生活協同組合ユーコープ 宅配運営部 宅配営業企画課 課長 神屋敷 覚氏、同課 担当 佐々木 渉氏と小出 純氏をお迎えしてお届けしている「Fearless Marketer」。

前編に続き、後編では、ユーコープ様がMarketoの導入を決められた背景や、テクノロジーの活用によって目指す未来について、弊社 マーケティング本部長の小関 貴志、ビジネスコンサルタントの棟 真太郎、営業担当の川上 エリカがお話を伺いました。

困ったときに"あてになる"存在でいたい

小関:どんどん高齢化が進む中で、ユーコープ様の社会的意義はますます大きくなっていくと思うのですが、組合員様とおつきあいを深めていく上で、テクノロジーが寄与するものはありますか?

神屋敷氏:宅配や実店舗のご利用からスタートして、共済に入っていただくといったように、何かしらのつながりをずっと維持していけるよう、CRMを導入してMarketoとつなぐことで、何十年間という長い期間を包括的に管理できるようにしていきたいです。それによって、「何か困ったことができたら、とりあえず生協に電話してみようかな」と頼りにしていただけるような信頼関係を構築していきたいですね。

小関:自分のことをよく知ってもらえていると思うと、安心できますよね。接点としては、宅配サービスの「おうちCO-OP」と実店舗、電話、チラシ、他にはどんなものがありますか?

神屋敷氏:アプリと、あとは産地見学のようなオフラインの組合員活動もいろいろ実施しています。

小出氏:将来的には、オンラインとオフラインの概念もなくして、それぞれの組合員様に合った手段やタイミングで、いつでも接触できるようにしていけるのが理想ですね。組合員様の中には、組織が立ち上がった頃から一緒に歩んで来られたご高齢の方もたくさんいらっしゃるので、そういった方々とオフラインで接した情報も大切にしながら、組合員様の顧客体験やLTVを向上させていきたいです。

小関:民間企業とは違った価値が、さらに高まっていくと良いですよね。

小出氏:そうですね。高齢化もそうですし、核家族化がもっと進んで1人暮らしの世帯が増えていくと、新たなコミュニティーの形として、協同組合としての我々の存在価値が高まっていくのではないかと考えています。

佐々木氏:ただ事業で利益を上げるというだけでなく、暮らしのお役に立つという観点は、忘れてはいけないところだと思いますね。

神屋敷氏:必要なときに適切なサービスを提供できるよう、組合員様にとって親近感があり、あてになる存在でいなければならないと思うので、そのためにテクノロジーも活用しながら、仕組みを作っていきたいです。

川上:仕組み作りという意味では、宅配センターなど他部門との連携も重要になってくると思いますが、本部の意志を伝えるために、何か工夫をされていることはありますか?

小出氏:やはり、現場で働く人たちにとって、どんなベネフィットがあるかということを、地道に伝えていくことですね。その時間を作るためにも、テクノロジーを活用した業務効率化を図る必要があるのだと思っています。

なぜMarketoを導入したのか

小関:改めてMarketoの導入を検討しようと思われた背景について伺いたいのですが、当時はどんな課題をお持ちでしたか?

神屋敷氏:ちょうどインターネット広告によってリードが一気に増えた時期で、営業の担当者が足りなくなっていたんですね。営業にリードを渡す前に、ある程度こちらで優先順位をつけて、営業の効率化を図る必要がありました。

小関:そうでしたか。貴組合では「人と人をつなぎ、生きるを支える」という2020年ビジョンを掲げていらっしゃいますが、こうしたビジョンとMarketoのようなテクノロジー活用との間には、何か関係があるのではないかと推察していたのですが、いかがですか?

神屋敷氏:まさにそうで、宅配の職員が組合員様と、もっとお話しする時間を増やしたり、営業の職員が加入をご検討されている方々に、より丁寧にご案内できる時間を作ったりするために、テクノロジーの力を活用したいという思いがありました。

小出氏:あとは、現場にいたときから感じていた私の個人的な思いとして、様々なサービスを横断して組合員様の情報を統合的に見られるようにすることで、より組合員様に寄り添った、質の高い顧客体験をご提供したいというものがありました。例えば、コールセンターにお電話をいただいた内容を踏まえた上で、翌日宅配で直接お会いした際にフォローアップできるようなイメージですね。

佐々木氏:一昔前の生協の宅配はグループが主流でしたので、必然的に一箇所に滞在する時間が長くなり、その間にいろいろな情報交換をすることができたのですが、今は共働きでご不在の方が増えていますし、グループではなく個人宅配が多くなっていることで、組合員様とコミュニケーションを取れる機会が減っているんですね。だからこそ、Marketoのようなテクノロジーの力を借りながら、日頃から一人ひとりの組合員様にとって最適な情報をお届けすることで、我々職員と組合員様との関係性を深めていけたら、と考えています。

棟:そうですね。今はまだ入り口の未加入者様のアポイントを取るところまでしか対応できていないので、今後CRMとシームレスに連携することができれば、より1to1に近い形でコミュニケーションの質を高めていけるようになると思っています。

Marketoによって変わったこと

川上:Marketoの導入前後で変わったことは、ありましたか?

小出氏:そうですね。ランディングページを作ったり、フォームを作ったり、といった制作が関わるところに関しては、Marketoだと作ろうと思えば自分たちで作ることができるので、そこのスピード感は大きく変わりましたね。

小関:マーケティングのご経験がそれほど長くないにもかかわらず、どうしてそんなにFEARLESSでいられるのですか?

小出氏:Marketoでは、何か新しいことをやってみるときに、追加で費用が発生するわけではありませんので、気軽にトライ&エラーを重ねられるからですかね。

小関:トライ&エラーを見守ってくださる神屋敷様の包容力によるものも大きいのではないですか?

小出氏:それは本当にそうだと思います。

小関:他にも、Marketoによる成果として見えてきたものは、ありますか?

小出氏:まだ今年の4月に導入して半年も経っていないので、一部の事業所で試した結果ですが、想定していたよりも多くの件数のアポイントが、メールから取れている印象を持っています。加えて、宅配センターからの意見としては、「稼働時間の削減につながって、もっと別のことに時間を割けるようになったのが良かった」という声が上がっています。中には、残業時間が0になったという人もいるようですね。

小関:それは素晴らしいですね。今後が非常に楽しみです。本日はどうもありがとうございました。

取材日2018年9月14日