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マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための 経営層向けチェックポイント【財務とマーケティング】

マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための 経営層向けチェックポイント【財務とマーケティング】

Adobe Summit 2020 #1

2020年の7月末、各国でアドビ主催のライブ配信イベント「Adobe Experience Makers Live」が開催される。「デジタルシフトに立ち向かう、すべての"マーケター"へ」というグローバル共通テーマのもと、日本においては、「今こそ必要なリーダーシップとは」と、「ニューノーマルにおける組織変革」を詳細テーマとし、大きく変化し続けるマーケット環境の中、マーケターに求められるリーダーシップ像、組織変革、顧客体験管理のあるべき姿について紹介する。

本イベントを迎えるにあたり是非紹介しておきたいのが、今春アドビが開催した「Adobe Summit 2020」だ。このイベントでは、2020年初から半年近くにわたってCOVID-19が及ぼしてきた様々な制約を、「今」乗り越えるだけでなく、すでに始まっている「ニューノーマル」にいかに適応するか、が議論された。

本記事では、ニューノーマル時代のマーケターに求められるリーダーシップ像をアドビがどのように描いているのかについて、Adobe Summit 2020のB2Bトラックの紹介をしながら伝えていきたい。Adobe Summit 2020およびAdobe Experience Makersの視聴において「Ah-huh! Moment (ああ、そういうことか! の瞬間)」が増えるきっかけとなれれば、幸いである。

Adobe Summit 2020の主旨を、うまくまとめてくれたゲスト登壇者がいる。SAP Concur米国グロースマーケティング総責任者であるナンディ・ノーク氏だ。

ナンディ・ノーク氏

「マーケティングにとって、ビジネスが必要とするスキルを持ち続けることが重要になってきている」 
「つまり、ビジネス感覚、戦略的責任、顧客と顧客体験に対する感度、などがマーケターに求められている。しかし、最も重要なことは、ビジネスが使用する共通言語を通じて、組織のステークホルダーにとっての戦略パートナーとなることだ」

とノーク氏は述べており、私はこの言葉が今回のB2Bセッションのすべてにつながると理解している。

「ビジネス」が必要とするスキルは、当然自社のビジネスによって変わるわけだが、それでも共通項はある。Adobe Summit 2020のB2Bセッションの顔ぶれを見れば、どれもが「成長マーケティング」「ROI」「営業連携」「顧客体験」「売上貢献」のいずれか、もしくは複数のテーマに落としこめることがお分かりいただけるはずだ。これらこそ、B2Bビジネスがマーケティングリーダーに求めるべき共通スキル領域と言えるだろう。

ビジネスの成長のためには、マーケティングが様々な組織のステークホルダーと戦略レベルで連携し、目標達成のためのパートナーになることが重要だ。本記事は、そこに焦点を当て、「各ステークホルダーとマーケティングリーダーがどのように連携すればもっと成果につながるか」について、よくある現状課題にも触れながら展開していく。
取り上げるステークホルダーは以下の4つだ。

ステークホルダー1~4

本記事では①について取り上げたい。

ステークホルダー① 財務とマーケティング

「企業のマーケティング報告書を見れば、数年後にそのマーケティング部門が存続しているかどうかが見えてくる」と言えば、さすがに言い過ぎかもしれないが、少なくとも1~2年後のマーケティング予算・人員配分の雲行きの想像くらいはつく。

財務との連携において考慮すべき点は他にもいくつかあると考えられるが、本記事ではAdobe Summit 2020でも頻繁に取り上げられている「マーケティング活動のROI」に焦点をあてる。

図1
(図1)

Adobe Summit 2020のセッション「Growing Your ROI with Strong Attribution(アトリビューション強化によるROI向上)」(英語字幕のみ)では、マーケティング貢献度評価の成熟度モデルを紹介している(図1)。

一番左のBasic ReportingやCampaign/Ad-Hoc Analysisでは、「MQL数」や「あるウェビナーの成果」などと、まだ施策毎や施策チャネルごとの単純な量的成果に評価ポイントが置かれているのに対して、中央のGeneral Analysisにおいては、売上や商談に対する貢献度に評価ポイントが置かれている。それ以降右上ではその応用が、予測や自動最適化ができている状態を示している。これらを「Describe Impact(影響の説明)」、「Define Impact(影響の定義)」、「Determine Impact(影響の決断)」と大きく3つに分けて説明がされている。

「影響の説明」と「影響の定義」の状態をそれぞれ下図レポートAとBとして、説明したい。

[レポートA] 予算を正当化しづらいマーケティング成果レポート

レポートA
リード獲得単価はわかるが、自社が定義する「成果」(この場合、売上金額)への貢献がわからず、予算・人員が削減対象とされてしまいがち
(Adobe Summit 2020のセッション「Growing Your ROI with Strong Attribution(アトリビューション強化によるROI向上)」より抜粋)

