マーケティングオートメーション(MA)とは?基本から導入のメリットまでご紹介|マーケティング入門|マーケティングオートメーション(MA)ならMarketo Engage

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2020.01.23 マーケティング入門

マーケティングオートメーション(MA)とは?基本から導入のメリットまでご紹介

スマートフォンやSNSの普及により、私たちが日々触れる情報量は飛躍的に増加しました。情報で溢れかえっているいま、自分たちが届けたいメッセージを、適切な相手に、適切なタイミングで届けるには、どうすればいいのでしょうか。
そんなマーケターの課題を解決してくれるソリューションの1つが「マーケティングオートメーション(MA)」です。マーケティングオートメーションが、何ができるツールであり、どんなメリットをもたらしてくれるのか、わかりやすく解説します。

1.マーケティングオートメーション(MA)の定義

マーケティングオートメーション(MA)とは、顧客一人ひとりとの関係構築を通じた収益の向上を目的とし、営業マーケティング施策の自動化、収益プロセス全体の効果測定を実現するマーケティングプラットフォームです。

マーケティングオートメーションを構築する要素は3つあります。

  1. 顧客情報を収集し蓄積するデータベース
  2. 見込顧客の実名化からロイヤル顧客へ至るまでの施策の自動化機能
  3. 営業マーケティング施策の分析機能

顧客が10人であれば人力で行うであろう、一人ひとりの興味関心にあわせたコミュニケーション、すなわち「One to Oneコミュニケーション」をテクノロジーの力によって1万人、場合によっては10万人に向けて行うことで顧客満足度の向上やエンゲージメントを促進します。さらにはマーケターの業務効率化のために日々の膨大な作業を簡素化・自動化し、実行したマーケティング施策の収益への貢献を可視化することで、PDCAを高速で回すことを可能にします。

"マーケティングオートメーション元年"と言われた2014年頃から日本においてもマーケティングオートメーションの認知や導入事例が増えていき、日本のマーケティングオートメーション市場は、今も急速な成長を遂げています。矢野経済研究所の調査では、2020年のマーケティングオートメーションの国内市場規模は2014年比で約2.5倍の420億円に達すると予測されており、今後もさらなる普及が見込まれています。

MA市場の成長率の図

マーケティングオートメーション(MA)が求められる理由

マーケティングオートメーションがこれほど大きな注目を集める理由は3つあります。

(1)顧客接点の拡大

これまで、企業は、かなり限られたチャネル(接点)でしか情報を提供することができませんでした。例えばBtoBビジネスであれば対面の営業活動を中心としたオフラインの接点、BtoCビジネスであれば紙のカタログ、テレビCMが使われていたでしょう。2000年代以降は、インターネットが普及したこと、さらに最近はスマートフォンやSNSが普及したことにより、人々は複数のデバイス、複数のチャネルを渡り歩きながら、膨大な量の情報と接触するようになりました。現代では、人は1日に5000を超えるメッセージを目にしていると言われています。そのような時代において企業が顧客にメッセージを確実に届けるために、顧客が求めるコンテンツを、顧客が求めるタイミングで、顧客の好きなチャネルで届けることが求められるようになりました。

(2)高まる顧客の期待値

日々膨大な情報に触れ、自らが求める情報を容易に入手できるようになった今、顧客側の変化も生まれています。アメリカの調査機関Forresterの調査によると、消費者の75%は購買する前に自ら情報収集を行っており、また、購買意思決定において、価格よりも顧客体験が重要であると答えた消費者が64%にものぼっていることを発表しています。さらに、近年は口コミサイトが多く生まれ利用者の生の声を参考にできるようになったため、企業からの情報のみを信頼することが減ってきました。これはBtoBビジネスの領域であっても同様で、営業担当が訪問した時には、すでに顧客は一連の情報収集を終え、競合製品との細かな比較を進めている段階にいる、といったことはよくあるのではないでしょうか。このように、顧客は自ら情報収集を行い、企業からのメッセージに関しては「自分だけに届く」「自分のための質の高い体験」を求めるようになりました。顧客の期待値は高まり続けているのです。
そういった背景から、マーケティングオートメーションは、まさにいま求められている"コンテンツ、チャネル、タイミングを顧客一人ひとりに合わせるマーケティング"、まさに"One to Oneマーケティング"の実現に不可欠なソリューションとなっています。

