これからのマーケティングのあり方やマーケターが目指すべき姿について斬り込む連載企画「Fearless Marketer」。今回は生活協同組合ユーコープ様を訪ね、宅配運営部 宅配営業企画課 課長 神屋敷 覚氏、同課 担当 佐々木 渉氏と小出 純氏にお話を伺いました。

神奈川・静岡・山梨県内で約176万人の方が加入・利用しており、全国で4番目に大きい生活協同組合であるユーコープ様。実店舗であるユーコープのお店や、生協の宅配サービスである「おうちCO-OPを通じた食品・日用品などの購買活動をはじめ、共済・保険、旅行・各種チケット販売、福祉・葬祭といった様々なサービスを通じて、誰もが暮らしやすい地域づくりに貢献されています。

そんなユーコープ様では、今春よりMarketoをご導入いただいていることもあり、今回は弊社 マーケティング本部長の小関 貴志に加え、ユーコープ様のご支援をさせていただいているビジネスコンサルタントの棟 真太郎と営業担当の川上 エリカも同席させていただきました。

数年前までは宅配センターに在籍されていたという御三方は、マーケティングによって組合員様とどう向き合っておられるのでしょうか。

前後編でお届けします。

宅配センターから営業企画へ

小関:神屋敷様から順に、これまでのキャリアと現在どのようなお仕事をされているのか、教えていただけますか。

神屋敷氏:ユーコープに入って、最初は宅配センターに行き、その後、本部に行って配送を委託している委託会社の方たちとお仕事をしてから、再び宅配センターに戻り、センター長を7年ほどやってきました。そして3年前に、本部に戻ってきて、今は営業企画の仕事をしています。

具体的な業務の内容は、組合員様を増やすために、紙とインターネット両方の広告を見ながら、各事業部とどう進めていくかを考えたり、「おうちCO-OP」という宅配事業のブランディングに関する業務を担当しています。

小関:ずいぶんと幅広いお仕事を手がけていらっしゃるのですね。ちなみに、宅配センターと本部を行き来するようなキャリアは、貴組合では一般的なのですか?

神屋敷氏:いえ、少ないケースですね。今回、本部に戻ってきてからは、それまでとはまったく異なる業務をしています。

小関:その辺りのチャレンジについては、また後ほどお聞かせください。それでは、次に佐々木様のキャリアについて、教えていただけますか。

佐々木氏:私はユーコープに入職してからは、10年ちょっと宅配センターに所属していました。後半の5年間は、マネージャーとして、センター長の下で実務の管理をしていました。そのときのセンター長が、以前、本部に所属した経験をお持ちで、「一度、本部に行って、いろいろと吸収したほうが、その後のキャリアに広がりを持てるだろう」とご指導いただき、私から志望したところ、2年前に現在の部署に配属された次第です。

小関:小出様も同じように宅配センターから、こちらに来られたのですか?

小出氏:そうです。2011年に入職して、宅配センターで配送業務を3年くらいしておりました。その後、営業担当として2年ほど勤めた後、2017年に本部に来たので、今2年目になります。

現在の私の業務は、"お仲間づくり"と呼んでいる新規組合員様の獲得を担当しており、Marketoをメインで触っています。

小関:"お仲間づくり"は、実店舗と宅配と両方あわせて、見ていらっしゃるのですか?

小出氏:今、私が担当しているのは宅配事業だけです。いずれはMarketoを使って、組合員様にすべての事業を横断してご提案できるような環境にしたいと考えています。

小関:そういう構想でいらっしゃるんですね。ちなみに小出様は本部に来られて、まだ1年ちょっとということですが、営業企画のお仕事はいかがですか?

小出氏:今までやってきたこととはかけ離れているので、日々勉強しながら少しずつ進めているところです。

現場を知っていることが最大の強みに

img02.jpg

小関:一般的に「社内にマーケティングができる人材がなかなかいない」と言われるのですが、一方で小出様のようにマーケティングのご経験が多くなくても活躍されていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。小出様は以前からマーケティングにはご興味をお持ちだったのですか?

