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【イベントレポート】突発的に発生する顧客ニーズを瞬時にキャッチ!MAを軸とした顧客開拓スキームの再構築 【イベントレポート】突発的に発生する顧客ニーズを瞬時にキャッチ!MAを軸とした顧客開拓スキームの再構築

【イベントレポート】突発的に発生する顧客ニーズを瞬時にキャッチ!MAを軸とした顧客開拓スキームの再構築

2020年7月29日・30日に開催した「Adobe Experience Makers Live」。本稿では「ニーズ発生のタイミングを逃さない!リクルートのMA戦略とは?」と題し、株式会社リクルートキャリア 村上 良郁氏にご登壇いただいたセッションの内容をお届けします。失注した顧客のニーズが高まったタイミングを逃さない仕組みづくりによって、契約獲得率を3.8倍に高めた村上氏。リクルートキャリアで実践された、顧客開拓スキームの進化を辿ります。

本セッションのスケッチノートを見る(クリックで拡大)

リクルートキャリアがMarketo Engageの導入を決めたワケ

人材採用系事業であるHRカンパニーと、日本最大級の転職支援サービスであるリクルートエージェントとの統合によって、2012年10月に誕生したリクルートキャリア。個人のキャリアと企業の人材戦略に向けた支援サービスを展開しています。中でも村上氏が携わる「リクルートエージェント」は、求職者にはキャリアアドバイザーが伴走して転職支援を行い、企業には法人営業が伴走して人材をマッチングするサービスです。

そんなリクルートエージェントの顧客の大半は、リテール顧客です。リテール顧客では常に採用ニーズがあるわけではなく、突発的にニーズが発生するタイミングをとらえることがとても大切です。

そこで、活動が停止している顧客や契約が切れた顧客をフォローするために、数席分のコールセンターを確保してフォローしていました。しかし、3ヶ月に1回の接点が取れていたのは、顧客全体の約18%。接点の網羅と効率化が必要な状態でした。加えて、営業一人当たりの担当社数は、直近4年で4割増えており、営業のリソースも限界を迎えており、業務の効率化を必要としていたと言います。

これらの課題を解決するためにMarketo Engageを導入。電話だけでなくメルマガというチャネルを増やして、顧客のナーチャリングを行うとともに、属性情報だけでなく顧客のリアクション情報を生かして架電対象の優先順位付けを行うことが目的でした。

リクルートキャリア流メルマガコンテンツの作り方

 

まず、メルマガによって接点を持てる顧客を増やすために、コールセンターのKPIに「メルマガの配信承諾を得ること」を加えたという村上氏。次に、リクルートキャリア流のメルマガコンテンツの作り方について、話を進めました。

村上氏がMarketo Engageで配信しているメルマガは、「シナリオメール」と「定期接点用メール」の2つに分けられます。

「シナリオメール」の配信対象は、「リクルートエージェントを利用したことがない顧客」と、「コールセンターからの架電で失注した顧客」です。Marketo Engageのエンゲージメントプログラムを活用しながら、失注理由などの条件に応じて、複数のコンテンツを出し分けているそうです。

一方、「定期接点用メール」の配信対象は、「シナリオメールの配信が終わった顧客」と「契約中の顧客」です。Marketo Engageのメールプログラムを用い、契約の有無によって「契約あり:毎週配信」「契約なし:隔週配信」と配信頻度を変えているところがポイントです。

「定期接点用メール」の内容は、「マーケット情報(お役立ち情報、採用Tips etc.)」と「サービス情報(採用成功事例、ツール利用事例etc.)」の2部構成となっており、できるだけ両者の内容を合わせるようにしていると言います。「例えば、長期休暇前の求職者の動向(マーケット情報)で課題を提示してから、UIターンの採用成功事例(サービス情報)で解決策を紹介するといった流れにするのが、一番お問い合わせにつながっています」(村上氏)

さらに、村上氏が非常にこだわっているのが、1通のメールの中で、「マーケット情報」と「サービス情報」の並び順を、配信のたびに交互に入れ替えることです。

その理由は、「マーケット情報は、メールの開封やクリックにつながるものの、問い合わせにはつながりにくい」逆に、「サービス情報は、メール開封やクリックにはつながりにくいものの、問い合わせにはつながりやすい」というジレンマを抱えているからなのだそう。

結果だけを追い求めるのではなく、お客様にとって役立つ情報を届けて良好な関係を築きたいという想いから、どちらの情報もバランスよく載せることを大切にしているのです。

ケーススタディで見る顧客開拓スキームの進化

リクルートエージェントでは、SalesforceとMarketo Engageを連携しつつ、顧客情報をリッチ化するためにFORCASを活用しており、次のようなシステム構成になっています。

