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マーケティング入門

2020.10.13

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは何か? BtoBマーケティングで成果を上げるためのステップとは?

アカウントベースドマーケティング

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、企業を単位として、ターゲットとする企業に所属する方に対して面でメッセージを届けていくマーケティング手法です。現在主流となっている、リード(=個人)を単位としたマーケティング活動と区別するために用いられることが多い概念です。

マーケティング目標の達成や営業チームの成功を目的とする中で、現在主流となっているのは広く見込み顧客(リード)の情報を獲得していく手法ではないでしょうか。いわゆるインバウンド(=お客様自らが情報収集の過程で企業にデータを渡す)マーケティングの施策においては、オンラインではオウンド/アーンド/ペイドといったチャネルの活用、オフラインでは展示会の出展やセミナーの実施により認知度をできるだけ高めていく、といった方法でしょう。
実際に、多くのBtoBマーケターはオンラインおよびオフラインでの広告、PR活動、SEO/SEM、イベントマーケティング、ソーシャルマーケティング、コンテンツマーケティング、モバイルマーケティングといった、リーチ範囲の広いマーケティング戦術を駆使して成果を上げるようになってきています。この手法はどれも、いわば大きな仕掛けで、営業チームに大量のインバウンドリードを送り込むことを目的としています。このようなマーケティング手法がリードを獲得し収益をあげる上で効果的であることは間違いありません。しかしながら、マーケットの性質によっては、さらに効果的な方法が見つかる可能性があります。そこで登場するのがアカウントベースドマーケティング(ABM)です。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは何か?

ABMとは、Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)の頭文字を取ったもので、BtoB企業において「自社にとって価値の高い顧客を洗い出して、顧客に合わせた最適なアプローチを行い、自社の事業目標を達成する」ためのマーケティング戦略のことです。ABMは、BtoBマーケティング戦略の中で、先ほどご紹介したインバウンドマーケティング戦略の対極に位置するものです。できるだけ多くの見込み客にアプローチするために、リーチ範囲が広い一連のプログラムを用いるインバウンドマーケティング戦略がある一方で、ABM戦略では、ターゲットとして設定した企業にマーケティングおよび営業リソースを集中させ、企業毎に最適化したキャンペーンを展開して、各企業の関心を惹きつけます。そのために、ABM戦略では、マーケティングメッセージを対象顧客(アカウント)の属性とニーズを基に作成します。「アカウントベースドマーケティング」という名前はそのことに由来しています。

リードベース・アカウントベース

それでは、ABM戦略ではなぜ、マーケティングリソースを特定の顧客グループに集中させるのでしょうか?

その答えは、特定の企業または企業群が、自社にとって「価値が高い」からではないでしょうか。そのため、営業チームとマーケティングチームはいくつかの基準を基に、重点顧客を設定することになります。例えば、以下のようなものが基準として挙げられるでしょう。

  • 企業規模が大きく高い収益を期待できる
  • 知名度があり市場インパクトが大きい
  • 競合優位性のある業界や業種に属している

上記の例以外にも、ごく少数の対象顧客にだけ関係する商品を販売する企業もいらっしゃることと思います(たとえば原子力発電所を稼働させるために使うコンピューターなど)。そのような場合、買い手がはっきりと限定されているため、対象顧客のリストも明確なものとなります。こういった企業であれば、ターゲット企業に狙いを絞った戦略をとることは合理的でしょう。

ただ、実際には、ABMはもっと多くの企業に商品やサービスを提供する場合でも有効なことがよくあります。「効果的なアカウントベースドマーケティング(ABM)のレシピ」にも書かれているように、見込み客が何百も何千も存在し、市場規模が総じて大きい場合でも、他の顧客よりも価値が高い顧客は確かに存在します。そしてキャンペーンを最適化し、重点顧客にあわせて個別化したメッセージを送れば、一般的な手法よりもキャンペーンの成果が向上することは間違いありません。つまり、ABMとは、有力な見込み企業に最適化されたマーケティング活動を展開すべきだというシンプルな考え方です。1社当たりの売上高が平均顧客単価の100倍のポテンシャルがある企業であれば、リソースが10倍かかっても優先的に取り組むべきだというシンプルな考え方です。もし現在あなたが、価値の高い見込み客を顧客に転換しようと(または価値の高い顧客への販売を増やそうと)していて、パーソナライゼーションを用いたマーケティング手法が自社のビジネス目標の達成に効果があると思うならば、ABMを採用すべきでしょう。