匿名→ロイヤル顧客の図

(3)新しい技術の登場

では、このような顧客からの期待に企業はどう応えるのでしょうか。

1つの解として、テクノロジーの活用が挙げられます。インターネットやSNSをはじめとした顧客接点は今後ますます増えていくことと思われますが、これらを人力でカバーし続けるのは難しいでしょう。これらの新しい顧客接点においても顧客との繋がりを持つためには、そもそもターゲットとする顧客がどこにいて、どのように検討を進めていくのかを把握し、企業側がコミュニケーションのシナリオを設計した上で、適切な接点を用いて適切なタイミングで情報を届けることが必要とされています。適切なテクノロジーやサービスを活用することができれば、従来のマーケティング施策と比較して大きな成果を上げられるでしょう。新しい顧客接点を活用したコミュニケーションを支援するマーケティングテクノロジーは爆発的に増えており、2011年には150程度と言われたものが現在は7,000を超えると言われています。
マーケティングオートメーションはあらゆる接点での顧客の活動情報を収集し、顧客の活動に基づいた施策を実施するためのシナリオ設計の機能を持っています。それに加え、あらゆるテクノロジーとの連携が可能なため、その時々で企業が求める顧客接点に適したテクノロジーを組み合わせ、マーケティングオートメーションをコントロールタワーとして様々な施策を実施することが可能です。

2.マーケティングオートメーション(MA)が解決する主な課題

マーケティングオートメーション(MA)は、マーケターが常に抱えている3つの課題を解決することができます。

  • 自社ブランドの確立
  • 収益の向上
  • 収益貢献度の証明

これまでお話したように、顧客との関係が根本的に変化している現代において、この3つの課題を解決することは、かつてないほど難しくなっています。顧客との接点は、メール、ウェブ、モバイル、ソーシャル 、広告と、どんどん広がっています。そういった中で、どのように顧客に自社のメッセージを心地の良いかたちで届けることができるか、共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていくか。マーケターは歴史上これまでにないほど難しい状況下で「ブランドの確立」を求められています。

また、顧客は、これらのチャネルを自由自在に使いこなし、行き来し、また、どの接点においても、自分のためにパーソナライズされた、そして一貫した、顧客体験を期待しています。そういった中でどのように収益を向上させるのか。単にCMを打てば売上が上がる、Webに広告を出しホームページに流入したら顧客は買ってくれる、そういった時代は終焉を迎えています。マーケターは、日々変わり続ける顧客の期待に応えながら、「開発」や「営業」と連携しつつ、新しい技術にも目を通し、「収益の向上」に貢献しなければなりません。

そして最後に、これまでマーケターは自分たちの会社への貢献度を証明することに苦心してきました。顧客が自社と接点を持つタイミングや購買シーンなどが複雑化し、マーケターはなかなか「マーケティングがどれだけ自社の売上に貢献しているのか」といったことの証明が難しくなっています。

これらの3つの課題に対し、マーケティングオートメーションは、幅広い顧客接点を通じて、一人ひとりの顧客に合わせた適切な情報を、適切なチャネルで、適切なタイミングで顧客に届けることで「ブランドを確立」し、顧客の購買を促し「収益の向上」を支援し、分析・レポーティングによりマーケターの自社への貢献度、「マーケティングROIを証明する」ことができます。

3.マーケティングオートメーション(MA)を導入する効果

では、マーケティングオートメーションを導入するとどのような効果があるのか、具体的な例をいくつかご紹介しましょう。

(1)業務効率化

マーケティングオートメーションでできる施策をすべて手動でやろうとすると、マーケターに膨大な作業負荷がかかります。マーケターだけで完結できるならまだしも、メールの配信リスト一つを作るためにシステム担当者のサポートが必要であるとしたら、多くの時間の無駄にしていると言わざるを得ません。あるいは、営業にすべての見込み客に対して「一人ひとりに最適な手厚いフォローをするように」と言っても、現実的に不可能であることは明らかです。マーケティングオートメーションは、こうした要望を自動化することで負荷を軽減し、より生産的で価値のある仕事にマーケターや営業担当者が注力できるようにしてくれます。

