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マーケティング入門

2020.10.13

展示会やセミナーを売上に結びつける、効果的なイベントマーケティングのあり方とは?

マーケティングオートメーション

BtoBビジネスを展開する企業のマーケティング活動において古くから実施されてきたものとして、展示会の出展や自社セミナーの開催があります。いわゆる「イベントマーケティング」を実施することで、新たな顧客接点を持つことが出来たり、自社製品・サービスの情報を一度に広く発信することができたりと、企業にとって多くのメリットがあるため、多額の予算をかけて出展・開催している企業もあるのではないでしょうか。しかしながら、近年ではインターネットであらゆる情報を気軽に取得できるようになったことで、イベントマーケティングの効果が薄れてきている、といった声や、「毎年やっているから」という理由で出展・開催し続けている展示会やイベントの費用対効果を経営層から厳しい目で見られるようになってきている、という声を聞きます。
本記事では、変わりつつある環境に対処しながら、効果を最大化し収益に貢献するイベントマーケティングの手法をご紹介します。

イベントマーケティングとは何を指す?

はじめにですが、マーケティング施策としてのイベントはどういったものを思い浮かべるでしょうか。我々のようなBtoBビジネスの企業では、以下のようなものが考えられます。

  • 外部展示会や見本市への出展
  • セミナー
  • プライベートイベント
  • ウェビナー(webセミナー)

基本的にはオフラインで実施するものではありますが、近年はオンラインでのウェビナー(webセミナー)の形式で自社セミナーを開催する企業が増えてきました。
大きく分けて上記の4つのイベントマーケティングの形式が想定されますが、それぞれで準備~実施に求められることは様々です。規模の大小もありますが、最も大きく異なるのは、外部展示会は集客の主体が展示会主催者であることに対し、セミナーやプライベートイベントは集客の主体が自社であることです。これによって、イベント前の集客から登録、参加後のフォロー手法に違いが出てきます。とはいえ、イベントマーケティングの括りの中で共通して行うべき取組もありますので、以下で実施までの手順をご紹介していきます。

イベントマーケティングを実施する4つの大きなメリット

多くの企業では既に展示会への出展やセミナーを実施されていることと思いますが、何のために予算と手間をかけてイベントを実施するのでしょうか。大きく分けると以下の4つに分けられます。

  • 認知の獲得とブランディング

    こちらは特に展示会や見本市への出展において目的とされますが、多数の来場者が見込めるイベントへ出展してブースを構えたりスポンサーに名前を連ねたりすることで、企業名やブランド、製品やサービスを見込み顧客に目にしてもらうことが増え、「この会社は今勢いがある」「業界の主要プレーヤーである」といったイメージ作りにも繋がります。

  • 多くの見込み顧客と接点を持つことができる

    営業による提案が見込み顧客と1:1の関係であるのに対して、展示会やセミナーは1:Nの関係になります。これは、限られた時間の中で多くの見込み顧客と関係を持つことができることを意味します。特に集客対象が外部の展示会であれば、自社が接点を持っていない見込み顧客の来場が見込まれるために自社が保有するリストを増やすことにつながりますし、セミナーの場合でも外部機関(業界誌やウェブメディア)の活用や、他社と共催で開催することで同様の効果を見込めるでしょう。

  • 検討度合いの高い見込み顧客と接点を持つことができる

    展示会やセミナーには何かしらの課題感を持ち、サービス導入を目的として参加している方が能動的に参加されます。そのため、ニーズが顕在化されていたり導入時期が明確になっていたりする見込み顧客と接点を持つことができます。そのまますぐに商談に移ることも可能ですし、ニーズが顕在化されている方が求める情報を提供できれば、営業担当からご連絡をすることで商談を進めることもできるでしょう。

  • 体系立った情報の提供ができる

    展示会やセミナーでは、ウェブサイトやメルマガで提供する情報よりもさらに踏み込んだ情報を提供することができます。
    例えば製造業をはじめとした物理的な製品を持つ企業であれば、展示会で実機デモをお見せすることで活用イメージを紹介したり、製品のメリットを実際に感じて頂くことができたりするでしょう。一方で、ソフトウェア企業やサービスを提供する企業であっても、セミナーで30分や1時間のまとまった時間を使った紹介により、課題提起からその解決策までを紹介し、ニーズを喚起するような時間にすることができるでしょう。