ABM(アカウントベースドマーケティング)が効果を発揮する4つの領域

ここまでABMの概念についてご紹介してきましたが、営業を経験されたことがある方からすれば、この概念はしごく当たり前のものではないでしょうか。多くの企業では、大手企業や上顧客を専任で担当する「アカウント営業」が存在すると思いますが、まさにこの「アカウント営業」の活動を人力だけでなく、営業とマーケティング部門が連携して行っていく、そういう考え方がベースになっているのです。

アカウント営業の考え方をベースにすると、ABMがどのような事業戦略において効果を発揮するかを理解しやすいのではないでしょうか。ここでは、その領域を大きく4つに分けてご紹介します。

1. 新製品の提供

新たな収益を創出するために、既存顧客内の既存ユーザーをさらに深耕していくことで収益を上げる戦略です。いわゆるクロスセルを狙うための戦略です。新製品は、既存製品を代替するものであったり、既存製品を補完するものが多いので、そういった場合には既存顧客の企業群を中心にプロモーションを展開していくことによる効果が期待できます。

2. 既存顧客内の別事業部への展開

導入済みの事業部では既に成果を上げており、その社内事例を別事業部にも展開できる場合です。多くの場合、複数部門にまたがる部門があったり、異動などで他事業部にも影響力を持つ方がいるため、そういった方との関係を構築し、新たな見込み顧客を見つけていく活動が効果を発揮するでしょう。

3. 新しい市場や業界への展開

既に成果を上げている既存顧客の事例を活用し、その企業に近しいビジネスモデルや業界をターゲットにします。特に、業界トップ企業や先進的な取り組みで注目を集めている企業が既存顧客であれば、他社がベンチマークとしている可能性が高く、特に成果を出しやすいのではないでしょうか。現在、日本で活用が広がっている企業DBを活用したABMはこの領域を中心としています。

4. 既存製品の強化

既存顧客に対して、その活用度や契約更新率を高めるための製品やサービスの改良を実施します。この領域は、近年注目を集めるカスタマーサクセスと呼ばれるもので、活用状況に応じてオプションやサービスなどのアップセルを狙うことが想定されます。主には契約金額が大きいところを優先顧客としてターゲットを設定することが多く、主にテクノロジーの活用(テックタッチ)によりマーケティング活動を展開します。

このように、自社で取り組むべきABMがどの領域に当てはまるかを理解した上で、ABM戦略を考えることが重要です。上述したように、ABMには様々なテクノロジーを活用することが一般的になっていますが、そのテクノロジーについては後の章でご紹介していきます。

ABM(アカウントベースドマーケティング)の5つのメリット

メリット1: ROIにはっきり現れる

効果的なABMを行えば、よい成果がはっきりと出ます。実際、他のマーケティング活動と比べると、「B2Bマーケティング戦略または戦術の中で、ABMがもっとも高いROIを生んでいる」ということがわかっています(2014年ITSMAアカウントベースドマーケティング調査による)。

メリット2: リソースの無駄が減る

ABMはターゲットが明確であるため、マーケターはリソースを効果的に集中させて、対象顧客にあわせて、特に最適化されたマーケティングプログラムを実施することができます。
ABMでは、どの顧客が適格かを選別して、その顧客にアプローチします。そのため、営業やマーケティング、実施するプログラムの種類の考え方にも大きな影響を与えることがあります。

メリット3: パーソナライズかつ最適化されている

ABMでは、特定のオーディエンスに正確に狙いを定めて営業およびマーケティング活動を行うだけでなく、キャンペーンで対象オーディエンスの関心を惹きつけるように、メッセージやコミュニケーションを特定の顧客に合わせてパーソナライズすることも行います。実際、Aberdeenによると、75%の顧客がパーソナライズされたオファーのほうがよいと答えており、これは当然の結果といえるでしょう。対象顧客は、自分に向けて特別に作られたコンテンツや、自分の事業やカスタマージャーニーのステージに関連するコンテンツに関心を持つ可能性が高いのです。そしてABMはもともとパーソナルなものですから、キャンペーンは対象オーディエンスに合わせて自動的に最適化されたものになります。

メリット4: 目標の追跡と測定がやりやすい

Eメール、広告、Web、イベントなど、どのようなキャンペーンであれ、効果を分析する際に、明確な結論を出しやすくなります。というのも、測定対象がデータベース内に広がる膨大な数の指標やアナリティクスではなく、少数の対象顧客だからです。

