マーケティングの未来、あるべき姿について、現場で活躍するマーケターに聞く連載企画の第4回目。ご登場いただくのは、今、注目の「ワークフローシステム」のベンダーとして急成長中の株式会社エイトレッドの経営戦略室室長 平田 圭氏、マーケティング企画部部長 鈴木 大智氏です。

ワークフローシステムとは、企業にとっての課題である業務の効率化を支援するソフトウェアで、稟議、届出、承認といった業務電子化を推進するもの。同社は、カンタン&直観的な操作性が売りの「X-point」(エクスポイント)を始めとする3製品のラインナップで、シェア No.1を誇ります。

好業績に甘んじることなく、2人を中心に、2016年5月にスタートさせたMarketoによるマーケティング施策では、顧客購買プロセスの洗い出し、潜在ニーズ層にも訴えるコンテンツ配信、マーケティングとセールスの連携強化などを実施。月間リード数はMarketo導入前の6倍、月間商談化数は3.4倍を達成と高い成果を挙げています。

ブランディング強化に向け、マーケティング部門を新たに発足

実は意外にも、元々、マーケター志望ではなかったという2人ですが、いかに異分野から飛び込んだのでしょうか。

まず、マーケティングに携わる前のキャリアを紐解くと、エイトレッド分社化前のソフトクリエイト社(現ソフトクリエイトホールディングス)に入社後、平田氏は営業、鈴木氏はSEとしてのキャリアを積んできたといいます。

転機が訪れたのが、ワークフロー製品のニーズの高まり、市場拡大を受け、ワークフロー事業の会社としてエイトレッド分社化。戦略的にブランドを確立すべく、マーケティング部門の発足、その本格的な取り組みがスタートしたことでした。

当時、他社への転職、ビジネス・ブレークスルー大学院大学でMBA取得を経て、キャリアパスを改めて見つめ直していたという平田氏。そして、「社内研修で1年間、ビジネススクールのグロービスに通い、マーケティングや経営戦略などを学び、その面白さに目覚めた」と語る鈴木氏。

そして、「メーカーとしての立ち位置、ブランドを確立する重要な基点に関わりたい」という共通の思いから、転身を決断。こうして現在のポジションの白羽の矢が立ち、平田氏はアライアンス、新規事業企画、セールスとマーケティングを通じての戦略・施策立案を担当。鈴木氏は、実際のマーケティングのプラン立案・実施、ディレクション、プロダクト企画に携わっています。

部門のハードル超え、データとテクノロジーを活用していく

では、以前の営業、SEとしてのキャリアをベースに、日々のマーケティング活動にどう臨んでいるのでしょうか。

一番、大事にしている視点を聞くと、2人の口から飛び出したのは同じ。「顧客目線」という言葉でした。

「営業時代を振り返っても、"これを売りたい"という気持ちが前面に出ると、うまくいかない。マーケターとしても、顧客にとって気持ちのいいコミュニケーションのタイミングや、購買のフェーズによっても異なる、欲しい情報の提供なども含め、すべての行動を顧客基準で考えることが大事だと考えています」(平田氏)

鈴木氏も、「今回のマーケティング施策で、購買プロセスを洗い出した上で、コンテンツやアプローチ法を細かくセグメントしたのもそのためです。マーケターとしてというより、関わるメンバー全員が顧客目線を基点にKPIを共有し、ワンチームで施策に当たっていく必要性が一層の高まりを見せている」と語ります。

二つ目のポイントとして挙げるのが、部門を超えての連携、データとテクノロジーの活用強化です。

Marketo活用によるマーケティング施策についても、経営目線からのマーケティングとセールスのプロセス統合が課題となったのを基点に、セールス&マーケティングの橋渡し役として、平田氏が抜擢されたとか。

「元営業マンとして、両部門に立っての施策、全体最適を考えるとともに、新たな顧客視点、情報をインプットする上でも、営業経験が活きていると感じています」(平田氏)

鈴木氏も、ワークフローの開発、顧客先への導入に現場で携わってきた経験が、Marketoをいかに活用し、ブランディングの確立、効果的な販促施策を打つかを考える上で役に立っているといいます。

さらに、クラウド全盛の時代にあって、「当社のワークフローも然り、今やどの部署においても、デジタル感覚が求められるようになっている」(鈴木氏)と指摘。

効率的に収益の最大化、顧客満足度アップを実現させるためにも、マーケティングオートメーションなどを味方につけ、部門を超え、データとテクノロジーを効果的に活用していくことが肝要だといいます。

二つ目に関連し、三つ目のポイントが、マーケティング的感性を全社で共有すること。

「マーケティングはマーケターだけのものではなく、顧客視点のマーケティング感性を社内に浸透させることもマーケターの役割だと考えています」(平田氏)

その観点から、平田氏は、営業部の上層部を始め、マーケティング部以外のメンバーにも、Marketoのユーザー会への参加を働きかけているとか。

各メンバーがマーケターの視点を持つことで、セールスも顧客の購買プロセスに即したコミュニケーションスタイルが身に着く。エンジニアにとっても、カスタマージャーニーを意識したプロダクトの制作および改善につながるはずと指摘します。

企業価値向上のために、マーケターが果たす役割

同社は、昨年、東証マザーズに上場。市場、株主の期待に応え、永続的に企業価値を上げていくためには、IR担当だけに任せるのではなく、マーケティングとしても果たすべき役割があるという2人。

「ワークフローという分野で、新しい仕事のスタイルを提供するというビジョンが"絵に描いた餅"にならないよう、ワクワクするような期待感も含めた情報開示に取り組んでいきたい」と鈴木氏。

従来のマーケティングの枠にとらわれない考え方は「ワークスタイル変革」を掲げる同社ならでは。マーケターのさらなる活躍フィールドの広がりを感じさせるインタビューとなりました。

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