マーケティング入門

2021.06.24

BtoC領域に有効なMA(マーケティングオートメーション)とは?

マーケティングプロセスを自動化し、企業の収益を向上させるMA(マーケティングオートメーション)。MAにはさまざまな種類があり、それぞれ強みや得意分野が異なります。
BtoC領域でMAを活用する場合、BtoCビジネスの特性を理解した上でツールを選ぶことが大切です。ここでは、BtoC領域で活用するMAを選ぶ際のポイントや選び方、活用事例について解説します。

目次

MAはマーケティング活動を自動化するツール

BtoC、BtoBのいずれの領域でも使われているMAは、マーケティング活動を自動化し、収益向上につなげるツールです。MAを導入することにより、顧客一人ひとりの行動や嗜好に合わせたOne to Oneマーケティングが可能になり、顧客との良好な関係の構築にも役立ちます。
MAが対応できるのは、大きく下記4つのマーケティング活動に分けられます。

顧客の情報を収集し蓄積する(リードジェネレーション)

MAを使えば、問い合わせや資料請求、展示会出展、コンテンツマーケティング、ホワイトペーパー、カンファレンス、セミナー、ウェビナー、web広告、テレアポなどで顧客に関するデータを集め、蓄積して管理することができます。

見込み顧客を育成する(リードナーチャリング)

MAは、獲得したリードに向け、メールマーケティングやセミナー、eBookなどの読み物、リターゲティング広告などを使って情報を発信し、自社の製品やサービスへの興味関心を引き出して購買意欲を高めることに役立ちます。ナーチャリングにより、興味関心度合いが高まったリードは、受注確度の高いホットリードとして営業に引き継ぎます。

ロイヤリティを高めてLTVを向上させる

BtoCの場合は、フィットネスクラブのような会員制度や化粧品の定期購入など、リピート顧客によるLTV(生涯顧客価値)の向上が欠かせません。
一般的に、企業やブランド、サービス、製品に対して抱いているロイヤリティ(愛着)が高い顧客ほど、顧客ライフサイクルにおいて、繰り返し商品やサービスを購入してくれる可能性があり、LTVが高いといえます。ロイヤリティを高めるには、MAを活用した顧客とのきめ細やかなで継続的なコミュニケーションが有効です。
MAは、顧客と継続的な関係を構築することでロイヤリティを高め、LTVを向上させる効果が期待できます。

マーケティング施策を分析する

MAを使うことで、マーケティング施策を分析することが可能です。メールの開封やURLのクリック、コンバージョン、店舗来店、セミナーなど、個々のリードの行動をトラッキングし、マーケティング施策の成果や収益プロセスなど、ブラックボックス化しがちな部分を可視化して改善しやすくなります。

マーケティング指標と分析方法については、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

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BtoCとは、個人や一般消費者向けのビジネス

BtoCは「Business to Customer」の略で、個人や一般消費者に向けたビジネスのこと。対として使われる言葉に、企業間で行われるビジネスを指す「BtoB(Business to Business)」があります。
続いては、BtoCの特徴について、BtoBと比較しながら確認しておきましょう。

リード数が多い

BtoCは、BtoBに比べてリード数が多いのが特徴です。BtoBは企業向けでニッチな商材も多くなりますが、BtoCは一般消費者がターゲットの商材を取り扱うため、リードの母数が多くなります。

費用対効果より感情で購入に至るケースがある

BtoCとBtoBでは、購入の判断基準が異なります。それぞれの判断基準を確認しておきましょう。

・BtoCの場合
BtoCの場合、購入の意思決定をする人がそのまま使用者であることがほとんどで、購入にあたっては意思決定者自身の満足度が重要です。一般的に価格が安い物を選ぶことが多い製品でも、デザインを優先する人は多少高くても好みの物を選ぶなど、個人的な感情や所有欲に左右されることも多くあります。製品ができるまでのストーリーなどが購入のトリガーになることもあります。

・BtoBの場合
BtoBの場合、課題解決が購入の目的であるため、製品・サービスの購入に際して、複数の関係者が合理的・論理的な判断を行います。主な判断基準は、費用対効果やスペックなどです。

