Marketing Nation Summit 2018」の前夜祭として、弊社オフィスにMarketoの女性ユーザー様が集い、MarketoのCMO(Chief Marketing Officer)であるサラ・ケネディを囲んだ女性ユーザー会「FEMIKETO(フェミケト)」が開かれました。

20人規模の小さな広告代理店からキャリアをスタートしたサラは、大学院でMBAを取得したのち、旅行業界の予約システムを提供するSaber社において、女性初の管理職に就任。その後、2017年10月30日に弊社のCMOに就任しています。

本稿では、ダイバーシティと女性のキャリア形成をテーマに、和やかな質疑応答が繰り広げられた、イベント当日の模様をお届けします。モデレーターはKaizen Platformの鶴岡 真紘氏です。

コミュニティとともに成長するMarketo

Q.日本ではカスタマーサクセスがホットトピックになっていますが、マルケトではカスタマーサクセスについて、どのように考えていますか?

カスタマーサクセスはバズワードになっていますが、この言葉の持つ本質は、"成果を出すために適切な投資をすること"だと考えています。

カスタマーサクセスにおいては、ときに目的と成果がマッチしないことがありますよね?詳細についてはCCO(Chief Customer Officer)のマット・ジリを中心に取り組んでいますが、私たちはお客様のために投資することを最優先に考えています。

その一環として、ユーザーコミュニティMarketo Championの選出があり、お客様のために何ができるかをお客様から学び、その学びをお客様に知見として還元しています。また来年以降、お客様の会社がどのように成長していくかを見据え、お客様が新しいことやクリエイティブなことにチャレンジできる環境を整えるために、私たちはリソースの投入も行っています。

Q.プロダクトリニューアルに向けたカスタマーリレーションシップにおいて、気をつけていることはありますか?

特にお客様に推奨していることは、今日ここにお集まりの皆様のように、マーケター同士でコミュニティを作って、集まっていただくことです。

「どんなユニークな経験をしたのか」「困難に立ち向かうために、どんな助け合いがあったのか」といった皆様の努力をすべて共有していただきたいと思っています。

これによって、ユーザーの皆様はMarketoの効率的・効果的な使い方がわかるようになりますし、私たちは皆様の声をプロダクトに反映することで、さらにMarketoの機能を充実させることができます。互いに高め合いながら有機的成長を実現したいと考えています。

コミュニケーションで大切にしていること

Q.CFOとCEOとの連携は、どう図っていますか?

私が最も大切だと考えているのは、「できるだけ緊密に連絡を取り合うこと」「透明性を保つこと」「誠実であること」の3つです。

逆に、彼らが最も嫌うのは、驚くことです。特に、財務関係の話で驚かせてはいけません。サプライズは不要なのです。

そのために、私だけでなくチーム全体で、彼らと緊密に連絡を取り合っていますし、私が彼らと健全な関係性を築けているかということが、会社の経営に直結することであると、常日頃から肝に銘じています。

Q.CxOの皆様はいつもお忙しいかと思いますが、緊密に連絡を取り合う方法は、対面ですか?それともSlackのようなコミュニケーションツールですか?

できるだけFace to Faceのコミュニケーションが好ましいと考えていますので、特にCFO(Chief Finance Officer)とは毎日顔を合わせてコミュニケーションを取っています。彼はきちんとスケジュール通りに動く方なので、私があまり頻繁に訪ねると嫌がられてしまうのですが...(笑)。

それでもコミュニケーションは怠ってはいけないと考えています。

もちろん顔を合わせられないときには、メールも使います。ただ、重要なことが起きたときには、メールは非効率になりがちなので、まず電話をかけます。大切なのは、自分の口で直接メッセージを伝えることではないでしょうか。

優秀なマーケターにとって知識やスキルよりも大切なもの

Q.マーケターを採用するときに重要視しているポイントは何ですか?