メリット5: 営業との連携が容易になる

ABMは、営業とマーケティングが連携するもっとも効果的な方法の1つといえるでしょう。なぜなら、ABMプログラムを実施するマーケターが、営業と同じような発想で業務を行うようになるためです。つまり、顧客志向を基本にそのターゲット化の方法を考え、その顧客を交渉の場に引き込み、そしてその顧客から収益を発生させる、といった流れで業務を行うということです。顧客は、商談中であれ成約済みであれ、営業にとっては成功の尺度であり、営業が一番大事しているものです。ABMを実施するマーケターは、営業と同じような言葉を使うだけでなく、営業と密接に連携して、対象顧客を洗い出して、営業プロセス全体を通じて顧客にアプローチします。
ご参考までに、営業とマーケティングが協力して成果を上げていくための取組について、ウェブセミナーでご紹介しております。

ABM(アカウントベースドマーケティング)戦略策定に役立つ3つのフレームワーク

ここまでご紹介してきたように、ABMは営業とマーケティングが強固に連携して実施していくことで初めて成果を上げることができます。そのため、ABMを展開していくためには、マーケティング部門に閉じるのではなく、経営層も巻き込んだ経営戦略や事業戦略として練られていくことが求められます。
この章では、ABMを実施する上で、経営戦略にも関連する、3つの重要なフレームワークについてご紹介します。各フレームワークの詳細については、別の記事などでご確認いただければ幸いです。

3C分析

3Cとは、Company(自社)、Customer(顧客=市場)、Competitor(競合)の3つのCの頭文字をとったもので、市場を取り巻く3つの要素を分析することで、その後のターゲティングやポジショニング戦略をより具体的なものにしていくのに役立ちます。
ABMを実施していく上では、顧客分析と競合分析が特に重要になります。顧客分析においては、顧客が属する業界の成長性や、その業界特有の悩みが自社ソリューションで解決できるか、そしてそれが差別化できるのか、といった観点で分析を深めていきましょう。
一方、競合分析も、差別化を進めるためには非常に重要なものです。競合とのシェアや、競合ソリューションの特徴、強みを理解し、さらには新規参入や代替品の可能性についても検討することをお勧めします。

Company, Customer, Competitor

5 forces分析

マイケル・ポーター教授が考案したフレームワークで、上記の3C分析において、競合分析でよく使われる手法です。以下の5つの競争要因から、自社の差別化を図るための戦略を生み出していきます。

  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力
  • 業界内の競争
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威

営業マーケティングの分野では、「売り手の交渉力」「業界内の競争」「代替品の脅威」について深く分析をした上で、重点顧客を設定することで、より精緻なターゲティングとマーケティング施策設計ができるのではないでしょうか。

STP分析

STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の英単語の3つの頭文字をとったもので、フィリップ・コトラー教授が考案した主に販促のためのフレームワークです。自社製品を提供する市場をいくつかに分類し(セグメンテーション)、そのグループの中からどこを狙うのかを明確にします(ターゲティング)。その上で、ターゲットとするグループに対してどのようなメッセージを出していくのか(ポジショニング)を明確にすることで、競合との差別化を図っていきます。
ABMを実施するにあたり、このSTP分析は必須と言えるフレームワークです。

ABM(アカウントベースドマーケティング)の重要なステップ

上記でご紹介してきたABMのメリットに関心があり、ABMが自社に合っていると感じた方のために、以下では実践すべき重要な施策をいくつか挙げます。

ステップ1: 事業目標の合意

「まずセグメントの絞り込みから」「ターゲット条件の設定を最初に...」とよく言われますが、多くの場合「そもそもABMが本当に必要なのか」という観点があるかと思います。そのため、まずはABMを始めるとしても、「ABM戦略を事業目標と紐付ける」必要があります。つまり、ABM戦略においてまず実施すべきことは、新規顧客獲得数と既存顧客からの売上増加の目標を設定することです。そうすることで策定するABM戦略が全社的な目標に沿ったものとなり、いかに収益向上に向けて重要戦略であるかを全社的にも合意できるでしょう。

