SQL(Sales Qualified Lead)とは

はじめに

自社のマーケティング活動をより効果的なものにするためには、関わる人たち全員がそれぞれどのような目標と役割を担っているかを明確に理解している必要があります。よく言われれる「営業とマーケティングの溝」は、組織文化や社風の問題以前に、この目標設定と役割分担でつまずいている企業がほとんどです。

企業の売上・利益を伸ばす、顧客に価値を提供するなど、本来、全員の最終的な目標は同じはずです。営業とマーケティングが連携しさ、共通の目標を達成するために大切なのが、用語の定義を揃えることです。

今回はSQL(Sales Qualified Lead)とMQL(Marketing Qualified Lead)を中心に、マーケティングファネルの考え方や、SQL・MQLの定義、また当社でどのように使っているかをご紹介します。

根底にあるマーケティングファネルの考え方

まず基本にあるのがファネル(漏斗)の考え方です。認知を獲得してから、Webサイト閲覧、セミナー参加、商談や見積もり提出など様々な段階を通って、実際の顧客になるまでの過程を以下のような漏斗型に見立てます。

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自社のマーケティングプロセス、顧客の購買プロセスに即して、上記のファネルを定義します。各社で独自に定義を作っていくことになりますが、社内で用語と定義を揃えることでマーケティング、インサイドセールス、営業ごとの役割と目標を明確にできるようになります。

当社では、以下の9個のステージにわけ、利用するシステム・担当部門をわけています。

9個のステージにわけ、利用するシステム・担当部門をわけていますクリックで大きく表示されます

以下、マーケティングファネルの理解を深めるために、それぞれのステージを解説していきます。

TOFU:Top of Funnel

いわゆる「認知」の段階で、顧客はまだ製品・サービスの購入を検討していません。当社では、TOFUのステージにいる顧客を「Awareness:自社または製品サービスに対して認知がある」、「Friend:製品サービスについて関心を示している」の2つにわけています。この段階ではリード情報は把握できておらず、Google アナリティクス等でWeb上の行動が匿名(Unknown)でわかるに過ぎません。

MOFU:Middle of Funnel

「認知」の段階を超え、製品・サービスに具体的に興味を示し、潜在的な見込み顧客になりはじめた段階です。当社では、MOFUを

  • Name:関心の有無にかかわらず保有しているコンタクト情報
  • Engaged:コンテンツのダウンロードなど購買行動につながるアクションを取っているコンタクトの数
  • Target:自社の販売ターゲットに合致しているコンタクト。学生や競合などはこの時点で排除される。
  • MQL:購買状況がある程度進んでいる見込み客。リードスコア100位上などの基準で絞り込みを行う
  • SQL:MQLの中でインサイドセールスもしくは営業がフォローし、案件化の見極めを行う対象

の5つのステージにわけています。ホワイトペーパーダウンロードなどをきっかけにコンタクト情報を把握しているため、この5つのステージがMarketing Automationツールが活躍する領域です。Targetまでをマーケティングが担当し、MQL・SQLをインサイドセールスが担当しています。

BOFU:Bottom of Funnel

購買段階はかなり進み、最後の2ステージになります。当社では、ここから担当部門は営業になります。商談履歴や受注状況をSFA・CRMツールで管理しています。

  • Opportunity:営業が社内で決められた条件(BANT条件など)が揃い、案件登録できると判断したもの
  • Customer:受注

上記のようにファネル上の各ステージを定義し、使うツール、担当部門を決めることで、それぞれのKPIや施策が導き出せますし、活動を振り返り、PDCAを回しやすくなります。

今回は、本記事をご覧になっている方が最も関係があるであろうMQLとSQLについて詳細にご紹介します。

MQL(Marketing Qualified Lead)からSQL(Sales Qualified Lead)にする活動

Marketing Qualified Leadは直訳すると「マーケティングに値するリード」となりますが、
「マーケティング部門が創出したホットな(例えば、リードスコア100以上など)見込み顧客」です。

認知のフェーズを経て、「Engaged(コンテンツのダウンロードなど購買行動につながるアクションを取っているコンタクト)」の中から、「Disqualified」と呼ばれる、学生や競合企業を排除するプロセスを経て、「Target(自社の販売ターゲットに合致しているコンタクト)」と認定された見込み顧客に対して、Webサイトのブログ、ソーシャルメディア、メール、展示会、セミナー・ウェビナーなどのマーケティング施策を駆使して、彼らの購買意欲を高めていきます。

この活動は見込み顧客育成(リードナーチャリング)と呼ばれ、一般的にはMarketing Automationツールを使い、ツール上で、見込み顧客の属性や行動によってスコアリングを行い、購買意欲のレベルを計測していきます。

