マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための経営層向けチェックポイント【トップマネジメントとマーケティング】|マーケティングオートメーション(MA)ツール・サービス・システムのMarketo Engage

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マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための経営層向けチェックポイント【トップマネジメントとマーケティング】

マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための経営層向けチェックポイント【トップマネジメントとマーケティング】

第1回第2回では、マーケティングをどのように財務や営業と連携させればビジネスの成長を促進させられるかについて、ヒントや例を紹介した。

今回は、その戦略的な立ち回りが注目されている「マーケティングオペレーション」とトップマネジメントの連携を取り上げる。この両者間の連携により組織目標の達成に近づけることをテーマにした、Adobe Summit 2020のセッション「Best Practices in Marketing Operations to Earn a Seat at the Revenue Table (経営陣と売上に貢献するためのマーケティングオペレーションのプラクティス)」を以下に解説していく。

ステークホルダー③ トップマネジメントとマーケティング

マーケティングオペレーションの定義

そもそも、マーケティングオペレーション(MOPs)とは何か?
マーケティングオペレーションは、Go-to-Market戦略を立案・実行するマーケティングのバックボーンとして、「人」「プロセス」「テクノロジー」「データ」の観点で最適化を図り、マーケティング効率と効果の向上をミッションとする組織や機能を指す。
その役割は下図のとおり、「テクノロジーとデータアナリティクス」、「プロセス設計と最適化」、「プロジェクトマネジメントとトレーニング」、「チェンジマネジメント」までと幅が広い。

出典: Adobe Bizibleに基づき作成(クリックで拡大)

マーケティングオペレーションの戦略的組織連携

近年「マーケティングオペレーション」には組織戦略との連携が期待され始めており、2019年に開催された米国の主要イベントでは、マーケティングオペレーション成熟曲線が発表されたほどである。

組織のビジネスパートナーとして、戦略的、積極的、先導的かつ顧客中心的なマインドを持ち、「人」「プロセス」「テクノロジー」「データ」を組織目標に合わせて最適化する役割を果たすというのが、最新のベストプラクティスとなっている。

では、具体的にはどのような連携が期待されているのだろうか?

トップマネジメントの優先課題の把握と連携

セッションスピーカー、Trimble社グローバルレベニューマーケティングオペレーションズのディレクター、トリシア・サンダース氏は、

「マーケティングは、トップマネジメントが抱える課題に取り組み貢献できているだろうか?いや、できていない。マーケティングは経営課題にアライン(連携)することで、組織成長にもっと貢献できる」

というキーメッセージを冒頭で打ち出した。

これまで「戦術中心のボタン押し役」だったマーケティングオペレーションが、「戦略的なビジネスパートナー」に変わりつつある、もしくは変わろうとしている実態をよく表すメッセージである。

以下は、サンダース氏がまとめた2019~2020年のCEO、CFOの最優先課題である(COVID-19以前の調査結果であることをご了承いただきたい)。

    CEOの最優先課題(PwC, 2019)
  • オペレーション効率の向上による成長促進
  • 従業員のスキルアッププログラム
  • サイバー攻撃から成長を守ること
  • プライバシーおよびデータ保護
    CFOの最優先課題(Forbes, 2020)
  • 優秀な人材の発掘と維持
  • 不景気の影響を受けづらい成長戦術
  • キャッシュフローの改善
  • 対前年比成長に貢献するシステム/インフラ
  • ワークロード削減につながるテクノロジー
  • 基準、コンプライアンス、規制対応
  • 政治的不安定さや経済戦争
  • サイバーリスク/データガバナンス周りの監査の厳格化

一方で、2020年8月現時点、日本のB2B企業の経営優先課題にはどのようなものがあるだろうか。
例えばICT業界の中期経営計画には次のような大方針が掲げられているのを目にする。

  • デジタルトランスフォーメーション
  • 顧客体験
  • アカウンタビリティ(投資対効果の見える化)
  • モノ売りからコト売りへのシフト
  • グローバル成長戦略
  • グループ全体最適による生産性向上 など

マーケティングオペレーションが組織成長に提供する主要価値
データインサイト、組織間連携、拡張性、アカウンタビリティ

「上記を含む多くの経営課題において、マーケティングオペレーションが貢献できる」と言える根拠は、彼らが主に提供する価値「データインサイト」「組織間連携」「拡張性」「アカウンタビリティ」にある。
これらのユースケースをサンダース氏が勤めるTrimble社での取り組みを織り交ぜながら紹介したい。

① データインサイトと組織間連携

例えば、組織が顧客体験を変革するためには、人員、プロセス、測定基準、指標を、顧客体験と自社の業績に連動させる必要があるが、他社事例や一般化されたフレームワークを鵜呑みにして自社にそのまま取り入れることは危険だ。ここで組織が活用すべきなのが、マーケティングオペレーションが蓄積する顧客インサイトやVoC (Voice of Customer = 顧客の声)である。これらによって組織は、既存の人員、プロセス、測定基準、指標を"自社は"どう変革すべきかについての貴重なヒントを得ることができる。