(2)マーケティング投資の効果可視化・最適化

リスティング広告やFacebook広告など、広告経由で流入した見込み客が、そのまますぐに商品を購入してくれるケースは限られています。高額な商品であればなおのこと、一旦離脱して、他のメディアなどで情報収集を重ねたり、異なるデバイスで再びWebサイトへアクセスしたりした後、ようやく購入に至るのはよくあることです。BtoB企業であれば、重要なマーケティング活動の1つである展示会の出展にかかる費用対効果なども見たいことでしょう。個別のマーケティング施策のKPIを見るだけでなく、マーケティングオートメーションで直接収益に影響を及ぼしているキャンペーンを知ることで、本当に効果のあった施策に対し、予算を最適分配することができるのです。

(3)収益の向上

「マーケティングコストをかけて獲得した見込顧客を営業に渡しても、確度が低いという理由からフォローしてくれない」「営業が使っているSFAとマーケティングが保有するオンラインの行動履歴が紐付いておらず、誰がいつ何をしているのかわからない」といったように、マーケティングと営業が組織としてバラバラの状態では、企業として一貫したメッセージを顧客に届けることはできません。マーケティングオートメーションをマーケティングと営業をつなぐハブにして、「長期に渡ってエンゲージメントを高め、顧客のLTVを最大化させる」という共通の目標に向かって互いに手を取り合う環境を作ることで、収益成長を加速させる理想的な組織作りに役立ちます。

中には「もうすでにメール配信ツールを使っているから大丈夫」「CRMがあるからマーケティングオートメーションはいらないのではないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし、こうしたマーケティングツールが個別に点在していると、一つひとつの施策に無駄な作業工数がかかったり、顧客の行動履歴がツールごとに分断されて、データを十分に有効活用することができず、顧客に対してコンタクトポイントごとにチグハグなメッセージを投げかけてしまったり、といった不都合が生じてしまいます。

収益の向上

4.マーケティングオートメーション(MA)に関連する用語

ここで、マーケティングオートメーションに関する情報収集をするとよく目にする「リード」とそれに関連する「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」「リサイクル」という用語とその概念について解説していきます。

リードとは?

■リード...
自社製品を契約・購入する前の段階にいる顧客。

リードとは、いわゆる見込顧客を意味します。とはいえ会社や団体、ビジネスモデルや社内の部門などによってさまざまな定義が存在しており、例えば、「展示会やイベントなどで名刺など個人情報を入手した顧客」「店を見ながら店の前と通りすがる顧客」「会員登録などはせずにWebサイトに訪問しただけの顧客」です。こういった企業や事業によって定義が異なる理由は、商品・サービスのマーケティング活動ごとによって、何をもって見込顧客とするのか、という解釈が異なるからです。

「リード」は購入前の段階をすべて網羅する言葉のため、マーケティングの現場ではリードをさらに細分化して定義することが一般的です。例えば、通常の見込み顧客が資料のダウンロードや価格表ページを閲覧し、検討度合いが高そうだと判断すると「有望見込み顧客(=MQL)としてステータスを変更して管理しています。

詳細については以下の記事にてご紹介しています。

リードジェネレーションとは?

■リードジェネレーション...
見込顧客を実名化し、企業から直接コミュニケーションを取れる状態にすること

リードジェネレーションとは、見込顧客(リード)を獲得するための活動のことです。この活動が上手くいくと、ターゲット顧客の調査とその管理に費やす時間を減らして、営業活動に割く時間を増やすことができます。

新規顧客を獲得する活動の中で、これまで通用していたような代表番号へアプローチする電話営業や、アポなしの飛び込み営業が通用しづらくなってきていると感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。その理由は、個人であれ法人であれ、インターネットで得られる情報が多くなり、また氾濫する情報の中で口コミを信頼するようになってきており、購買者が検討初期の段階で営業社員と直接やりとりすることを嫌う傾向にあることにあります。