イベントマーケティングを成功させるために必要な5つの重要要素

イベントマーケティングを成功させるためには、展示会までの準備は勿論ですが、展示会当日のオペレーションやその後の営業活動に繋げるための全体施策の検討が必要です。具体的には、以下の5つの項目を順に考えていくとよいのではないでしょうか。

  1. 目的の整理と目標の設定
  2. 当日に向けた準備
  3. 当日のオペレーション設計
  4. 事後フォローの実行
  5. 結果を測定・可視化し改善につなげる

例えば、展示会やプライベートカンファレンスであれば出展費用が大きくなるため、その分の成果を出すための事後フォローまでしっかりと行っていく必要がありますし、自社セミナーは少ない予算で開催できるものの、その分コンタクトできる対象が限られるため集客の段階から積極的にコミュニケーションを図っていくことが成果に結びつくでしょう。

1. イベントの目的の整理と目標の設定

そもそも、イベントマーケティングを何のために行っているのでしょうか?目的と目標をしっかりと設定しておくことで、イベントが成功したかどうかを計測できるようになります。
イベントの目的はブランディングのため、サービスの認知を図りたい、名刺の獲得、営業への送客、既存顧客との関係強化、といったものから、競合もやっているから、ずっとやっているから、といった感覚的なものまで、色々と考えられます。
セールスの観点においては、目標を大きく分けると以下の3つになります。

  • 認知の獲得
  • リード(見込顧客の情報)獲得
  • 商談の創出

ただ、認知の獲得は不特定多数に向けたものになり、効果の測定が難しいため、近年のイベントマーケティングのKPI(重要測定指標=数値目標)はリード獲得と商談創出といった計測可能なものにシフトしてきている傾向があります。

2. イベント当日に向けた準備(ターゲット、コンテンツ、日程など)

イベントの目的や目標を設定したところで、イベントでのメッセージングや、セミナーの内容について考えていくことになります。ここではターゲットを設定し、どのようなコンテンツを準備するかを考えていきます。
外部展示会であれば、まだ自社や自社サービスの認知が浅かったり、そもそも全く認知していない層のお客様も来場するため、そういった理解度の低い見込顧客をターゲットとし、興味を持ってもらうようなコンテンツを用意する必要があります。
一方で、自社セミナーであれば、既にリストとして情報を獲得できている方々を対象として集客を図ることが中心となるため、一歩踏み込んだ情報を提供することで興味を引き、商談に結びつくようなコミュニケーションが必要になってくると考えられます。場合によっては競合との差別化ポイントを盛り込んだり、ハンズオンやデモのように実際に活用のイメージを持ってもらったりするような仕組み作りも必要になってくるかもしれません。
また、過去の傾向をもとに、日程についても考慮の余地があるかもしれません。特に自社セミナーを開催する場合には、午後一番の時間帯がいいのか、直帰できる夕方、業務時間外に参加できるようにした方がいいのか、といったところもターゲットにあわせて検討が必要になりますし、曜日によって参加率が左右されることもあります。

写真: 自社セミナー開催日程のライブアンケート結果

写真: 自社セミナー開催日程のライブアンケート結果

もう一点留意すべきポイントは、集客から申込、開催当日、そして開催後の事後フォローまでに準備しておくべきコンテンツについてです。自社で開催するセミナーやカンファレンスであればウェブサイトに集客用のランディングページを用意し、登録のための申込フォームを設置する必要があります。ハウスリストに対しては集客メールを配信し参加を促しましょう。場合によっては匿名のターゲットに対してウェブ広告の出稿を検討した方が良いかもしれません。そして、申込が完了した方には受付完了ならびに申込御礼メールを、イベント直前には参加率を高めるためのリマインドメール配信を準備しておくことがイベントの成功に繋がります。