リードタイムが短いことが多い

BtoBは担当者だけの判断で購入に至ることはほぼなく、何度も稟議を通した上で決裁権を持つキーパーソンの意思決定を待つことになります。
一方、BtoCは、商品によっては家族などに購入前に相談することもありますが、企業のような稟議を行う必要はありません。使用者自身が満足すればすぐにでも購入してくれる可能性があるため、BtoBに比べると購買までのスピードが早いことが多いでしょう。

ただし、リードタイムについては、BtoCで扱われる商材によって異なります。
例えば、単発型の消費材などは衝動的な購入も少なくありませんが、継続的な支払いが発生するサブスクリプションサービスや、1台、1件あたりの金額が大きい自動車や不動産は検討型商材に分類され、リードタイムは長くなります。こうした商材については、BtoBと同様、リード一人ひとりを大切にした施策を展開して、長期的な関係を構築することが大切です。

BtoCの中でも、特に製造者と消費者との直接やりとりを行う場合を、D2C(Direct to Consumer)と呼びます。D2Cは、近年インターネットの普及により注目されるようになりました。買い手である消費者がみずから動いて情報を取りにいき、買い手主体で購買行動が展開するため、検討型商材と同様に売り手側がタイミングを見極めて適切なアプローチをする必要があります。

BtoCにおける消費者の購買行動

リードが実際に購買に至るまでのプロセスには、一定の規則に則った流れがあります。効果的なマーケティング活動を行うには、この流れを理解しておくことが重要です。
BtoC領域における購買行動は、これまでの「AIDMA」と呼ばれるモデルから「AISAS」「AISCEAS」をはじめとした新しいモデルへと移行しつつあります。それぞれどのような意味なのか解説しましょう。

AIDMA

AIDMAは、1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した購買行動モデルで、消費者が対象を認知してから購買に至るまでの流れを5つのプロセスに分類し、それぞれの頭文字を取っています。5つのプロセスの具体的な行動は下記のとおりです。

・Attention(注意)
雑誌やテレビ、webサイトなどで製品やサービスの存在を知る。

・Interest(興味関心)
製品の強みや類似製品との違い、機能などを知り、興味を持つ。

・Desire(欲求)
製品やサービスを利用することで「自分の望みが叶えられそうだ」と感じ、購買意欲を高める。

・Memory(記憶)
欲求が記憶に結びつき、広告などで存在を思い出す。

・Action(行動)
きっかけによって、行動を起こす(購入する)。

AISAS

AISASは、日本の広告代理店である株式会社電通が提唱した、インターネットの普及に伴って登場した購買行動モデルです。

・Attention(注意)
雑誌やテレビ、webサイトなどで製品やサービスの存在を知る。

・Interest(興味関心)
製品の強みや類似製品との違い、機能などを知り、興味を持つ。

・Search(検索)
インターネットで検索して情報収集を行う。

・Action(行動)
行動を起こす(購入する)。

・Share(共有)
購入して良かったと感じた製品やサービスについて、SNSなどで情報を共有する。

AIDMAと比較するとAISASは、「Desire」の代わりに「Search」があり、「Action」の後に「Share」が追加されています。その人単体の行動では終わらず、シェアすることによって拡散されていく流れは、デジタル時代ならではの循環構造だといえるでしょう。

AISCEAS

AISCEASは、有限会社アンヴィコミュニケーションズの望野和美氏が提唱した購買行動モデルです。

・Attention(認知・注意)
雑誌やテレビ、webサイトなどで製品やサービスの存在を知る。

・Interest(興味関心)
製品の強みや類似製品との違い、機能などを知り、興味を持つ。

・Search(検索)
インターネットで検索して情報収集を行う。

・Comparison(比較)
いくつかのサイトを閲覧して比較する。

・Examination(検討)
実際に購入した人や使用した人のレビューを参考に購入を検討する。

・Action(行動)
行動を起こす(購入する)。

・Share(共有)
購入して良かったと感じた製品やサービスについて、SNSなどで情報を共有する。

AISCEASは、AISASに「Comparison」と「Examination」が加わった購買行動モデルです。消費者は、より価値の高い製品やサービスを購入する場合、他社との違いを検索し、比較・検討を行います。