実際に、マルケトが実施したベンチマーク調査でもリードジェネレーション活動が成熟している企業ほど営業生産性が高く、売上の伸びも大きいことがわかっています。成熟した企業は、平均的な企業と比べても計画より133%大きい売上を達成しており、成熟率の最も低い企業と比べると174%とさらに差が開きます。しかも、成熟した企業の営業担当者が営業活動に費やす時間は全体の73%に達しています。一方、リードジェネレーション戦略が不十分な企業の営業担当者が営業活動に費やす時間は57%止まりでした。

リードジェネレーションの方法は下記のようなものがあります。

  1. Web広告
  2. コンテンツマーケティング(オウンドメディアなど)
  3. イベント開催、展示会出展
  4. SNS
  5. ダイレクトマーケティング(電話、FAX、DM送付など)

リードナーチャリングとは?

■リードナーチャリング...
見込顧客の育成

リードナーチャリングとは、見込顧客を育成する活動のことです。リードジェネレーションによって獲得した見込顧客と、メールや電話などで有益な情報提供を中心としたコミュニケーションを行い、自社に少しずつ興味・関心を引き出す(育成)ことにより、将来的な購買につなげるためのマーケティング活動を指します。

これまでの新規開拓における営業手法は、展示会への出展や企業リストに対してのテレアポの実施により顧客リストを獲得し、自社のターゲットとなりうる顧客に対してリストの上から無造作に個別にアプローチしていくことが主流でした。この手法では、検討の可能性の有無を察知することが難しい、顧客の検討度合いに応じたアプローチの優先順位がつけられない、リストを上から下まで人海戦術的にアプローチする必要があり人的工数を確保しづらい、そもそも受付を突破し担当者と会話できる確率が低い、といった問題に直面することが多く、非効率な営業活動になりやすい面がありました。

また近年、インターネットを通じて簡単に製品・サービスに関する情報を集められるようになったことで、購買検討の長期化が進む傾向にあります。というのも、簡単には商品の購入を決定せず、まずはSNSや口コミから情報収集をするような行動が見受けられるようになっているのです。

このような変化の中でビジネスを成長させ続けるために、旧来の営業戦略とは異なる戦略に基づいた新規営業のスタイル、すなわち将来的に顧客となる見込みのある層に対してウェブ上で情報を発信したり、定期的にメールを配信したりすることを通じて中長期的に関係を作っていく必要性が出てきました。それがまさに、リードナーチャリングです。

リードクオリフィケーションとは?

■リードクオリフィケーション...
見込顧客の検討の可能性があるかどうかの確認・判断

企業の社内リソースは決まっており、営業の人数は×人、稼働時間は〇時間程度、受注率は△%と考えると、売上目標などから逆算して営業が対応するべき案件数がある程度把握することができます。マーケティング部門のミッションは莫大な数の見込顧客を営業へ送客することではありません。見込の顧客を獲得し(リードジェネレーション)、見込顧客の興味・関心を引き出し(リードナーチャリング)、大量顧客の中から、優先的にアプローチすべき顧客を営業へ引き渡すことこそが大事です。その「優先的にアプローチすべき顧客かどうか」という判断をする活動がリードクオリフィケーションです。

ただ、いますぐ自社の商品・サービスを求めている顧客=優先度が高い、というわけではありません。ご存知の通り、企業には、3年後や5年後に向けた市場戦略などがあります。そのため、2年をかけてでも攻略したい顧客がいることも往々にしてあります。その場合、その顧客は「いますぐ」ではないけれども「優先的にアプローチする顧客」となりえます。もちろん、短期的な売上も重要です。そのため、マーケティングは市場戦略や短期の売上などを理解した状態、まさに「会社をどのように成長させるか」というような高い目線を持った状態で「優先的にアプローチすべき顧客かどうか」を選定する必要があるのです。

リサイクルとは?