3. イベント当日のオペレーション設計

アテンド人員

展示会であれば、ブースにお客様を呼び込むためのコンパニオンと、製品について紹介するアテンド人員を効率的に配置していくことで、ブース来場者への満足度を高めることが出来ます。
認知を目的としているのか?商談へ繋がる見込顧客と会話がしたいのか?といったことによってもアテンド人員は変わってきます。その中でも重要なのは、

  • 派遣スタッフ
  • 営業担当者
  • 技術説明員

の配分です。派遣スタッフであれば多くの人数を配置できる代わりに、製品知識が浅いため競合製品との比較情報の紹介や技術的な質問に答えることは難しいでしょう。一方で、技術説明員を配置することでお客様の検討度合いを高めるような会話が可能になりますが、多くの社員の予定を一度に押さえることが難しいことも考えられます。

写真: 展示会ブースにアテンドする人員

写真: 展示会ブースにアテンドする人員

展示内容

展示会で最も重要なのは他でもなく展示内容ですが、業界や自社の知名度によって当日の展示内容は様々です。一概にどのような内容でお客様をお迎えするのが良いかは伝えるのが難しいですが、以下に検討ポイントを記載します。

  • 製品(実物)の展示
  • パネルの設置
  • カタログやフライヤーの容易
  • ミニセミナーの実施
  • アンケートの実施

上記のアテンド人員と展示内容によって、一人ひとりのブース来場者のフォローを実施するか、重要な来場者に絞ってアテンド要員が対応するかの兼ね合いがあるかとは思いますが、いずれにしてもブース来場者の人数の把握は重要です。最近は多くの展示会で来場者バーコードの取得ができるようになっていますので、個人が分かる状態での来場者の情報を集めることはその後のフォローアップも含めて非常に価値がある取組になるでしょう。

講演・セッション運営

セミナーや、展示会・カンファレンスでのセッションの運営も、参加者の満足度やその後のフォローアップのためには非常に重要になってきます。
できるだけ多くのお客様に講演・セッションを聞いてもらうために、当日の来場の歩留まりを考慮してセッションの申し込み人数を設定しておきましょう。内容や当日の天気にも左右されますが、展示会でのセッションでは5~6割、自社カンファレンスやセミナーでは7~8割の出席率が見込まれますので、会場のキャパシティよりも多めに登録してもらうことをお勧めします。ウェブセミナーであれば、よほどのことがない限りキャパシティを考慮しなくてもよいというメリットがあります。
次に、後日の振り返りやフォローアップのためにアンケートの実施を検討しましょう。紙の形式であれば、講演中や講演後の短い時間で書ききる必要があるため、質問は多くて7~8項目くらいにとどめておくとよいのではないでしょうか。その際、アンケート用紙に名刺を貼り付けられるような工夫をすることで、お客様の基本情報を記載してもらう時間を省くことが可能になります。最近は、オンラインサービスを利用してアンケートを収集することも増えてきています。講演資料の最後にQRコードを掲載し、参加者自らオンラインでアンケートに協力して頂くような形になります。オンラインのアンケート機能は無料のサービスも存在しており、「Survey Monkey」などのサービスを利用すると集計の手間が省けます。
また、遅くとも当日までには、講演資料の配布可否についても確認しておきましょう。当日配布にするのか、pdfにして後日メールで配布するのか、配布対象は申込者全員か参加者のみにするのか、アンケートに回答して頂いた方のみにするのか、講演者や後日のフォローアップをするインサイドセールスや営業チームとも相談をしておきましょう。

4. イベント事後フォロー(フォローアップまで考える)

展示会は開催してリストを獲得したら終わり、という訳ではありません。フォローアップを行うことで営業へ送客し、売上に貢献していく仕組みを構築していきましょう。
フォローアップの際に大事なのは、以下の3点です。

