesforceで優先度(活動)と緊急度(活動の新しさと回数)を示す記号を確認できます。この2つの属性は、それぞれSalesforce のダッシュボード内でスターと炎のアイコンで表されます。
  • 注目の出来事:また営業チームは、セミナーに参加したかどうか、価格ページを見たかどうかなど、リードの具体的行動を「注目の出来事」として確認できます。こうした情報はリードとの対話を開始する際に役立ちます。

7) セールスファネル全体でどのプログラムが効果的か把握できる

MAでは高度な方法でキャンペーンのROIを測定することにより、最初に顧客を呼び込んだ施策と、購買サイクルの途中で生じたタッチポイントがすべて明らかになります。それらのマーケティング施策を測定することで、どのキャンペーンの効果が最も高いかを割り出し、マーケティング戦略を継続的に改善することができるのです。

キャンペーンを測定する方法には、最初のマーケティング活動にだけスコアを付与する「ファーストタッチアトリビューションのトラッキング」と、すべての活動に平等に分配する「マルチタッチアトリビューションのトラッキング」があり、キャンペーンの成否の決定に役立ちます。

MAの中でもMarketoはエンゲージメントプラットフォームとして、顧客の行動やその背景にある心情を正確に把握し、大規模であってもパーソナライズされた確かな対話を促し、長期的な関係を構築できる統合プラットフォームになっています。

完全にオープンな設計であるMarketoは、国内外で実績が豊富なパートナーアプリケーションと連携して、各社に個別最適化したマーケティング環境を構築できるという大きな特徴があります。

One to Oneマーケティングに欠かせない、CRM・DMP・データウェアハウスなど、既存のすべてのシステムやデータに接続することができるという優れた拡張性も持ち合わせている、唯一のプラットフォームであると言えるでしょう。

セールスファネル全体でどのプログラムが効果的か把握できる

5.MAを最大限活用するには

多種多様な機能を持ち、顧客とのエンゲージメントの基盤となるMAですが、導入するだけで売上が上がるという魔法の杖ではありません。MAを最大限活用し、成果を最大化させるには、次の3つのポイントを押さえておくことをおすすめします。

(1)マーケティング部門だけで完結しない

MAが効果を発揮する領域は、新規顧客との新たな接点を生み出すリード獲得だけにとどまりません。顧客を効率的かつ効果的にナーチャリングするためには、実際に営業部門など他部門との連携が不可欠です。

営業とともに優良な顧客を定義し、「その母数を増やすためにはどうすればいいのか」「どのタイミングでどう連携をとりながら、顧客とコミュニケーションを図っていくべきなのか」、議論を重ねながら同じゴールに向かって、理想的なカスタマージャーニーを描く必要があるのです。

(2)MAで解決したい課題を明確にしておく

MAの機能を知れば知るほど、いろいろ試してみたい気持ちに駆られるかもしれませんが、いざ導入しても何から始めるか決まっていなければ、元も子もありません。

まずは一度立ち止まって「現状の課題は何か」「そのうちMAで解決できるものはどれか」「MAで解決するためには何が必要なのか」を洗い出し、"MAで何を実現したいのか"をあらかじめ明確にするという準備を周到にしておくことが、MAで成功するための近道となります。

(3)PDCAを回転させて効果のある施策を積み重ねる

ご紹介した通り、MAにはとても多くの機能があります。スコアリング一つとっても、設定しようと思えば、いくらでも細かく設定できてしまいます。

しかし、何の計画もないまま、やみくもに施策を増やしていくと、「いったい、どの施策が何に効いているのかわからない」「自動化したはずなのに、むしろ手間が増えただけな気がする」といった悪循環に陥りがちです。一見、遠回りに見えても、一つひとつ丁寧にPDCAを回しながら、本当に効果のある施策を積み重ねていくことが大切です。

PDCAを回転させて効果のある施策を積み重ねる

まとめ

MAはリソース不足で諦めていたマーケターの思い描く理想のマーケティングの実現をサポートしてくれるとともに、営業が知りたかった顧客の動きを見える化することで営業活動を支援してくれます。

とはいえMAの有効活用には、自社にとっての成功パターンを見つけるための試行錯誤が不可欠であるとともに、製品思想に共感できるようなMAを導入することが重要です。

MAの効果的な使い方は、企業の業種やターゲット顧客の属性などによって異なります。逆に、"すべての企業がMAでこれをやれば、必ず売上が上がる"と断言できるような、絶対的な正解は存在しないと言い換えることもできるでしょう。

Marketoは自動車流通業のガリバーやIT・サービス業の株式会社マネーフォワード、生命保険のライフネット生命保険株式会社など、国内外を問わず数多くの企業で導入されています。

現状に満足しておらず、MAのある世界を見てみたいと少しでも興味をお持ちであれば、ぜひ弊社のWebサイトで導入事例をご覧ください。

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