■リサイクル...
受注に至らなかったリードから再度興味・関心を引き出す活動

BtoBビジネスであってもBtoCビジネスであっても、受注率が100%ということはありません。受注に至らない顧客が一定数存在するのが現実です。例えば、商談を進めたものの失注した案件、ウェブサイトで資料をダウンロードし営業担当が会話をしたものの、具体的な商談にまでは至らなかった顧客などです。

新規で獲得したリードのうち、すぐに商談に至る顧客は全体の1割程度しかないといわれています。また、2割強のリードはパートナーや学生、競合であるなど、将来的にも購買に至らない層です。つまり、残りの65%のリードは「将来的に購買の可能性はあるが、今すぐではない」顧客ということです。

図1

新規に流入してきたリードのみをアプローチ対象にしてしまうと、65%の見込み顧客は放置されていきます。放置されている間に、見込み顧客は他社の商品を購入したり、次第に自社製品・サービスへの興味を失ったりします。そうすると、せっかく獲得した見込み顧客がムダになり、さらに新規に獲得した顧客頼みになってしまいます。つまり、マーケティングは獲得すれば市場から確実に減っていく新規の顧客を、獲得し続けなければならないという非常に苦しい局面を迎えます。

逆に言えば、先ほどのデータにおける65%のリードは時間がかかってももう一度検討する可能性があるといえます。つまり、マーケティングチームがリード獲得施策を重ねるにつれて、未受注の見込み顧客に対しての情報提供や関係を継続するための活動の重要性が増してきます。未受注の顧客に対して、再度興味・関心を引き出す活動を実施するフェーズとしてリサイクルが非常に重要になります。

5.マーケティングオートメーション(MA)にはどんな情報(データ)が必要なのか

マーケティングオートメーションでは、顧客データに蓄積された一社一社の一人一人の顧客に対して「どんな情報に接触しているか」「どのようなイベントに参加しているか」など、顧客と自社のリアルタイムな関係性を確認していきます。

この時に必要となるデータは主に次のようなものがあります。

■顧客データ
・氏名
・社名
・役職
・電話番号
・メールアドレス
など

■行動トランザクションデータ
・WEB閲覧データ
・イベント参加
・キャンペーン反応履歴データ
・最初の接点(会員登録か?イベントでの名刺交換か?)
・購入履歴データ
・来店履歴データ
など

6.マーケティングオートメーション(MA)を最大限活用するには

多種多様な機能を持ち、顧客とのエンゲージメントの基盤となるマーケティングオートメーションですが、導入するだけで売上が上がるという魔法の杖ではありません。マーケティングオートメーションを最大限活用し、成果を最大化させるには、次の3つのポイントを押さえておくことをおすすめします。

(1)マーケティング部門だけで完結しない

マーケティングオートメーションが効果を発揮する領域は、新規顧客との新たな接点を生み出すリード獲得だけにとどまりません。顧客を効率的かつ効果的にナーチャリングするためには、実際に営業部門など他部門との連携が不可欠です。

営業とともに優良な顧客を定義し、「その母数を増やすためにはどうすればいいのか」「どのタイミングでどう連携をとりながら、顧客とコミュニケーションを図っていくべきなのか」、議論を重ねながら同じゴールに向かって、理想的なカスタマージャーニーを描く必要があるのです。

(2)マーケティングオートメーション(MA)で解決したい課題を明確にする

マーケティングオートメーションの機能を知れば知るほど、いろいろ試してみたい気持ちに駆られるかもしれませんが、いざ導入しても何から始めるか決まっていなければ、元も子もありません。

まずは一度立ち止まって「現状の課題は何か」「そのうちマーケティングオートメーションで解決できるものはどれか」「マーケティングオートメーションで解決するためには何が必要なのか」を洗い出し、"マーケティングオートメーションで何を実現したいのか"をあらかじめ明確にするという準備を周到にしておくことが、マーケティングオートメーションで成功するための近道となります。

(3)PDCAを回転させて効果のある施策を積み重ねる

ご紹介した通り、マーケティングオートメーションにはとても多くの機能があります。スコアリング一つとっても、設定しようと思えば、いくらでも細かく設定できてしまいます。

しかし、何の計画もないまま、やみくもに施策を増やしていくと、「いったい、どの施策が何に効いているのかわからない」「自動化したはずなのに、むしろ手間が増えただけな気がする」といった悪循環に陥りがちです。一見、遠回りに見えても、一つひとつ丁寧にPDCAを回しながら、本当に効果のある施策を積み重ねていくことが大切です。

PDCAを回転させて効果のある施策を積み重ねる

7.顧客管理ツール(CRM、SFA)とマーケティングオートメーション(MA)の違い

マーケティングオートメーションは顧客データを活用し、顧客1人ひとりにあわせた情報提供を通じて顧客の購買までの検討を進めるためのテクノロジーです。マーケティングオートメーション以外にも、顧客データを蓄積し活用するためのツールとしてはCRMやSFAと呼ばれるテクノロジーが存在しています。顧客関係管理と呼ばれるCRMの概念は広く認知されており、国内企業においてもツールの導入が進んでいますが、ここではマーケティングオートメーションとCRM,SFAの関係性と違いについてご紹介します。

CRMとは?

