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クラウド会計ソフト利用者シェアNo.1の弥生が語る、ロイヤリティを高める既存顧客向けマーケティング

Marketo Engage(以下、Marketo)のユーザー様をゲストに招き、Marketo活用について存分に語っていただく「Marketo Studio(通称Mスタ)」。第3弾となる今回は、弥生株式会社からマーケティング本部 マーケティング部 顧客戦略チーム 山下 翔 氏にお越しいただきました。

山下氏は、会計ソフトをはじめとする業務ソフトウェアおよび関連サービスの開発・販売・サポートを行う同社において、利用者シェアNo.1の個人事業主向けクラウド会計ソフト「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの白色申告 オンライン」の既存顧客向けプロモーションをご担当されています。

"既存顧客の関係強化"に狙いを定め、ダイレクトに効くマーケティングを展開されている同社では、どのようにMarketoを活用し、またその成果を証明されているのでしょうか。

アドビからは弥生様の担当CSM 山内 智史と、モデレーターとして中島 郁が参加。本イベントはオンライン開催ということで、視聴者の皆様からの質問もリアルタイムで交えつつ、詳しくお話を伺いました。

目次

弥生が既存顧客のカスタマーサクセスにフォーカスした理由

「もともとマーケティングオートメーション(以下、MA)を導入したきっかけが"ユーザーに対して丁寧なコミュニケーションをしたい"という動機だったので、現在Marketoを活用しているのは"導入後〜利用定着〜アップセル"の領域です」(山下氏)

山下氏が担当されているクラウドサービスのマーケティングにおいては、ユーザーに対する丁寧なコミュニケーションが継続率を長期化し、LTVの最大化につながることは定説ではあるものの、最初から既存顧客だけにフォーカスしてMA活用を始めるのは、いささか勇気がいるものではないでしょうか。

この方針が社内で固まったのは、マーケティング・開発・顧客対応の3者が共通して「お客様に成功していただくために、能動的なアクションを起こしていきたい」という願いを持っていたからでした。そこで同社ではマーケティング・開発・顧客対応の3部門の上位体制として、カスタマーサクセスプロジェクトを発足。各チームから数名ずつ参加してもらい、現在は8〜10名体制で運用されているそうです。

また、実際の活動は、顧客シナリオや開発要求の策定をプロジェクト内で行い、それをもとに各チームで実装/実行していきます。なかでもMarketoの運用チームはマーケティング部門の配下に置かれ、プロモーション担当とクリエイティブチームを合わせると7〜8名の運用体制になると言います。

次に、マーケティングの前提となる「やよいの青色申告 オンライン」と「やよいの白色申告 オンライン」の関係、および弥生が目指すユーザーゴールについて見ていきましょう。

確定申告には、特別控除額が多く節税効果の高い「青色申告」と単式簿記で手間の少ない「白色申告」の2種類があります。「青色申告」に必要な書類を作成できるのが「やよいの青色申告 オンライン」です。有償のプランを初年度無償で提供しているため、製品をしっかり使いこなしていただき初回の契約更新をしていただくことがポイントとなります。そして「白色申告」に必要な書類を作成できる「やよいの白色申告 オンライン」は、すべての機能が使えるフリープランが永年無料。「やよいの白色申告 オンライン」ユーザーに、より節税効果の高い「やよいの青色申告 オンライン」へのアップグレードを促し、「弥生製品を使って業務をスムーズに遂行できる状態=継続的な契約状態」をユーザーゴールとして設定。最終的には、「ロイヤリティが高くきっかけがあれば他者にも推奨していただける状態」を目指すことにしました。

3つのMarketo Engage活用施策はシンプルかつピンポイントが決め手

ここからは実際にMarketoを活用した3つの施策をご紹介します。

■利用定着施策① ---- 導入支援メール

カスタマーサクセスプロジェクトにおいてワークショップを行い、ユーザーがどんなところでつまずき、どんな支援が必要なのかを洗い出し、その結果をまとめてシナリオを作成。それをもとに導入初期に行っていただきたいことをメールにまとめ、契約後の日数をトリガーに配信するステップメールを構築されています。Marketoでのシナリオの設計は非常にシンプルで、「デフォルトプログラム」という機能を活用し、条件の数だけプログラムを作成されているとのこと。

中島:シナリオの分岐は何個くらい準備されましたか?

山下:できるだけ典型的な状態を想定して、ほぼ1パターンに収めています。

中島:ワークショップは社内で開催されましたか?

山下:はい、社内で行いました。各部門の拠点が分かれている関係で、ワークショップは複数回、開催しましたが。既存顧客を想定しているので、"確定申告をするのが初めてで経理知識のない方"というペルソナを設定して行いました。

中島:シナリオの作成にはどれくらいの期間がかかりましたか?