次に、オムニチャネル顧客体験などの新プロセスや、パーソナライズなどを実行するためにテクノロジーの選定や導入をする必要があれば、マーケティングオペレーションがIT、マーケティング、営業、カスタマーサクセス/サポートなどと連携をとり、プロジェクトマネージャーとしての役回りを果たす。

このようにマーケティングオペレーションは組織間の連携を強みとし、「定義したあるべき体験をEnd-to-Endで顧客に届けるためには、各関係部門がどのようにコラボレーションすべきか」を社内に問いかける。そして組織を顧客第一主義思考にシフトさせる、といったようなチェンジマネジメントを担うマーケティングオペレーションも、海外では見られるようになった。

② 成長戦略を効率的に支える拡張性

Trimble社では、自社CFOの優先事項「優秀な人材の発掘と維持」および「ワークロード削減につながるテクノロジー」に取り組むために「優秀な人材を惹きつけるトップレベルのマーケティングオペレーションを、グローバル規模の全事業部が使用できる仕組みを導入する」ことを行った。

コンテンツを例として挙げてみよう。マーケティングオペレーションが、繰り返し可能、拡張可能、そして予測可能なコンテンツを整備し、一元管理できれば、様々な製品や市場向けにコンテンツを展開できるようになる。
すなわち、生産性、スピード、さらには顧客に対する一貫性を保ちながら、事業拡大や市場拡大などの組織の成長に合わせたスケールアップが可能になる。

結果として、優秀な人材が「手を動かす仕事」よりも「考える仕事」に多くの時間を使えるようになり、そこにやりがいを見出してくれているので、組織としては優秀なマーケティングオペレーションチームを維持できている、というのがTrimble社の成功事例である。

③ アカウンタビリティ

マーケティングオペレーションは、経営、財務、営業などと連携し、マーケティングアカウンタビリティを確立させる。
その内容は当然ビジネスによって異なるが、代表例としては、マーケティング投資対効果、顧客企業別売上、マーケティング予実管理などのファイナンシャル指標、そして、顧客満足度、ブランド認知度、マーケットシェア、Webサイト流入数、新規顧客企業数などの非ファイナンシャル指標の追跡と可視化などが含まれる。これら情報が可視化されることにより、マーケティングは、追加リソース、信頼度、部門間サポート、組織における影響度、スピード感ある意思決定(経営による承認)、などの恩恵を受けることができ、結果として組織全体の成長につながりやすくなる、という好循環がもたらされる。

CEOの「オペレーション効率の向上による成長促進」および、CFOの「キャッシュフローの改善」という優先課題に対しては、例として「事業部横断でリードステージを標準化し、組織全体で商談パイプライン状況を可視化できるようにし、リードのライフサイクルを管理する」などが策として考えられる(サンダース氏が紹介するユースケース)。
このように、組織は可視化によって質の高い意思決定ができるようになる。

組織内スキルセット定義・棚卸・役割分担

日本の実情を踏まえれば、マーケティングとマーケティングオペレーションが明確に分離されているケースは稀だろう。マーテック周りを強みとするスペシャリストが組織内にいるかもしれないが、これらマーケティングオペレーションの役割を担うのはマーケティング、というケースが多い。機能に歯抜けがある可能性はさておき、図示すれば以下の紫色枠内のような責任範囲を「マーケティング」として担っている、と整理できるだろう。

(図2)
(図2) ガートナーに基づき作成

先進的と言われている米国においても、戦略的マーケティングオペレーションを立ち上げることは困難とされている。

    ただ、ここで重要なのは、どのような名称の組織が何を担っているかではなく、
  • 部門同士がうまく連携し、より生産性高く成長を可能にするスキルセットやアセットを組織が定義し、保有し、活用できているか
  • 経営層が各チームの責任範囲を示し、必要な権限を与えているか

であると私は考える。

本記事で紹介したものの中で、自社にとって必要であるにもかかわらずまだ備わっていない、活用できていない、もしくは役割分担が不明確な要素があれば、早速取り組みへのきっかけにし、経営方針の実現に活かしていただければと思う。

次の最終回では、今アドビが最も注力しているテーマ「顧客体験」を取り上げ、自社と顧客の成功を紐づけるための考え方を紹介したい。

ライター紹介

モナール園子
2BC株式会社
シニアクライアントサクセスマネージャー、グローバルマーケティングリサーチャー
モナール園子

英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの政治国際関係学部を経て、ビジネスマネジメント学部にて国際ビジネス、マーケティングを履修。商社にて海外拠点管理・営業経験を積み、英国、スイス、フランスにも駐在。駐在中24歳で海外発日本案件(ローカライズ・マッチング)を支援する企業を立ち上げる。日本市場で売上が伸び悩むクライアントを体系的かつ、経営レベルで変革・支援したいという思いから、2017年に2BC株式会社に参画。以降、ICT企業のクライアントが「売上成果」を出すための組織全体の営業戦略の策定と遂行支援、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスなどの新組織立上げ支援、戦略とプロセスデザインなど、数々のプロジェクトに携わる。

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