これらのシステムを組み合わせながら、フェーズ1として「顧客のWeb行動をスコアリング」「契約獲得に至った顧客の行動を分析」「契約獲得の可能性とコールセンターのキャパシティに応じて架電指示」の3つを行う仕組みを構築されました。その後、フェーズ2として「失注した顧客を再度、見込み顧客として検知する」仕組みを構築されています。

「この過程において、2つの問題が発覚した」と語る村上氏。2つの問題とは、いったい何だったのでしょうか。

■問題1:クレームが発生し、オペレーターが不安を抱えながら架電をしていた。

コールセンターでは契約獲得数の数字は達成していたものの、マーケティング部門から渡したリードに対して架電されていない顧客が多くいることが判明。村上氏がその理由をたずねると、「お客様から『何度も電話をかけてくるな!』というクレームが発生していて、本当に架電していいのか、またクレームを言われるのではないかと、不安を抱えながら架電している」という答えが返ってきたのです。

そこで、コールセンターに対する架電指示の仕組みを見てみると、失注した顧客がWebで行動したら再びスコアが加算されるため、失注した日から数日以内に架電指示が出ているケースがあることがわかりました。

■問題2:ニーズをキャッチした後に、即時架電ができていない。

コールセンターで架電をしているセールス部門の担当者から、「架電指示が入ってすぐに荷電すると、契約成立に至る可能性が高い気がする」との声があったため、架電までのリードタイムと契約承諾率の関係性を調べてみたところ、2時間以内に架電すると、契約承諾率が上がることがわかりました。しかし、実態は2時間以内に架電できていた顧客は、わずか8.2%。85%以上の顧客に対しては、ニーズが発生した翌日以降の架電しかできていませんでした。

そもそもコールセンターでは、Marketo Engageでニーズをキャッチして、架電指示のタスクが作成されると、管理者がオペレーターに割り振るというフローになっていました。「この管理者がオペレーターに割り振るフローをなくせば、即時架電ができるのではないか」と考えた村上氏でしたが、オペレーターがシフト勤務であることから、その工程をなくすことは難しいことがわかりました。加えて、管理者は割り振り以外のタスクも持っているため、管理画面を常に見ているわけではなく、遅れが発生する原因となっていること もわかったのです。

■課題設定

上記の2つの問題を解決するために、村上氏は2つの課題設定を行いました。
①クレームを最小化しつつ、「いつ」「どの顧客」に架電すれば契約・求人獲得を最大化できるか
②「鮮度」を逃さず架電できる仕組みをどう構築するか

■解決策

そして解決策として、「探客精度の向上」と「推進力の向上」という2つの方向性で村上氏が行なったことは、次の通りです。

<探客精度の向上>

・スコアリングの変数を追加
それまではスコアリングの変数を顧客のリアクション情報だけにしていたところから、顧客のリアクション情報に加え、失注時期や過去の架電回数、架電目的といった時間軸を追加しました。

・架電指示を出すロジックを説明
コールセンターの管理者やオペレーターに対し、「なぜ、失注後に架電指示が出ているのか。それはお客様が多くのリアクションをしているから。つまり、そこにニーズがあるはずだ」と、架電指示を出すロジックについて説明しました。

<推進力の向上>

・ニーズキャッチ後にすぐ架電できる体制を構築する
ニーズをキャッチしたら、Marketo Engageから管理者が常に見ているメールアドレスへアラートメールを送信するようにしました。

・即時架電に対する意識づけを行う
オペレーターによる架電までのリードタイムをモニタリングし、「2時間以内架電」をKPIに追加しました。

■成果

これらの対策を講じた結果、クレームの発生率は半減。2時間以内の架電対応率は、かつての8%から91.5%にまで改善しました。

そして新しいスコアリングを使うことで、契約獲得率は約2倍に上昇。その後、2時間以内の架電を行なったところ、契約獲得率は当初から3.8倍にまで上昇していると言います。

また、「お客様からも『ちょうど欠員が出たところで電話をもらえて助かった』という感謝の声をいただけるようになったり、オペレーターからも『お客様に自信を持って架電できるようになった』といった喜びの声をもらえるようになったりと、定性的な成果も上がっています」と村上氏は笑顔を見せました。

最後に、「獲得行動の効率化をするために、MAは本当に有用だと思っています」と語った村上氏。「購買ニーズの発生タイミングが突発的なビジネスにおいて、失注した顧客を再度見込み顧客として検知する仕組みづくりが大切だ」としたうえで、「マーケティング部門からリードを渡した後、セールス部門の細かな数字を注視しながらチューニングしていくことがマーケターの大切な仕事ではないでしょうか」と締めくくりました。

本セッションの講演動画は以下よりご覧いただけます。

Experience Makers Live【動画】
株式会社リクルートキャリア

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