山下:1ヶ月もかかっていないくらいです。

■利用定着施策② ---- 確定申告支援メール

確定申告の時期に、製品の使い方や確定申告の方法をまとめたコンテンツを作成。機能Aを未利用のユーザーに対しては機能Aの紹介を、すでに機能Aを利用しているユーザーには機能Bの紹介を...といった具合で、ユーザーがつまずくポイントを見定めて、そのお助けコンテンツを送るようにされています。

山下:メールの出し分けにおいては、データの連携が重要です。弊社では"製品DBの中から利用状況を抽出して、それを基幹システムの顧客DBと突き合わせ、ひとつの大きなCSVファイルを生成したものをMarketo EngageにAPIで送る"という方法をとっています。そうすることで、利用状況によってセグメントを切り分けたコンテンツを出し分けることができます。

中島:データ連携のところは本当に大変そうですね。連携は社内で対応されたのですか?

山下:そうです。社内のシステム部門のメンバーに協力してもらいました。最初はAPIによる連携を行っていなかったので、手動でMarketoにデータをインポートしていたのですが、今はすべてがつながって、自動化のありがたみを実感しています。実現するまではなかなか大変ですが、やり切ると達成感はありますね。

中島:最初からMarketoに基幹データを入れる想定でカラムを作成していましたか?

山下:はい。Marketoはメールアドレスがキーになっているので、顧客DBのデータ構造も、それに合わせて変換してから流すようにしています。

■青色申告切替施策 ---- 青色申告のメリットご案内メール・DM

確定申告書類の作成が完了した「やよいの白色申告 オンライン」ユーザーの情報をMarketoに連携し、青色申告のメリットをご案内するメールを配信。同時に紙のDMの発送指示を出し、DMが着荷したタイミングで架電を行います。

山下:メールだけでなくDMや電話という複数のチャネルを組み合わせるのがポイントです。とはいえDMや電話はコストがかかるので、どんなユーザーがコンバージョンしやすいのかを見積もって、「確度(高):メール・DM・電話」「確度(中):メール・DM」「確度(低):メール」というグラデーションをつけた設計にしてあります。

山内:確度の見極めは、どのようにされていますか?

山下:製品の利用状況やユーザーの事業内容などを掛け合わせて出しています。

山内:行動データと属性データを組み合わせていらっしゃるのですね。最初からメール・DM・電話の3つのチャネルを掛け合わせた施策だったのですか?

山下:他の製品でDMや電話を単発で活用するケースはあったので、それをヒントにして設計したのですが、この施策についても最初は3つのチャネルは連動していませんでした。試行錯誤の結果ですね。

Marketo Engage活用における効果測定の秘訣とは?

では、山下氏はこれらの施策の効果測定をどのように行っているのでしょうか。

まず大きなポイントは、施策対象からランダムに1割ピックアップして、あえて施策を実施しない「施策非実施層」を設けるところにあります。その上で、デフォルトプログラムには、「施策実施層」と「施策非実施層」の両方を入れて、同一のゴール定義を設定しておくことで、両者のゴール達成率を比較することができるのです。

Marketo活用施策のKPIは、「確定申告書類作成ユーザー数」と、「『やよいの青色申告 オンライン』へのアップグレード数」です。

約4年間をかけて施策を実行した結果、確定申告書類作成ユーザー数は2.7倍、「やよいの青色申告 オンライン」へのアップグレード数は2.3倍という目覚ましい成果が出ているのだとか。

「『施策実施層』と『施策非実施層』に分けることで、効果を正しく証明できる反面、もし効果が出なかったら、その事実をまざまざと見せつけられることになるので、ちょっと勇気が必要です(笑)」と話す山下氏。

視聴者からの「『施策非実施層』に対しては、あとから同じ施策を走らせるのですか?」という質問に対し、「Marketo活用はあくまでもマーケティング目的なので、あとから追いかけるようなことはしません。逆に、ユーザーに必ずお伝えすべき施策は、全員を対象に行っています」と答えました。

こうしたユーザーに寄り添った施策は、SNSで喜びの声が聞こえるほど、好評だと言います。

「既存顧客との関係強化を図り、その結果、他のお客様にも推奨いただいて、それがまた新しい顧客の獲得につがなるという好循環をMarketo Engageで生み出していきたい。まだマーケティングの一部でしかMarketo Engageを活用できていないので、今後は離脱防止や新規獲得に向けた施策を行なったり、他製品への展開もしていきたいと考えています」と、今後の展望を語る山下氏。

「最初にゴール設定を明確にできたことで、部門横断での取り組みが進んだし、上司とのコミュニケーションもうまくいったと思います。関係するメンバー全員が同じ意識を持てたからこそ、なんとか活動を続けて来られました」とプロジェクト全体を振り返って、ウェビナーを締め括りました。

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