ステップ2: 顧客体験を核としてABM戦略を設計する

営業チームと連携してABM戦略を計画する際には、ABX(account-based experience, 企業に対しての一貫した顧客体験) を中心に考えます。ABXを継続できるように、営業とマーケティングによる単発の施策やメッセージングに一貫性のない活動ではなく、それぞれの顧客から得られる長期的なLTV(生涯価値)を重視する計画を作成します。

ステップ3: プロジェクトチームの立ち上げ

社内の様々な部門の関係者を含めたプロジェクトチームを作り、ABM戦略に対する賛同を得ます。上記のステップのとおり、ビジネスゴール、目的、戦略、KPIの達成に向けた営業とマーケティングの連携などが求められます。

ステップ4: 組織全体で賛同を得る

プロジェクトチーム内で賛同を得られれば、次は関係する部門に対して戦略を説明し、賛同を得ます。経営層からも賛同を得られるように、ビジネスゴールや収益への貢献、特にLTVへの貢献についての説明には準備をしましょう。

ステップ5: 営業と連携する

マーケティングと営業の部門間連携は、ABMの成功に不可欠です。両部門が協力できる環境を作るために、まずは営業チームに ABMの戦略を立てるメリットを説明しましょう。その際には、併せて優先アプローチ対象のリードの定義について合意し、その上でそれぞれの部門が責任を負って業務にあたれるようにするために、共通の目標や、顧客エンゲージメントの指標を設定します。

ステップ6: 価値の高い顧客を洗い出す

手に入る企業データすべてとビジネスインテリジェンスを活用して、顧客の優先順位をつけてください。ただし、見込まれる取引の大きさは要因の1つにすぎません。その他の戦略的要因、たとえば、市場での影響度、リピーターになる可能性、平均的な利益幅より大きくなる可能性なども判断基準となります。

ステップ7: マーケットの想定規模(TAM: Total Addressable Market)を定義する

自社の理想とする価値の高い顧客を決めたら、自社の商材やサービスのTAMがどのくらいあるのかを分析し、その上でさらに受注率を仮定して総収益を予測します。この時点であらためて当初の事業目標と収益予測が沿っているかを確認しましょう。もし事業目標に沿った収益が見込めないのであれば、価値の高い顧客と認識したターゲットの条件を見直す必要があります。逆に想定よりもオーバーしすぎている場合も価値の高い顧客を見直しましょう。

ステップ8: 顧客の組織構造を調べて、組織内で重要な役割を担っている人物を特定する

ターゲットの顧客が判明したら、顧客の組織構造を把握し、組織の中で重要な役割を担う人物(意思決定者やインフルエンサーなど)を特定する必要があります。このようなデータは社内ですでに持っているかもしれませんし、またはそうしたデータの提供を受けるサービスをすでに契約しているかもしれません。そうでなければ、営業チームに調査を行ってもらうか、または社外のベンダーからデータを購入することを検討してください。

ステップ9: コンテンツとパーソナライズメッセージを決める

このステップはしっかりと考える必要があります。効果的なABMとは、見込み客の社名を入れて、Webバナーをパーソナライズすることだと考える人もいます。確かに誰もが好む方法ですが、必ずしも効果的でありません。むしろ効果的なのは、対象顧客が直面する明確かつ重要な課題を解決するような、深くて価値のあるコンテンツを届けることです。貴社のコンテンツ、貴社の製品やサービスによって、対象顧客の業界の、顧客独自の課題にどう対応できるのかを考えてください。

ステップ10: 最適なチャネルを決定する

私たちはマルチチャネルの世界に生きており、チャネル間で連携を取りつつ、さまざまなチャネルでオーディエンスとつながりたいと考えるのは当然のことです(Web、Eメール、モバイル、紙媒体など)。しかし、チャネル戦略について少し考えてみてください。役割や業界によっては、もっと高い効果を発揮するチャネルがあります。(例: メールは医療業界では効果が小さい)。また、貴社の地域のオプトイン規制などが課される可能性といったことについても、貴社のチャネル戦略で検討するとよいでしょう。