顧客管理(CRM)システムは、自社の従業員やサービスとお客様との接点を記録するためのシステムであり、お客様の属性情報に紐づいて様々な情報を記録することができます。より広範な文脈で使われることもあり、営業活動や商談情報の記録、コールセンターにおける対応履歴、契約情報の管理等に使われます。

SFAとは?

営業管理システム(SFA)は、上記のCRMシステムの括りに含まれるシステムです。CRMの中でも、営業活動に視点を置いて開発されたシステムであり、コールセンターの対応履歴なども管理する主旨のシステムではありません。そういったことから、CRMと区別するためにSFAという言葉が使われることが多く、これまで営業担当者が属人的に抱えがちであった情報を記録し、可視化することで、企業全体で売上までのプロセスを把握できるようにするものです。

CRM/SFAとマーケティングオートメーション(MA)の役割の違い

営業が接触し、イニシアティブをとって提案活動を行っている段階では、活動を記録し商談状況を把握するCRMシステム/SFAが多く活用されます。

一方で、その前の集客段階や、顧客による情報収集段階においては、顧客の行動を把握し、顧客の検討段階に合わせたコミュニケーションを実施するために、マーケティングオートメーションが活用されます。また、契約後、クロスセルやアップセルの可能性を模索したり、営業の手が離れた段階においても、顧客の解約予兆を察知したり、活用支援の情報提供の部分に至るまで、マーケティングオートメーションは活用されています。

また、別の側面から考えると、CRMは営業のマネジメント側の立場の人から見ると非常に有益なシステムです。前期の数字のレポートなどを見ながら来期の数字をシミュレーションすることができるからです。ただ、営業の現場の人にとっては通常の営業業務にプラスでシステムに入力する工数が増えてしまいます。

一方、マーケティングオートメーションは、ターゲット業界の顧客なのかどうかといった「属性情報」に加え、自社が行ったコミュニケーションによって、顧客がどのような行動を起こしたのかといった、お客様のオンライン/オフラインの「行動情報」によるお客様のランク付けが動的に可能です。そのため、もっとも重要で価値のある営業機会をリアルタイムで察知することができ、優先的に時間と労力を注ぎ込む営業活動を実行することができます。

CRM/SFAとマーケティングオートメーション(MA)の連携によって得られるメリットとは?

では、CRM/SFAとマーケティングオートメーションを組み合わせるとどのような効果・メリットが生まれるのでしょうか。簡単にいくつかご紹介します。

  • リードナーチャリング(※後述)による営業アプローチの最大化
  • 失注/中止案件の掘り起こし
  • 営業とマーケティングによる統一したメッセージの発信
  • 既存顧客のオンボーディング・解約防止

これらが実現可能となり、企業はより有効にマーケティングとセールスを進化させ、収益の向上を目指せるようになります。CRMとマーケティングオートメーションの関係性や違い、合わせて利用することによるメリットは以下の記事にてより詳細にご紹介しております。

8.マーケティングオートメーション(MA)の主な機能

マーケティングオートメーションには、メールマーケティング、ランディングページおよびフォームの作成、キャンペーン管理、リードナーチャリング/スコアリング、リードライフサイクル管理、CRM統合、ソーシャルマーケティング機能、レポーティング機能など、マーケティングの精度・マーケターの作業効率を上げる多種多様な機能が含まれています。その中でもユニークな機能を7つ紹介していきましょう。

(1)既知および匿名のWeb訪問者の体験をパーソナライズできる(Webパーソナライゼーション)

