さまざまな立場のマーケターの方々にご登場いただいている「Tomorrow's Marketer」。第4回は、株式会社アガスタで、マーケティングだけでなく、営業、情報システムも統括されている営業企画課マネージャーの米倉 礼氏にお話を伺いました。米倉氏は、2016年度の「Japan Marketo User Groupのコミュニティアワード」受賞者でもあります。

アガスタは、海外への日本製中古車の販売を行っている企業です。品質が高く故障が少ない日本製中古車は海外、特に新興国で人気ですが、同社は1997年の創業以来、アフリカを中心に販売数を伸ばしています。その原動力の一つとなっているのが、2007年に開設した海外の個人ユーザー向け販売サイト「PicknBuy24.com」です。米倉氏はマーケティング、営業を兼ねながら、開設当初からこのサイトの構築、運営をエンジニアと二人三脚で担ってきました。

実を言うと米倉氏は外国語大学の出身で、英語力を期待されての入社。しかし入社半年で「PicknBuy24.com」の運営管理、そしてECサイトもですから、当然の流れでマーケティングも任されるようになりました。「プログラミングに関してはまったくの素人でしたが、HTMLとCSSは一から勉強して何とか自分で基本的なものは作れるようになりました」と振り返ります。

各部門が自由に仕事できる地位を獲得できるかがカギ

とはいえ、そんな状態では1人でサイトの運営管理まで行うのは不可能。そんな時に大きな力になってくれたのが、社内に常駐していた外部のエンジニアの方だそうです。米倉氏がHTMLとCSSで基本構造を作成し、そこにエンジニアの手によって、PHPで動的な実装やデータベースとの連携を行ってもらっていたのです。

「このエンジニアの方がすごい人で、JavaでもRubyでもCでも何でもできる。社内のWeb周りのことはすべて彼を含めてチーム3人でやってきたような感じです。新しいサービスを開発するときも、要件定義や仕様書などは作らず、隣に座ってそのまま実装してもらうような、ものすごいスピード感で仕事をしていました」と話す米倉氏。現在アジャイル開発の手法として注目を集めている「対面開発」をいち早く取り入れていたわけです。

その進取性はWebマーケティングに関しても同様で、ユーザーの関心のありそうな画像を組み込んだメールの送信はもちろん、その開封率までわかる仕組みなど、現在Marketoが提供している機能をスクラッチで開発していたのです。「いろいろ大変な思いはしましたが、その分、他のマーケターの人たちが勉強していなかった部分をいち早く身につけることができたとは思っています。マーケティング手法がこちらに追いついてきたような感じですね。Marketoを導入した時も、セッション管理やテンプレートエンジンといった概念もすぐに理解できました」(米倉氏)

そんな米倉氏にマーケターとしての心構えを聞いたところ、真っ先に返ってきた答えが「他部門との連携」です。「皆さんおっしゃっているとは思いますが、エンジニアの助けがなければこうした仕組みは実現できません。また営業に対しても、Webを活用してセールスしていく姿勢というか、出発点を理解してもらうことが重要だと思います。少し矛盾した表現かもしれませんが、各部門が自由に仕事できる地位を獲得できるかどうかが、MAで成功するためのカギではないでしょうか」と分析します。

来たる時代に向けて、自身の価値を上げる

その上で、基本的な姿勢として米倉氏が語ってくれたのが「何のために働くのか?」という視点です。「私はやはり、働いた分は対価がほしいと考えています。単純に『前任者がこうだったから』といった"習慣の奴隷"に陥ってしまうのは、そういう意識が欠落しているからではないでしょうか」。売上を立てて会社に利益をもたらし、その結果として自分の報酬も上げる――そういう根本的な意識が重要だと強調します。

そこで欠かせないのが、「まずはやってみること」と米倉氏は語ります。「当社は中小企業なので、価格競争力ではどうしても大手に競り負けてしまう面があります。でも、インバウンドで見積もりを出して、後は口を開けて待っている営業をやっているようなところには絶対に負けたくない。そのためにも、1人でも多くのお客様のニーズをいち早くすくい上げて、購買意欲を高めて成約に持っていく。そのサイクルも素早く回していかなければいけません。失敗を恐れず、まずはトライしてみるという姿勢は絶対に欠かせないのです」(米倉氏)

最後に今後の展望をうかがったところ、「自身の価値を上げること」と米倉氏は語りました。これからの時代、注目を集めるAIの発展によって、人間が行う業務もどんどんロボットが肩代わりしていくことになるでしょう。「営業にも言っているのですが、少しでも手を抜くと自身の価値はどんどん下がっていきます。ただでさえ、営業からマーケティングへの業務の移転が起きているわけですから。AIにも仕事の一部を奪われていることを意識するべきです」と米倉氏。

そんな米倉氏が現在取り組んでいるのが、顧客からの問い合わせチャット対応業務の海外へのBPO。さらにその対応内容をMarketoに取り込んで、エンゲージメントプログラムを走らせています。。習慣の奴隷に陥らず、常にチャレンジし続けることで自身の価値を向上させていく――米倉氏のお話を通じて改めてその大切さを再認識させてもらいました。

アガスタ様のMarketo活用ブログもございますので、ぜひご覧ください。

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