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マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための経営層向けチェックポイント【営業とマーケティング】

マーケティングを最大限ビジネス成長に活かすための経営層向けチェックポイント【営業とマーケティング】

Adobe Summit 2020 #2

Adobe Summit 2020を紹介する本連載 ― 前回の記事では、マーケティングリーダーがビジネスの成長戦略パートナーとして、いかに財務と連携すべきかについてお伝えした。
今回はマーケティングリーダーが営業と連携する際のヒントを紹介したい。

ステークホルダー② 営業とマーケティング

自社における「マーケティング」は、どのような位置づけだろうか?
Adobe Summit 2020においては、マーケティングの「クオータ・マインド(=目標値達成のために仕事をするマインドセット)」の重要性が強調された。
マーケティングと営業の位置づけや役割は場合によって変わるものの、B2Bビジネスにおけるマーケティングの役割は、営業のそれと同様、ビジネス目標の達成に貢献することに他ならない。

営業部門とマーケティングが一丸となって営業戦略を策定・遂行し、売上に貢献していくことの必要性が高まっていることは、米国における「CRO」「Revenue Manager」「RevOps(=Revenue Operations)」などのキーワードが体現する通りだ。

本記事では、このような連携プレイが妨げられてしまう原因、つまり、営業戦略との「ずれ」として起きがちで、まだ多くの企業が対処しきれていないマーケティングの改善点を取り上げたい。

3つの「勿体ない」

B2Bマーケティングにおいて、マーケティングと営業の連携は長年にわたって万国共通の課題であった。そして、この連携が組織の成果にインパクトをもたらすと信じられているからこそ、今後も数々のイベントで取り上げられると想像する。

「連携」をテーマにする多くの記事やセッションは、システム構想、スコアリング手法、アカウントプラン連携後の手法論になりがちだが、そもそものところ、マーケティングの活動内容やその結果が営業に受け入れてもらい難いことの原因は何だろうか?

それは「マーケティングが営業戦略や営業のつくったアカウントプランと連携できていないことにある」と私は考える。

マーケティングが営業のアカウントプラント連携していないことで起きがちな「勿体ない」を3つ以下に挙げたい。

これらはどう勿体ないのか、そして、どう解決できるだろうか?

1. 営業戦略に書かれていないことを成果として活動してしまう

単純な例を挙げよう。ある組織の営業部のアカウントプランによると、今期の戦略は

「重点ターゲットA、B、Cの3社に」
「10の注力テーマでアプローチ」
「パイプライン(xxx億円)を積み上げ、売上目標(xxx億円)を達成する」

となっているとしよう。
それにもかかわらず、マーケティングがそのアカウントプランを見ずに、自身の活動を計画し、独自に指標を置いたとする。そうなれば、

「AからZまでのすべてのアカウントに見境なく」
「テーマではなくプロダクト起点の活動を」
「目標数字は設定せずに」

活動してしまうかもしれない。非常にもったいないことだ。

短絡的に聞こえるかもしれないが、これに対する処方箋は「営業からアカウントプランの共有を受ける、その場がないならば設ける」こと、そして「そのプランに書かれたビジネス目標達成におけるマーケティングの役割を営業と合意する」ことに尽きる。

2. 伝統的なマーケティング手法に縛られ「ビジネス成果への貢献」に必要なマインドセットにシフトできない

"伝統的なマーケティング手法" と呼んでいるものにはいくつかあるが、私がクライアントと仕事をしたり、海外のイベントに参加したりする中で、特に課題だと感じてきたことを2点紹介したい。

2-1. リード(個人) VS アカウント(企業)

1点目は、マーケティングが顧客を「個人単位」で見がちという点だ。
実行している施策の方向性や内容自体はビジネス目標に合っていたとしても、システム上の見え方や、マインドが個人単位になっていることで、ビジネス目標によってはその達成を妨げている可能性は多分にある。

何を意味しているのか、説明しよう。

(図1)
(図1)

ここでは架空のストーリーとして、ERPパッケージベンダーを想定し、営業の戦略テーマは「デジタルトランスフォーメーション」であるとする。

上図1で起きていることを簡単に説明する。

● ABC社
情報システム部門の課長であるabcさんは、最近自社ウェブサイトで、「DX推進のチェックポイント」という資料をダウンロードした。

● BCD社
総務部一般社員のbcdさんが同じ資料をダウンロードした。
同社の情報システム部門の課長efgさんと、財務部門課長であるhijさんはあるマーケティングメールをクリックしており、Webサイト上では、導入事例や、価格シミュレーションを閲覧している

例えば「デジタルトランスフォーメーション」は部門横断で組織されるタスクチームで推進されることが多い。そのことを知っている営業であれば、きっかけを察知したといえるBCD社に次のアクションを起こすだろう。

