マーケティングオートメーション

お客様視点に立ち、寄り添うこと

先日、米国・ラスベガスで開催した「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」のレポートを数回にわたってお届けしました。そしてこの度、日本で初めて同サミットの開催が実現しました。7月6日、東京・六本木で開いたこのイベントには、当初の予定を大幅に上回る2200名の参加者にお集まりいただき、会場は熱気に包まれ、マーケティングオートメーション(MA)に対する注目が高まっているのを感じました。

「MARKETING NATION SUMMIT」は、Marketoが年に1回開催しているカンファレンスの名称です。「MARKETING NATION」とは、Marketoのパートナー、ユーザー、そして弊社社員を合わせた50,000名のコミュニティのことを指します。日本でも本イベント参加者の皆様とともにこのコミュニティを築いていきたいと思います。イベントに先駆けて発表したMarketo Certified Expertプログラムの強化も「MARKETING NATION」コミュニティの一環になります。

今回のサミットのテーマは「TOMORROW'S MARKETER」、すなわちこれから必要とされるマーケター像。カンファレンスのメインである基調講演(Keynote)に登壇したのは、弊社CEOのPhil Fernandezのほか、株式会社電通デジタルの石川浩氏、GEヘルスケア・ジャパン株式会社の伊藤久美氏ら業界を代表するマーケター陣。このカンファレンスの模様を、前後編の2回に分けてダイジェストでお届けしましょう。

マーケティングはコストセンターから売上にコミットする部門へ

「Marketoは今年で創業10周年です。10年前といえばiPhoneが発売された頃であり、Twitterが登場した時期でもあります。そうした、ITにおける大きな変革に当社は誕生したのです」というPhilの言葉で講演は幕を開けました。

この10年で、マーケティングは大きく様変わりしました。「従来、マーケティング部門はコストセンサーだと見なされてきました」とPhilは言います。コストセンター、つまり利益を生まない部門として扱われてきたのです。「これまでのマーケターは、"感情"に基づいて広告枠を購入するのが役目でした。これに対して今日のマーケターは、"データ"に基づいて事実を見極め、お客様を見つけて売上に貢献する立場となりました」。

Philは続けます。「これまでのマーケターは、分断化されたツールで顧客を必死に理解しようとしていましたが、いまや、データが統合されたプラットフォームの中で、あらゆるチャネルを使って、顧客とより深く関わることができるようになりました。これまでのマーケターは、営業の補佐役にすぎませんでした。現在のマーケターは、お客様を支援するエグゼクティブなのです」。これは世界的に見られる潮流で、マーケターという職業がこの10年で大きく進歩したと言えます。

「現在はマーケティングの転換期にあります。そして、これからの10年はますます変化していくでしょう。これから世界がどのように変わっていくか、私の考えを述べたいと思います。そのうえで、これからのマーケターとして何をやっていけばいいのか、お話ししたいと思います」とPhilは言い、TOMORROW'S MARKETERに必要なものとして、次の3つのポイントを挙げました。

1. 常にお客様の視点で考える

これからのマーケターには、常にお客様と同じ目線で考えることが必要。何カ月、何年と続くカスタマージャーニーをお客様とともに過ごし、分析すること

2. デジタル技術に強い

ビジネスソフトウェア、プラットフォーム、データを活用して、お客様を個人的に理解し、強固な関係を築いていくこと

3. 戦略家である

先進性を持ち、目に見えるインパクトを提供すること。単に売上に貢献するだけでなく、競争相手に勝つための武器となるような、ビジネスの中核的な存在になること

「これからのマーケターは、常にお客様視点であることが重要」とPhilは再度強調しました。デジタル技術の進歩により、マーケターの役割が大きく変わってきました。Marketoは製品というかたちで、マーケターの仕事をサポートしていきます。

パートナー企業・電通デジタルが発表した「Marketo×LINEビジネスコネクト」

Philは「これからは、これまでよりもっと速いペースでものごとが進んでいきます。私たちは、もっと大胆で野心的な考えで、マーケターが必要とするツールを作っていかなければいけません。そのためには、パートナー企業の存在が不可欠です」と話しました。現在、マルケトは日本国内で40社、全世界で約600社のパートナー企業と連携しており、Marketoの価値をさらに上げてもらうべく、協力いただいています。

本サミットでは、その中でも最も重要なパートナーの1社である株式会社電通デジタルの執行役員・石川 浩氏に登壇していただきました。石川氏が発表したのは、Marketoと「LINEビジネスコネクト」との連携を実現する新サービスです。LINEビジネスコネクトは、企業と顧客とのコミュニケーションを実現するLINEの機能。石川氏は、「MarketoのMAツールとLINEビジネスコネクトの連携により、企業が消費者に対して属性やチャネル、行動ベースのきめ細かいOne to Oneコミュニケーションをとれるようになる」と語りました。

Marketoが巻き起こしたGEヘルスケアのマーケティング革新

では、デジタルトランスフォーメーションとは実際にはどのような現象を指すのでしょうか? 2番手のゲストは、GEヘルスケア・ジャパン株式会社のチーフ・マーケティング・オフィサー (CMO)、伊藤 久美氏。デジタルトランスフォーメーションによってマーケティングががらりと変わった事例として、同社の取り組みについてお話しいただきました。

同社は、CTスキャナーやMRIといった画像診断機器の医療機関への納入を軸に事業を展開している企業。いま日本では、高齢化に伴う医療コストを抑えるため、リハビリ・回復期に対応する医療機関を増やそうという施策が進められています。GEヘルスケアでは、お客様(医療機関)の増大に備えて営業体制を抜本的に見直すに当たり、Marketoを導入しました。このプロジェクトをマーケティング責任者の伊藤氏と営業責任者との共同で展開したことで、マーケティングと営業の連携が進み、KPIの追求までを含めたプロセスを確立できたと言います。

マーケターがビジネスを牽引する時代の到来

いま、世界中の企業がデジタルトランスフォーメーションに頭を悩ませています。「これはマーケターの仕事に深くかかわりがあるものです」とPhilは言います。「デジタルの力でカスタマーエクスペリエンスを充実させ、顧客とより密接な関係を構築することが、TOMORROW'S MARKETERの役目なのです」。

実際にいま、複数のリサーチ会社やコンサルティング会社が、CEOとCIO、そしてCMOがますます緊密になることを指摘しています。「もはやマーケティングは、"C"が付く役職の者にとって共通の課題。これからはCEO、CMO、CIOが連携してお客様の視点を大切にし、お客様との対話を重ねていくことが必要です」というのがPhilの主張です。そして、「マーケターにはその動きを主導することが求められており、これはビジネスを牽引し、新たな世界へ突入する大きなチャンスである」と強調しました。

今回は、これからの時代にマーケターがどうあるべきかをお伝えしました。後編では、MarketoのソリューションとUSの最新事例、マーケティングの組織と人材についてお話をお届けします。

Keynote後編のブログはこちらからご覧ください。

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