知識やスキルの豊富さよりも大切なのは、ハングリー精神を持っていることです。何事にもハングリーなことがマーケターの最優先事項だと思います。

アチーバー(達成意欲の強い人)とハングリーな人は必ずしも一致するわけではありませんが、ハングリーな人はたいていアチーバーでもあることが多いですよね。

ハングリーな人というのは、例えば私が「こうやって仕事を進めなさい」と命令しなくても、ちゃんと自ら優先順位を決めて、高い水準で仕事をしてくれます。この思考は教えることはできませんので、もともとの性格として持っている方を採用したいと思っています。

Q.どうやってハングリー精神を持っているかどうかを見抜くのですか?

私は面接で「この2〜3年を振り返って、時間を巻き戻せるとしたら、あなたがもう一度携わりたいプロジェクトは何ですか?」と聞きます。その答えが成功したプロジェクトであっても、失敗したプロジェクトであっても、そのプロジェクトを選んだ理由を聞けば、その方の性格が表れるからです。

例えば、熱心で完璧主義な方であれば、「もっとこんな風にすれば、次はもっと効率的にできるだろう」と、物事を順序立てて語ってくれるはずです。

自分らしいリーダーシップを発揮することが大切

Q.日本ではジェンダーロールに対するステレオタイプな考え方が根強く残っているのですが、サラさんは働く上でジェンダーロールを意識したことはありますか?

私がSaberにいた最後の5年間は、管理職で唯一の女性でしたし、3つの役職を兼任していたこともあり、自分が女性であることを初めて意識していたかもしれません。

しかし、女性であることは強みであり、自然体でいればいいと思っています。なぜなら、統計的に見て、多様性があることは良い結果を生み出すことにつながると明らかになっているからです。それは性別だけでなく人種についても言えることです。自然体のままで自分が女性だと意識しないことが、大切なのではないでしょうか。

自分らしくいるということは、口で言うほど簡単なことではないかもしれませんが、他の誰かのように振る舞ったとしても、決して成功にはつながらないと思います。例えば、私はとても早口で話すので、"男性っぽい"と思われることもありますが、その分、エネルギーを感じてもらうことができるので、わざと女性っぽく振る舞うようなことはしません。

Q.昨年の厚労省の調査結果によると、アメリカに対し日本の女性管理職の割合は1/4ほどに過ぎません。この数字に対して、どのように思われますか?

私はこれまで自分が女性だから役職を与えられたと感じたことはありませんが、人事異動のチャンスがあれば、もっと積極的に手を挙げればいいのに、とは思います。

典型的な女性は保守的で、あまり主張をしませんよね。そうではなく、何かチャンスを与えられたら勇気を持って、まずは小さなグループのリーダーになるなど、責任を請け負ってみればいいと思います。そうすれば、どんどんチャンスを与えられるようになりますから、その波に乗って自分を進化させていけばいい。その後押しをしてあげたいですね。

また、もしご自身で女性がもっと働きやすい環境にしたいと思うのであれば、自らその礎となれるよう、ぜひ今よりもっと上のポジションを目指していただきたいと思います。他人事だと思わず、自分の問題だと捉えてもらえたらと。

Q. 現在、日本では共働きが当たり前になっていますが、育児中の女性マーケターについて、どう思いますか?

まず前提として、私自身、いつか子供は欲しいと思っていますが、今はまだいません。親になったら、限られた時間の中で働かなければなりませんが、仕事に対する情熱を保つことができれば、可能ではないでしょうか。

また、アメリカでは「何か困ったことがあれば、お母さんを頼りなさい」と言われるくらい、お母さんという存在は最も生産性の高い人たちだと思いますので、お母さんとして子供のためにがんばるだけではなく、ぜひ同じように仕事にも情熱を注いでもらいたいと思っています。

最後にサラは今後の自身のキャリアについて、「引き続きマーケティングの仕事に携わりながら、いろいろな物事から学習と吸収を繰り返しながら、リーダーとしてこれからもっと成長していきたい」と語り、「朝、オフィスに足を踏み入れたときに、『今日の私は、昨日の私とは違う』と毎日思っています」と笑顔を見せ、セッションを締めくくりました。