ステップ11: ターゲットに合わせて調整したキャンペーンを実施する

コンテンツとメッセージの準備ができたら、対象顧客のインフルエンサーと意思決定者にそれを見てもらう必要があります。もちろんこれは手動でもできますが、テクノロジーを活用すれば、ABMキャンペーンをかつてないほど大規模に、そして効果的に調整・実施することができます。当社では、自社独自のマーケティングプラットフォームを使用し、ABM活動をサポートしています。たとえば、Webのパーソナライゼーションソリューション機能を使い、Webサイトにコンテンツを提供しています。これはもっぱら重要な顧客の関心を惹きつけるために行っていることですが、その一方で最重要の見込み客には別のコンテンツを提供しています。また、デジタル広告でも同様の戦略を採用しており、Google、LinkedIn、Facebookのバナー広告のパーソナライズ機能を活用し、Marketo EngageのAdBridgeを用いて対象顧客専用の広告を出しています。お使いのソリューションが何であれ、キャンペーンがチャネル間で連動するようにして、一貫した声とメッセージが伝わるようにしてください。また、営業チームと緊密に連携して、一貫したメッセージを用いて適切なタイミングにキャンペーンのフォローアップを行ってください。

ステップ12: 測定し、学び、最適化を行う

どのようなマーケティング活動にも当てはまることですが、ABMマーケティングキャンペーンが効果的なものになるよう、キャンペーンをテストし、測定し、最適化して、時間をかけて成果を改善し続けていくことが重要です。もちろん、個々のキャンペーンの成果(Eメール開封率、クリックスルーレート、ファーストタッチやマルチタッチのアトリビューションなど)を確認したいとも思うでしょう。しかし、ABMで重要なのは、1つのキャンペーンを実施することではなく、一連のキャンペーンを通じて時間をかけて価値の高い顧客にアプローチすることです。トレンドデータを確認し、現状を把握するようにしてください。対象顧客の組織内の既知の人物(ステップ2を思い出しましょう)は徐々に増えていますか?
Webサイト訪問、キャンペーンへの反応、ミーティング、販売機会、そしてもちろん取引や収益が対象顧客から得られていますか? これらは顧客のエンゲージメントを表す指標や証拠であり、ABMプログラムの健全性を評価するために把握しておく必要があります。

より詳細なABM実施のステップについては、以下のebookにてご紹介しております。

ABM(アカウントベースドマーケティング)を支えるテクノロジー

ここ数年、ABMが注目される背景としては、テクノロジーが急激に発達し、ABM戦略を実践する基盤が整いつつあること、実際にABMの成功例が出てきていることが挙げられます。
ABM自体は旧来の営業戦略の考え方に沿ったものではあるものの、これまでABMを実現することは困難でした。なぜなら、データに基づいて重点顧客を選出していくためには果てしなく労力がかかる。重点顧客が決まったとしても、担当者は飛び込み営業などによって人力で見つけ出さなければならない。そして、担当者が分かったとしても、BtoBビジネスにおいては1人で検討する訳ではないため、様々なステークホルダーを見つけ出して提案していかなければならない。また、現場は検討しているものの決裁者が本当に検討しているのかわからない。さらには、信頼関係を築くために、場合によっては何度も酒席での接待も使って相手の懐に入り込まなくてはいけない。といった事情があったからです。

こういった問題が、テクノロジーの活用により徐々に改善されつつあります。ここからは、ABMを実現するためのテクノロジーをいくつかご紹介します。

CRM/名刺管理

CRM(Customer Relationship Management)ツールは、顧客情報と、顧客へのアプローチ状況を一元管理することのできるデータベースをベースにしたツールです。多くのCRMツールでは、個人(リード)情報と企業(アカウント)情報を保有することができ、アカウントに紐づけてリードを管理することができるため、特定のアカウントの接点と活動状況を把握して、次に提供すべき情報や活動をまとめるのに役立ちます。
近年は名刺管理ツールと連携し、直接名刺交換をした方の部署や役職の情報を蓄積することも一般的になっています。企業を面でアプローチする際に、接点を強化すべき部署や役職者を把握し、さらには社内人脈を生かして、営業担当者がまだ接触できていない方に対してもマーケティングからのメッセージを届けることができるようになります。

企業DB

ABMを進める上で大きな役割を果たしているのが、企業DBです。自社の既存顧客リストなどを基に、業界や企業規模などのセグメントをベースにして、自社が優位性を持つセグメント情報を見つけるのに役立ちます。近年導入が進んでいるサービスの中には、APIを用いた連携によって、上記のCRMや後述のMAに情報を流し込むことが出来るツールもあり、見込み顧客の情報を獲得した段階で、CRM上で重点顧客かどうかを判別することができるようになります。

MA(マーケティングオートメーション)

