今後のマーケティング、マーケターのあり方について、現場で活躍するマーケターに聞く連載企画「Tomorrow's Marketer」も 10回目を迎えました。今回は、「テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる」をビジョンに、日本初・日本最大級のクラウドソーシングサービス「ランサーズ」を提供する株式会社ランサーズから、2人のマーケターにご登場いただきました。マーケティング部マネジャー・大島 彰紘氏と、同部・坪井 聡氏です。

フリーランス(同社ではランサーという呼称を使用)という自分らしいワークスタイルを追求する人たちを応援する立場として、自身のマーケターという仕事のあり方をどう考えているのか。意見をうかがいました。

テクノロジーは万能ではない。できること&できないことをしっかりと理解する

まずは2人のキャリアを紐解くと、大島氏は広告制作やコンテンツマーケティングのプランナー・ディレクターとしてのキャリアを経て、2016年4月、同社に入社。

「広告制作の現場で、フリーランスの方々とご一緒するなか、テクノロジーの力を使って、日本全国のさらに多くのフリーランスの活躍、ビジネスの成功を目指している企業・個人の課題解決を支援できるような仕事がしたいと考えるようになりました」と、その動機を語ります。

坪井氏は、学生インターンから同社に関わり、入社3年半。カスタマーサポート、事業企画などの担当を経て、15年12月からWEBマーケティング担当者として、マーケティング部に移籍したといいます。

同社では、15年10月にMarketoを導入。さらに、16年11月から、シナリオを見直し、より顧客視点での全社横断的な情報設計の見直し、適切な情報提供により、案件化率アップ、マーケターの業務工数削減といった、定量的な成果を上げています。

こうした経験を経て、2人はマーケターとして、どのようなポイントに注力しているのでしょうか。

大島氏が一つ目に挙げたのが、テクノロジーへの関心、興味を持つことを大前提に、「テクノロジーでできること、できないことをしっかりと理解、把握すること」。

前職から、Webマーケティングの世界でキャリアを積んできた経験から、「テクノロジーは決して万能ではない。業務すべてが完璧にオートメーション化される時代は来ることはないと思います」と語る大島氏。

だからこそ、テクノロジーに何を任せるのか。どのツールとどのツールを組み合わせれば、目的が達成できるのか。その先の何をアナログで対応するべきなのか。

「テクノロジーの力で業務効率化が実現する分、空いた時間を顧客のニーズ理解にしっかりと振り向け、PDCAを回しながらベストプラクティスを導くことが肝要」だといいます。

それに関連し、坪井氏が二つ目のポイントとして挙げたのが、「ツールに溺れないこと」。「新たなツール、テクノロジーの進化にキャッチアップしていくことは必要だが、ツールドリブンで施策自体に溺れないことが大事です」と指摘。

マーケティングオートメーション(MA)ならではの"結果がすべて見える化される"という観点から、本来の目的として「ユーザーに対し、求められている価値が提供できているのか。視覚化された結果、その経験値を施策に生かしていくとともに、自身のマーケターとしてのレベルアップをはかるマインドを常に忘れないようにしています」と語ります。

結果がどうであろうと、視覚化された"根拠"にフォーカスし、考え抜く

続けて、三つ目に大島氏が挙げたのが「どのような結果が出ても、"折れない"強い心を持つこと」。

結果が視覚化されるということは、いい結果だけでなく、ダメな結果も白日の下にさらされてしまう。"失敗は成功の基"とはいっても、悪い結果からは、つい目を背けたくなるもの。

そんな時の大島氏の心を奮い立たせるモチベーションとなっているのが、人間への探求心だといいます。

「人は何を考え、行動に移すのか。人の心の動きに強い興味、関心があるんです。つまりマーケティング施策で結果が出なかった場合は、その仮説がちょっとズレていた。じゃあ、何をどう変えていけばいいのか、改めて"人"に向き合う。こうしたプロセスを楽しめるか。端的に言えば人が好きか。これもマーケターの大事な素養といえるのではないでしょうか」と大島氏は指摘します。

坪井氏も、「結果が良くても、根拠が"見える化"できなければ、再現性がないので意味がない。けれど、結果が悪くても、根拠がわかれば、次に生かせるのもデジタルマーケティングならではのメリットであり、マーケターという仕事の醍醐味でもあります」と指摘。

MAによって、可視化できる領域がグンと広がったことで、トライ&エラーを繰り返しながらも、途中であきらめなければ、目指す成果にたどり着けるはずだといいます。

マーケターとして、ユーザーの喜ぶ体験をいかに提供するか

その大前提として、「マーケティングもプロフィットセンターであるという意識を持つべき」と大島氏は言います。

企業によっては、「営業=売上、利益を生み出すプロフィットセンター、マーケティング=広告や施策にお金ばかり使うコストセンター」という位置づけをされてしまう場合もあるかもしれませんが、「マーケティング施策の結果は、ユーザーの本当のニーズ、ビジネスの課題にも繋がってくるはずです。マーケターはユーザーの代弁者であるべきで、マーケティング部は会社とユーザーをつなぐハブであるという意識を持つことが大事だと思います」(大島氏)。

「私たちが目指すのは、クリエイターの主観だけのモノや、ユーザーの意見にただ従うだけのコンテンツではなく、"ユーザーの喜ぶ体験"の提供にほかならない。マーケットドリブンの考え方に立ち、プロダクトやサービスにしっかりと意見を反映させる力をつけることもマーケターとしての課題。私自身もそこにしっかりとコミットし、よりお客様に満足いただけるマーケティングチームを作っていきたい」と語る大島氏。

まさに新しい働き方を提言し続けている企業ならではの、チャレンジ精神あふれる言葉で締めくくってくれました。

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