当社ではスコアが100以上の見込み顧客をMQLと定義し、マーケティング部門がMQLになったと判断した場合、インサイドセールス部門に引き継ぎます。

※当社でのインサイドセールスの役割やKPIについて『インサイドセールスチームとは?マルケトにおける位置付けについて』で詳しくご紹介しています。

SQL(Sales Qualified Lead)からOpportunityにする活動

MQLの次のステージであるSales Qualified Leadは直訳すると「セールスに値するリード」となり、インサイドセールスがニーズを確認し、営業に引き渡す見込み顧客です。

インサイドセールスは見込み顧客にメールや架電を行い、ニーズや課題感を聞きながら、提案の機会を窺います。そして、製品・サービスによって見込み顧客の課題解決が実現できると判断した場合、営業担当者との商談をセッティングします。(営業に引き渡せる見込み顧客を、SAL(Sales Accepted Lead)と呼んだりします)。

当社のインサイドセールスチームで使っている用語をご紹介した『MQLとは?マルケトのインサイドセールスで使われるマーケティング用語』でも記載しましたが、当社ではSQLの判断基準を以下の2つとしています。

  1. Marketoで実現できること(機能)を概ねご理解いただいている
  2. 1を踏まえ、以下のような課題・改善ニーズがある
    売上拡大
    • 売上拡大を狙い、効率的なマーケティング・営業方法を構築したい
    • 商機にない見込客や放置されている失注案件を、次の提案機会に繋げたい
    既存顧客の維持
    • 既存顧客との接点を増やし、顧客ロイヤリティーを高め、解約を防ぎたい
    マーケティング活動の効率化
    • マーケティング部門のシステム(Webのアクセス分析、メール配信、ランディングページの作成等)統合による業務効率化

SQLの見極めができ、営業に引き渡した場合、「Opportunity(営業が社内で決められた条件(BANT条件など)が揃い、案件登録できると判断したもの)」となり、お取引が決まった場合は「Customer(受注)」とステージを進んでいきます。

営業が直接獲得したSGL(Sales Generated Lead)の位置付け

ここまでマーケティング、インサイドセールス部門の活動によって、見込み顧客を創出するプロセスをご紹介しましたが、日本の場合は、営業がお客様のところに足繁く通い、直接引き合いを獲得する文化がまだまだ根強くあります。

皆さんの周りにも、業界の交流会やセミナーに参加したり、はたまたゴルフや飲み会に顔を出し、個人の人間関係の中で大きな引き合いを持ってくるトップセールスの方が何人かいらっしゃるのではないでしょうか。

テクノロジーが発展したとはいえ、仕事は人と人がするもの。「個の時代」と呼ばれたりもしますが、法人取引でも企業よりも「企業内の優秀な個人」に顧客が付く事例は多数見られます。営業が人と人の関係性の中で、顧客からの要望を引き出し、案件につなげていくスタイルも引き続き重要なことは間違いないでしょう。

一方、コーポレート・エグゼクティブ・ボードが1,400社以上のBtoB企業を対象に行った調査では、BtoB商材の購買行動のうち、57%のプロセスは顧客が自ら行っていることがわかりました。顧客は自ら情報収集を行い、課題を解決する方法を見つけ出す力を持ち始めています。インターネットの普及によって顧客の情報行動・購買行動は大きく変化しており、マーケティング活動を通して、認知獲得からMQL・SQLへと購買意欲を高めていく活動の重要性は明らかです。

成果を最大化する営業とマーケティングの連携

今回、MQL、SQLをはじめ、マーケティングファネル内の各ステージの流れをご紹介しましたが、「優良な見込み客」に対する定義を明確にまとめている企業は44%に過ぎない、というCSO insightの調査もあり、浸透にはまだまだ時間がかかりそうです。

そもそも、マーケティングはファネルの上部を担当し、種をまく職業。一方、営業はファネルの下部を担当し、まかれた種から実った果実を刈り取る職業。ホモ・サピエンスという同じ種族ではありますが、明確に役割と特性が違います。

MarketoとForceの調査によるとマーケティングが送客するリードのうち80%が放置され、営業の時間の半分が成約につながらない見込み客に費やされているといいます。役割と特性が違うが故に、放っておくと溝ができがちな営業とマーケティングですが、同調査では、営業とマーケティングがうまく協力できている場合、成約率は67%向上する、という驚くべき結果が出ています。

それぞれのステージで用語や目標、役割を定義し、関わる人たちの本来の最終目標である売上・利益、顧客への価値提供の最大化が実現できるようにしていきましょう。

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