BtoCのマーケティング手法

BtoC領域で有効なマーケティング手法には、どのようなものがあるのでしょうか。リード獲得、およびリード育成の各フェーズにおけるマーケティング手法を見ていきましょう。

リード獲得(リードジェネレーション)

BtoCマーケティングでリードを獲得する代表的なマーケティング手法に、マスマーケティングとコンテンツマーケティングがあります。

・マスマーケティング
マスマーケティングとは、リードをセグメントせず、マスメディアを用いてすべてのリードに画一的なプロモーションを行うことです。従来のBtoCマーケティングは、このマスマーケティングが主流でした。ユーザーの購買行動の変化とともに、マスマーケティングは顧客ごとに個別のマーケティングを行う「One to Oneマーケティング」に移行しつつありますが、潜在顧客を選別できない場合や、市場全体が潜在顧客になりうる場合は、現在でもマスマーケティングが有効です。
大量生産・大量消費が可能な製品で、市場規模にかかわらずトップシェアを取っている企業でも、マスマーケティングで安定した売上が見込めます。

・コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが興味や関心を持つコンテンツを作成し、その情報を通じて関係を構築しながら自社商品やサービスに目を向けてもらうためのマーケティング戦略です。
コンテンツマーケティングを行う場合、まずサービスや製品を購入する具体的な人物像であるペルソナを設定し、それに合ったブログ記事や動画、webサイトの記事といったコンテンツを作成します。ユーザーにとって有益なコンテンツから、サービスやプロダクトの紹介につなげることができれば、認知度の向上や購買意欲の向上が期待できます。

コンテンツマーケティングについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。

コンテンツマーケティング完全ガイド

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リード育成(リードナーチャリング)

リードに対しては、デジタル時代の検索性、双方向性、即時性を考慮したリードナーチャリングを行う必要があります。その代表的なマーケティング手法を2つ解説します。

・MAを使ったマーケティング
マーケティングにMAを導入すれば、高精度な顧客管理・分析、リードの熱量や属性に応じた施策の実行などを自動で行うことができます。
現在は検索性の向上で、消費者自身が「選んで買う」機会が増え、消費者の行動は多様化・複雑化しています。特に、リード数が多いBtoCでは、人の手でリードの行動を細かく管理するのは困難です。MAはリードの満足度向上に大きく影響するものであり、デジタル時代のBtoCマーケティングに欠かせないものだといえるでしょう。

・SNSマーケティング
消費行動にも取り入れられているSNSは、個人に向けたPRの方法として有効な手段です。SNSの普及によって、ユーザーは意見や要望、感想などをネット経由で発信するようになりました。これにより、企業はユーザーとの双方向的なコミュニケーションによってエンゲージメントを深め、自社および自社製品に好意的で、口コミを積極的に広げてくれる「ファン」を獲得できるようになったのです。
企業や組織のアカウントを使って情報発信し、書いた記事が多くの人にシェアされたり、影響力のある人に取り上げてもらえたりすれば、コストをかけることなく高い広告効果が見込めることもSNSマーケティングのメリットです。

BtoCマーケティングにおけるMAの選び方

BtoCマーケティングにおいてMAを活用する場合、実施したいマーケティング施策に合わせて選ぶことをおすすめします。マーケティング施策が反響型か顧客体験を重視するかによって適したMAが異なりますので、事前に確認しておきましょう。

反響型マーケティング施策の場合

クーポンの配布やタイムセールなどを行い、反応してくれた層にアプローチする反響型のマーケティングでは、大量のトラフィックを必要とします。BtoCはリードのデータ量も膨大であるため、大量のデータに対応できるMAを選びましょう。

反響型マーケティングを多く実施する企業で多く使われる、DMP(Data Management Platform:データマネジメントプラットフォーム)やCDP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)との連携も重要です。

顧客体験を重視したマーケティング施策の場合

顧客体験を重視したマーケティング施策を行う場合、マルチチャネルに対応可能で、複数のシナリオが設定できるMAが適しています。
インターネットやSNSの登場以降、製品やサービスの購入までに生じる企業と顧客のタッチポイントが多様化しているため、それぞれのプロセスで優れた顧客体験を提供することが大切です。それによって、顧客の満足度を高めることができ、最終的にはLTVを最大化するといわれています。