一方で、「個人」に重きを置いているマーケティングは、
① 情報システム部門の課長という、一定基準を満たした「リード」から、かつ、
② 注目のアクションである「特定資料のダウンロード」があった、
ABC社を「購入しそう」な見込顧客として営業に引き渡し、反対に①かつ②の条件が揃わないBCD社は放置、としてしまう可能性が高く、パイプラインの加速化が妨げられるという結果につながり得る。

アカウントベースドの戦略下においては、個人の属性情報や行動データとアカウント関連情報を、リアルタイムかつアカウント軸で束ねた状態で可視化できることの価値は高い(図2「ABMメインダッシュボード」を参考)。

(図2)
(図2)参考: Marketoが提供するABMのメインダッシュボード

図1の例は、顧客のデジタル行動や、部門名や役職などに着目した限定的なものであったが、現実的にはデジタル行動に加えて、インテントデータ、アカウント属性、職種・役職、導入済み競合ツール、過去・現在の商談や受注状況などの情報の集約・利用が考えられる。

いずれにしても重要なのは、「どのような条件が揃っていれば、営業がアクションしたいか」について、営業とマーケティングがしっかり協議をし、合意することである。

営業戦略に合致した見込客を創出するための手法に関しては、Adobe Summit 2020の「Build a Model to Develop Ideal Sale-qualified Leads(理想的なSQLを創出するためのモデル開発)」(英語字幕のみ)と、「Alignment Refinement: A Crash Course in Marketing and Sales Integration(連携の改善:マーケティングと営業のインテグレーション)」(英語字幕のみ)に、その詳細が説明されているので是非ご参考いただきたい。

2-2. プロダクト VS アカウント

2点目としては、マーケティングがプロダクトベースで活動しがちという点が挙げられる。営業活動はアカウントベースで、マーケティング活動はプロダクトベースで行われることが多い。プロダクトやサービスをそのままの形で提供すればよい場合は問題ないが、顧客や業種ごとに見せ方、提案のパーソナライズが必要な場合、プロダクトベースのマーケティング活動の成果は限定的なものになる。1点目で取り上げた「活動対象を個人ではなく企業軸にする」ことだけでなく、「施策内容を企業軸で行なう」こともマーケティングには求められる。

(図3)
(図3)

その場合、ある自社製品の機能が解決できる課題別のシナリオではなく、対象企業の持っている課題別にシナリオを開発することで、プロダクトベースから、営業が用いるアカウントベースに移行することができる (図4)。

(図4)
(図4)

3. マーケティングが収集した情報が営業戦略に活かされない

マーケティング活動がアカウントプランと分断されていることで起き得る3つ目の「勿体ない」は、マーケティングが収集したデータを営業戦略策定の有効な情報源として活用できないことである。

「1.営業戦略に書かれていないことを成果として活動してしまう」は、マーケティングが営業戦略を把握していないことによって起きるのに対し、本項目はその逆を言っている。

営業がアカウントプランを策定する際に使用する情報は、営業実績をはじめ、自分たちが日々の営業活動の中で直接顧客から聴収した情報、顧客の中期経営計画、独自に実施したリサーチ結果、その他公開情報など、多岐にわたる。しかし、使用可能な情報源はこれらに限らない。

マーケティング~営業~カスタマーサクセス、という一連のプロセスのあらゆる接点において、顧客とのトランザクションデータが発生する。CRMやSFAや受注管理システムなど営業の使用頻度が高い蓄積されたデータだけでなく、MAやウェブアクセス解析ツール、カスタマーサポートデータベース、プロダクト/サービス利用状況管理ツールなど、組織内のあらゆるシステムに蓄積されたデータを使用することで、顧客と顧客の興味関心、そして市場動向へのインサイトをさらに深耕することが可能になる。

次回以降も引き続き、マーケティングとトップマネジメント、そして、マーケティングと顧客が、どう連携することでビジネスに成長をもたらせるか、について展開していきたい。

ライター紹介

モナール園子
2BC株式会社
シニアクライアントサクセスマネージャー、グローバルマーケティングリサーチャー
モナール園子

英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの政治国際関係学部を経て、ビジネスマネジメント学部にて国際ビジネス、マーケティングを履修。商社にて海外拠点管理・営業経験を積み、英国、スイス、フランスにも駐在。駐在中24歳で海外発日本案件(ローカライズ・マッチング)を支援する企業を立ち上げる。日本市場で売上が伸び悩むクライアントを体系的かつ、経営レベルで変革・支援したいという思いから、2017年に2BC株式会社に参画。以降、ICT企業のクライアントが「売上成果」を出すための組織全体の営業戦略の策定と遂行支援、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスなどの新組織立上げ支援、戦略とプロセスデザインなど、数々のプロジェクトに携わる。

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