[レポートB] 予算を正当化しやすいマーケティング成果レポート

レポートB
自社が定義する「成果」(この場合、売上金額)へのマーケティング貢献度とROIが可視化されているため、ビジネス目標達成の戦略パートナーとして、財務や経営層と最適化についての意思決定ができる
(Adobe Summit 2020のセッション「Growing Your ROI with Strong Attribution(アトリビューション強化によるROI向上)」より抜粋)

経営層や財務の知りたいことが、「マーケティング投資がどれだけ商談・受注数や金額に貢献できたか」であれば、レポートAのようにリード獲得単価を報告したところで「So what?」となってしまう。ノーク氏が強調する「ビジネスが使用する共通言語」を使おうとすれば、本例においては、レポートBのようになる。つまり、「マーケティングに投資した人と費用でどれだけ商談と受注の創出に貢献できたか」である。このレポートがあれば、図1の「Determine Impact(影響の決断)」の「Optimization(最適化)」にもつなげやすいはずだ。

上記のレポートBにある項目が、すべてのビジネスにおいて過不足なく当てはまるわけではない。今回の場合、縦軸に表示された「Sub-Channel」はデジタルチャネルに閉じているが、例えばインサイドセールスなどの人間系チャネルを加えることが有効なプロセスもある。

また、マーケティングと営業が協業するプロセスにおいては、評価対象のチャネルの1つに「対面営業」を加え、他チャネルと比較することで「マーケティング・営業生産性の向上および最適化」を図る取り組みも実際に行われている(営業部署名や、担当者個人名をサブチャネルとしているケースもある)。

横軸の「成果」についても、ビジネスによっては、商談・受注数や金額以外のものが成果となる場合もある。一例として、展示会ビジネスであれば、来場者数が成果の一つになるかもしれない。

共通して言えることは、ビジネスが定める目標に直結するマーケティング目標の達成状況を示し、かつ、投資対効果の説明責任を果たせている組織の多くは、マーケティングをコストセンターではなく、自社の戦略パートナーかつプロフィットセンターとして位置付けている、ということだ。現に、そういった組織では、マーケティングリーダーが営業本部長や経営層が参加する会議に戦略パートナーとして参加している。

しかしながら、財務とマーケティングが連携できている企業は世界的に見てもまだ多数派ではない。
実際に、2017年に行われた米国での調査結果(図2)によると「財務とマーケティングが戦略的パートナーとして成立している」と回答したのは、調査対象企業約200社(うち10億ドル以上の売上高の企業が3割、2億以上の売上高の企業が5割を占める)のうち、たった14%であった。
さらに28%が「財務とマーケティングに関与はない、もしくは必要に迫られた場合のみ関与している」と回答している。

図2
(図2)

この調査結果から得られる朗報は、「マーケティングと財務のアライメント」と、「企業の成長率」の相関性だ。
財務とマーケティングの連携がしっかりできている、つまり、マーケティング投資の追跡、計測、予算計画、効果検証の実行プロセスとアプローチについて、財務とマーケティングの間で合意がとれ、連携ができている企業のほぼ6割が、25%以上の売上アップを見込んでおり、「売上に変化はない、もしくは、マイナス成長」と回答した企業はたった2割であった(図3)。

図3
(図3)

Adobe Summit 2020でも訴えられているとおり、マーケティング部門がファイナンス思考を持ち、ROIにコミットすることは、組織全体が成功するための基盤である。

そして、現代のマーケティングと財務・経営をつなぐツールは、「データ」であると私は考える。ROI算出ロジックは、販売プロセスの接触種別や期間によって異なるため、最適なアトリビューションモデルを見極める必要こそあるものの、マーケティング投資対効果(ROMI)の測定方法・評価方法についての認識を揃え、その結果を読み解き、業務改善に活用することは、マーケティングリーダーに求められる責任の範囲であろう。

ライター紹介

モナール園子
2BC株式会社
シニアクライアントサクセスマネージャー、グローバルマーケティングリサーチャー
モナール園子

英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの政治国際関係学部を経て、ビジネスマネジメント学部にて国際ビジネス、マーケティングを履修。商社にて海外拠点管理・営業経験を積み、英国、スイス、フランスにも駐在。駐在中24歳で海外発日本案件(ローカライズ・マッチング)を支援する企業を立ち上げる。日本市場で売上が伸び悩むクライアントをより体系的かつ、経営レベルで変革・支援したいという思いから、2017年に2BC株式会社に参画。以降、ICT企業のクライアントが「売上成果」を出すための組織全体の営業戦略の策定と遂行支援、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスなどの新組織立上げ支援、戦略・プロセスデザインなど、数々のプロジェクトに携わる。

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