  • 詳細な説明を希望されている方への迅速な対応
  • 参加者全員へのメール等でのカバレッジ
  • 対象見込み顧客への優先順位付け

アテンドした際の情報やアンケートの内容に基づいて、人力でフォローアップをすることも大切ですが、CRMやマーケティングオートメーション(MA)を導入されていれば、参加者情報が提供され次第すぐにデータをインポートして、対応が必要な方へのフォローアップに漏れがないようにしておきましょう。

アドビ調べでは、接触があった見込顧客のうち、実に65%は将来購買の可能性があるが、今すぐの検討にはなりません。こういった方々とは長期的に関係を構築していく必要があります。
また、もう一つの問題として、フォローが遅れることによる機会損失も生まれることも考えられます。人間は1週間で7割の記憶が失われると言われていますので、イベント直後に開催レポートや講演資料をメールで案内することで記憶の定着を図ったり、部門内レポート等といった社内展開のリソースとしても活用して頂けるようになります。

ご参考までに、アドビでのイベント後の流れをご紹介します。参加者リストや名刺交換情報はマーケティングオートメーションの「Marketo Engage」にインポートされ、同期されているCRMシステムにも登録されます。この際に、CRMシステムのキャンペーン情報に「詳細説明が必要かどうか」、参加、不参加のステータスが反映されます。特に説明が必要な方については、キャンペーン情報に加え、見込み顧客のステータスが要フォロー(弊社ではMQLと呼んでいます)に変更され、フォロー漏れがあると担当にアラートが飛ぶようになっています。
その後、Marketo Engageから御礼メールを送信し、メールの開封、リンクのクリック、その後のウェブサイトの回遊状況を把握しながら、引き続き興味を持って頂いているかが行動情報をベースに見込み顧客の温度感が点数化されていきます。行動スコアが一定の点数を超えると要フォロー、MQLのステータスに変更されます。
ステータスがMQLの状態でなくても、ターゲット企業かどうかや役職の情報を基に見込み顧客の優先度を判断しながら、見込み顧客の行動状況とかけあわせて優先順位をつけてフォローアップを行っています。

マーケティングオートメーションや、マーケティングオートメーションを活用した見込み顧客への情報提供の手法については、以下のebookにて詳細にご紹介しております。

5. イベントマーケティングの結果を測定・計測し改善につなげる(PDCA)

最後に、展示会やセミナーの結果を計測することで、次回以降の開催・出展の検討を行ったり、オペレーションの改善を図ったりします。具体的な成果を測定するには、例えば以下の数値をKPIとして設定することが考えられます。

  • セミナー/展示会参加者数
  • 名刺獲得枚数
  • セミナー/展示会後のフォローアップメールのクリック数
  • 次のセミナーへの送客数
  • 商談化/案件化の件数や金額
  • 受注件数/金額

下の指標になればなるほど計測は難しくなりますが、適切なツールを導入することで可視化が可能になります。また、これらの結果の数値に加えて、投下した費用を計算してかけあわせることでマーケティングROIを算出し、最終的な評価を行うことができます。
別の問題として、実際には多くのセミナーや展示会を開催していくと、最終的な売上への貢献が複雑になり、何が売上に貢献したのかを正確に評価するのが難しくなるといったことが挙げられます。この場合、収益アトリビューション(=貢献)分析という考え方に基づいて、ファーストタッチ(最初の接点)に成果を集約して計測するのか、マルチタッチ(複数の接点)でそれぞれの施策に貢献度を分配するかといったことを自社内で設定し、分析を行うことで貢献度を正しく評価することが出来ます。こちらに関しても、分析ツールを適切に活用することで可視化され、次回以降の展示会やセミナーの出展方針を検討する際の材料の1つになるのではないでしょうか。

写真: 収益アトリビューション

写真: 収益アトリビューション

イベントマーケティングのまとめ

各企業が長年行ってきたイベントマーケティングも、ウェブサイトやデジタルマーケティングを上手く活用することによって、結果を正確に測定し成果を高めることが可能になってきました。さらに詳細についてご説明したセミナー動画及び資料をご用意しておりますので、是非ダウンロードください。マーケティング部門は運営の効率化、営業は売上への貢献を実現するための展示会・セミナー開催の手助けになれば幸いです。

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