小出氏:はい。もともとマーケティングに関わりたいと思って志望だけはしていたものの、未経験からマーケティングに携わるのは難しいと思っていました。

神屋敷氏:宅配センターにいたときに、小出は私の部下だったのですが、そのときよりも今のほうがイキイキしていますね。うちには本部に若い人が配属される土壌があまりなかったので、たまたま良いタイミングで来られて、すごく良かったと思っています。

小関:これまでのご経験は、今のお仕事にどう生かされていますか?

小出氏:営業担当をしていたので、今メールの文面を作りながら「このタイミングでこれを言ったらいいかな」といったように、現場の経験が生きているように思います。

小関:組合員様のことをイメージしやすいのでしょうね。佐々木様はいかがですか?

佐々木氏:私はマネージャーだったので、運用定着の観点から、"どのように進めれば、宅配センターが運用しやすいか"といった前向きな議論ができているように思います。

小関:確かに、オペレーションとの連携は重要ですよね。このように、いわゆるマーケティング畑出身ではない御三方ということですが、Marketo活用において、コンサルタントの視点から、棟さんはどのように見ていますか?

棟:逆に、現場をご存知なので、コンテンツや施策のイメージが湧かなくて「何をやれば良いですか?」と立ち止まることがないのは、素晴らしいですよね。マーケティングはお客様を知ることが何よりもまず重要なので、そこは現場で経験を積まれて来られた強みなのかなと思います。

問題意識を持った人に来てもらいたい

小関:小出様と佐々木様は、若くして現場から本部へと異動されてきたわけですが、今後のキャリアについて、どのような展望をお持ちですか?

小出氏:まだ、なかなか次を見るのは難しいのですが、今のまま専門性を突き詰めていけると良いのかなと思っています。これからデータを扱える人は増えていくと思いますが、それを具体的な施策に落とし込むのは、また別のスキルが必要になってくると思いますので、そんな人になりたいですね。

佐々木氏:私もしばらくは、今の仕事を続けたいですね。今は、"お仲間づくり"という入り口のところに注力していますが、これからは商品企画など他部門とも連携しながら、より長くお付き合いをしていただけるような取り組みに携わることが目標です。

小関:神屋敷様としては、部下の方々のキャリアパスについて、どのようにお考えですか?

神屋敷氏:自由にやってもらえたらいいですよ。うちの課は、僕が持っている領域が広いので、自分が興味のあることを好きにやってもらえたら、あとは僕がそれらを組み合わせながら、事業の結果に結びつけていけばいいと考えています。

小関:そんな上司がいらっしゃるところで働けるというのは、すごく恵まれた環境だと思います。貴団体の中には、マーケティングをやりたいと思っている方が、他にもいらっしゃるのではないですか?

小出氏:そうですね。現場で働きながら、「ここをこう変えれば、もっと組合員様に良いサービスをご提供できるのに」といったことを考えている人は、向いているのではないかと思います。

佐々木氏:私もそう思います。いろいろな年代の人がいると、多様なアイデアが生まれて来やすいと思うので、問題点を考えながら仕事をしている人には、ぜひ早い段階で来てもらいたいですね。

小関:神屋敷様は、どんな方に来てもらいたいですか?

神屋敷氏:やりたいことがある人、意志がある人に来てもらいたいですね。うまくいっていなくても構わないので、問題意識を持ちながら現場でがんばっている人に来てもらえたら。3〜4年で入れ替わっても良いと思っているので、常に新しい風を取り入れながら、どんどん新しいことにチャレンジできる部署にしていきたいです。

小関:確かに、組合員様と直接お会いして、生の声を知っていらっしゃるの力は大きいですよね。引き続き、現場の経験を積まれた皆様によるマーケティングの効果について、詳しくお聞かせください。

次の後編では、Marketoを活用して目指されたい未来について、さらに詳しくお話を伺っていきます。

取材日2018年9月14日