上記2つのツールが静的なデータを蓄積するものであるのに対し、MA(マーケティングオートメーション)は顧客の動的な情報をかけあわせてABM施策を実施し、効果を測定することのできるサービスです。上記のCRMや名刺管理ツールと連携するのに加え、展示会等で獲得したリストをインポートしたり、ウェブサイト上のフォームからの見込み顧客獲得を実現したりすることで、顧客データを蓄積していくことができます。
これらの顧客の属性データに加え、MAを活用することで、メールの開封やウェブサイトの閲覧といった、見込み顧客の行動データを蓄積していくことができます。そしてこれにより、その企業の検討の進み具合や、具体的な検討を察知できるようになり、その情報を基に営業担当者がアプローチするといったことが可能になります。

MAによって、ターゲット企業に対して、自社の商材・サービスの価値を伝えるために良質なコンテンツでキャンペーンを実施し、その行動と属性情報でスコアリングして、ターゲット企業のなかで「今アプローチすべき個人」を特定し、そのリストを営業チームに供給できるようになり、ABMが実現できるようになったのです。

ABM(アカウントベースドマーケティング)で実は重要な組織

インサイドセールス

従来の外勤営業(フィールドセールス)に加え、最近ではインサイドセールス組織を立ち上げる企業が増えてきました。インサイドセールスとは、営業活動を分業化する際に、マーケティングチームと連携して案件創出を目的として活動するチームのことを指します。

ABM戦略では、ここまでお話してきた通り、適切なコンテンツを適切なタイミングに適切なチャネルでご提供する必要があります。インサイドセールスとはその名の通り、「電話・Eメール・DM」などを用いることで"訪問せずに"営業活動を行います。
具体的な提案活動やクロージングにかかる業務はフィールドセールスが担当しますが、これによって短い時間で数多くの見込み顧客と接触し、見込み顧客が求める情報を提供しながら、情報をヒアリングすることができます。

企業や特定のセグメントを面でアプローチするということは、それだけ接触する方の数が増えることを意味します。マーケティング施策と連携し、何かしらの行動があった方に対してきめ細かくフォローをしていくことは、顧客体験を高めることに繋がり、打ち合わせに至らなかった場合でも、電話越しで会話した顧客の情報が蓄積されていくため、その後のアプローチや施策の精度を高めることにも貢献します。つまりインサイドセールスにより、より効率的にABMの対象となる顧客の状況を把握することが可能になり、ABMが実現しやすくなるのです。

ABM(アカウントベースドマーケティング)の取組事例

株式会社村田製作所様

総合電子部品メーカーである村田製作所様では、コアな顧客に対する営業支援の取組におけるオンライン施策の一つとしてABMキャンペーンに取り組まれています。その取組の成果として、メール施策に36%という高いクリック率でお客様が反応してくださったそうです。

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VAIO株式会社の導入事例

BtoBビジネスに舵を切られたPCメーカーのVAIO様は、PC業界の将来を鑑みてシェアや価格での勝負には限界があると判断され、長期スパンで丁寧なコミュニケーションを継続し、弊社の"ものづくり"の姿勢に共感いただけるお客様、ファンを増やしていくABM戦略に取り組まれました。取り組みの成果として、「現在のリード数、醸成の進捗状態から、営業にわたって、実際には何件アポが取れて、お客様を訪問したのか。これまでブラックボックスだったプロセスが可視化されたことで、強化すべきチャネルや予算の配分がしやすくなりました。将来を予測し、戦略を立てやすくなったのは、マネジメントサイドから見て、大きなメリットと言えます」と語っています。

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ABM(アカウントベースドマーケティング)のまとめ

ABMをBtoBマーケティングに取り入れることは、営業とマーケティングの一体的な取組を実現し、非常に高いROIを得ることに繋がります。ただ、なによりも顧客視点で情報を発信していくことが重要になります。その過程で顧客との信頼関係を構築していくことがマーケターや営業にとってのやりがいとなるのではないでしょうか。
マーケターがABMの実施を検討したり、または現在のABMプログラムをさらに高度にしていきたいのであれば、営業部門とマーケティング部門だけでなく、組織全体にABM戦略を共有し、事業戦略と連動して構築していく必要があります。個々のABM 施策の成果は、ABM戦略の出来によって決まると言っても過言ではありません。最初の段階から、営業部門、経営層、その他の部門のメンバーと協力しながら、1つのレベニューチームとして取り組んでいくことでABMの可能性を高めていくことができるでしょう。

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