見出しやランディングページを使ってWebサイトの訪問者の心をつかむための時間は、0〜8秒しかありません。そのため、コンテンツはできる限り訪問者の興味関心に近いものにするべきです。

例えば、医療業界の関係者がWebサイトを訪問しているとわかれば、医療業界専用のeBookの案内を提案するといったように、マーケティングオートメーションではIPアドレスを活用して、アノニマスの状態(匿名の訪問者)でも、訪問者にパーソナライズしたコンテンツを表示することができます。

あるいは、見込み顧客がWebサイトを離れた後に、他のWebサイトで表示する広告をパーソナライズすることも可能です。属性・購入履歴・購入意図・リードスコアなどに基づき、各訪問者に関連した広告を表示することで、精度の高いリターゲティングを行えるようになります。

(2)エンゲージメントに最も効果のあるメールを簡単にテストして決定できる

マーケティングオートメーションでは、メールの件名やランディングページのコンテンツといった様々な要素をテストして、どのアプローチが読者の関心を引きつけられるのかを明らかにする、"A/Bテスト"を手軽に行うことができます。
A/Bテストを繰り返し、絶えず最適化を図ることで、メールマーケティングの戦略に磨きをかけていきます。その結果、最高の成果を生み出していけるのです。

(3)成功したプログラムを数分で複製できる

もし多数のマーケティングプログラムを実施しているならば、プログラムをすばやく複製できる機能は大変貴重です。キャンペーンを複製することができれば、以前の成功したキャンペーンに基づいて新しいプログラムを作成し、時間を節約できます。キャンペーンの再作成は時間のかかる作業ですが、マーケティングオートメーションなら、わずか数ステップでプログラムの要素を複製できます。小規模なマーケティングチームでも、この機能を利用すれば、マーケティングプログラムを加速することが可能です。

マーケティングオートメーションを利用せずにセミナープログラムを作成したところ、22個のステップを要しました。各メールテンプレートとワークフローのコピーと編集が必要であることに加え、集客状況に応じて追加の集客メールの作成やリマインドのための追加のステップを作成する必要があります。この一連のプログラム作成には2時間ほどかかるでしょう。マーケティングオートメーションでは、プログラム全体をおよそ3分間で自動的に複製できます。短縮できた時間は、キャンペーンの改善と顧客エンゲージメントのための企画に充てることが可能です。

(4)顧客の行動をもとにコミュニケーションを自動化できる

Web・メール・ソーシャル・CRM(顧客管理)ソフトウェア、キャンペーン履歴・トランザクション・モバイルなど、複数のチャネルにわたる顧客の行動をリアルタイムでトラッキングすることで、顧客の行動をきっかけにメッセージをリアルタイムで自動送信することができます。

例えば、誰かがWebサイトからeBookをダウンロードしたら、あらかじめセットしたお礼メールが自動で配信されるように設定しておくことが可能です。また、トリガーとなるワークフローを設定しておけば、顧客の行動によってリードスコアを変更したり、特定のリード育成トラックに追加したりすることもできます。

(5)柔軟なスコアリングモデルが備わっている

マーケティングオートメーションにはリードスコアリング機能が搭載されています。この機能を使って、見込みが高いリード(顧客)だけを営業に引き継ぐことが可能です。スコアリングは一般的に次の3つの要素をもとに行います。

  1. 適合度
    所在地、企業規模、業界など、属性や企業データに基づき、リードが顧客候補としてふさわしいかを検討します。
  2. 関心
    リードが自社のWebサイトでコンテンツをダウンロードしていたり、オンラインセミナーを視聴していたり、といった顧客の活動レベルにより、関心の強弱を見極めます。
  3. 購買ステージ
    リードが現在、購買サイクルのどのステージに達しているかを把握し、評価します。

マーケティングオートメーションによるスコアリングに関しては、以下の記事でもご紹介していますので、是非併せてご覧ください。

(6)営業はリードの優先順位や行動履歴を確認できる

Marketo Engageのマーケティングオートメーションは、SalesforceのCRMとシームレスに統合します。そのため、営業チームはマーケティングプラットフォームにログインする必要はありません。営業はリードの情報をSalesforceから直接確認できます。マーケティングオートメーションを使用することで、優先順位が高いリードがどれか、営業担当者は判別することができます。