BtoCマーケティングにおけるMAの活用事例

ここまで見てきたように、MAは効果的なBtoCマーケティングに欠かせないツールです。MA導入のメリットをさらに具体的に把握するために、アドビ株式会社のMAである「Marketo Engage」の活用事例を紹介します。

RIZAPグループ:CM以外のチャネルを開拓し、顧客を長期的に育成

パーソナルトレーニングジム「RIZAP」でのダイエット・ボディメイクをはじめ、英会話、ゴルフ、ヘルスケアなど、幅広いジャンルでサービスを展開するRIZAPグループ株式会社。順調な成長を遂げる一方で、競合企業の増加、広告コストの増大といった課題を抱えていました。

背景には、CMなどの広告コミュニケーションを軸とした新規獲得、単発のキャンペーンへの偏重がありました。結果として、デジタル上で情報取得できるコンテンツが不足し、誤解や迷いが生まれてリードタイムが長期化していたのです。長期スパンで顧客関係の構築に取り組む必要を感じた同社では、次の3つの施策に取り組むことを決めました。

    <RIZAPが取り組んだ施策>
  1. 検討期間短縮と問い合わせ獲得を目指した資料請求施策およびナーチャリング
  2. 問い合わせ後に離脱したユーザーを「未予約」「未来店」「未契約」「トレーニングセッション未開始」「未再契約」とセグメント化して育成
  3. 「2」で契約に至らなかったユーザーを含めた「未入会・休会」セグメントへの定期的なキャンペーン実施

これらの施策を実施するため、既存のCRMとの連携性や、ITに精通していないメンバーでも使いやすい操作性の良さを評価して、Marketo Engageを導入。施策開始後には、約1年間で約5,300件のリードを獲得しました。問い合わせも約180件獲得し、広告獲得コストの約50分の1程度で運用することができています。

RIZAPの事例については、下記の記事で詳しく説明しています。

導入事例:RIZAPコンテンツ力でユーザーの"誤解"を解消しテレビCM以外の新規獲得チャネルを構築

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スヴェンソン:MAで新規契約を獲得し、顧客体験を最適化

ウィッグ事業を中心に、理美容サービス、ヘアケア商品の販売などを行う株式会社スヴェンソン。主力であるメンズ向けウィッグ事業の強化に向け、新規契約獲得や、顧客体験を最適化するツールとしてMarketo Engageを導入しました。

アナログ志向が残る同社では、デジタルへの抵抗感が強く、メール施策にも配信停止の増加を懸念する声が多かったといいます。同社のデジタルシフトを担うチームは、「顧客データが蓄積されることで適切なナーチャリングを行える」といったメリットを社内に伝え、MA導入の意義を理解してもらうところからスタート。配信停止を懸念する声に配慮し、段階的に施策を実施しました。具体的な施策は下記のとおりです。

・DM送付後、追跡メール
年2回のキャンペーン時、DMのみでなく、キャンペーン終了前にメールを送信する施策を行うようにしました。結果として、配信停止は1%にとどまり、期間終了間際に9名が来店しました。

・資料請求後、2週間でのメール配信
ウィッグは、実際に来店して試してもらうプロセスが欠かせないため、タイミングを見極めたアプローチを実践。送付数1,440通に対し、来店数94、契約数54という高い成果を達成する一方、配信停止は3%にとどまりました。

タイミングを外さなければ配信停止は増えないという結果を受け、現在は長期的なライフサイクルステージの設定に取り組んでいます。将来的にウィッグを契約する可能性があるスポット利用ユーザーの遷移条件を棚卸し、One to Oneの細かなコンテンツ配信を行っていく予定です。

スヴェンソンの事例については、下記の記事で詳しく説明しています。

導入事例:スヴェンソンアナログとデジタル施策の融合で、新規開拓と顧客体験の最適化を実現

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MAでBtoCマーケティングをより効率的に

時代に合ったBtoCマーケティングを行う上で、最適なタイミングで効率良く施策を実施できるMAの価値は大きいものです。自社のマーケティングの手法や目的を見直し、最適なMAを選びましょう。

Marketo Engageは、顧客体験の向上に強みを持つMAで、金融や不動産、教育といったさまざまな業種で活用されています。興味のある方は、下記のeBookをご確認ください。

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