マーケティングオートメーションは営業担当者に重要なことだけを知らせます。たとえばMarketo Engageのプラットフォームでは、次のものが表示されます。

  • スターと炎:営業チームは、Salesforceで優先度(活動)と緊急度(活動の新しさと回数)を示す記号を確認できます。この2つの属性は、それぞれSalesforce のダッシュボード内でスターと炎のアイコンで表されます。
  • 注目の出来事:また営業チームは、セミナーに参加したかどうか、価格ページを見たかどうかなど、リードの具体的行動を「注目の出来事」として確認できます。こうした情報はリードとの対話を開始する際に役立ちます。
図2

(7)セールスファネル全体でどのプログラムが効果的か把握できる

マーケティングオートメーションでは高度な方法でキャンペーンのROIを測定することにより、最初に顧客を呼び込んだ施策と、購買サイクルの途中で生じたタッチポイントがすべて明らかになります。それらのマーケティング施策を測定することで、どのキャンペーンの効果が最も高いかを割り出し、マーケティング戦略を継続的に改善することができるのです。

キャンペーンを測定する方法には、最初のマーケティング活動にだけスコアを付与する「ファーストタッチアトリビューションのトラッキング」と、すべての活動に平等に分配する「マルチタッチアトリビューションのトラッキング」があり、キャンペーンの成否の決定に役立ちます。

なお、セールスファネル全体でどのプログラムが効果的かを把握するには、セールスファネルの全体設計が必要であることはもちろん、各ファネルにおける施策を実行するために必要となる様々なシステム・アプリケーションと連携を可能にする拡張性が重要です。

マーケティングオートメーションの中でもMarketo Engageはエンゲージメントプラットフォームとして、顧客の行動やその背景にある心情を正確に把握し、大規模であってもパーソナライズされた確かな施策を実行、長期的な関係を構築できる統合プラットフォームになっています。

またAPIを公開し完全にオープンな設計であるMarketo Engageは、国内外で実績が豊富なパートナーアプリケーションと連携して、各社に個別最適化したマーケティング環境を構築できるという大きな特徴があります。

One to Oneマーケティングに欠かせない、CRM・DMP・データウェアハウスなど、既存のすべてのシステムやデータに接続することができるという優れた拡張性も持ち合わせている、唯一のプラットフォームであると言えるでしょう。

セールスファネル全体でどのプログラムが効果的か把握できる

まとめ

マーケティングオートメーションはリソース不足で諦めていたマーケターの思い描く理想のマーケティングの実現をサポートしてくれるとともに、営業が知りたかった顧客の動きを見える化することで営業活動を支援してくれます。

とはいえマーケティングオートメーションの有効活用には、自社にとっての成功パターンを見つけるための試行錯誤が不可欠であるとともに、製品思想に共感できるようなマーケティングオートメーションを導入することが重要です。

マーケティングオートメーションの効果的な使い方は、企業の業種やターゲット顧客の属性などによって異なります。逆に、"すべての企業がマーケティングオートメーションでこれをやれば、必ず売上が上がる"と断言できるような、絶対的な正解は存在しないと言い換えることもできるでしょう。

マーケティングオートメーションを導入しているすべての企業が導入効果に満足しているわけではありません。Raab AssociatesとVentureBeatの調査によれば、マーケティングオートメーションを利用する25%の企業が投資に見合ったメリットが得られていないと回答しています。ただ一方で、残りの75%の企業は導入に見合った効果があると回答しています。そして実際に多くの企業が予想をはるかに上回る成果を挙げています。

マーケティングオートメーション導入の成功と失敗を分ける要因は何でしょうか?以下のebookにてマーケティングオートメーションを評価するための要素や基準をご紹介しております。

Marketo Engageは自動車流通業のガリバーを運営する株式会社IDOMやIT・サービス業の株式会社マネーフォワード、生命保険のライフネット生命保険株式会社など、国内外を問わず数多くの企業で導入されています。

現状に満足しておらず、マーケティングオートメーションのある世界を見てみたいと少しでも興味をお持ちであれば、ぜひ弊社のWebサイトで導入事例をご覧ください。

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