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アドビとデジタルの大海へ漕ぎ出そう

アドビとデジタルの大海へ漕ぎ出そう

~顧客体験変革に向けた航海準備~

国内企業のセールス&マーケティングの取り組みは業態やマーケット間の差はあれ、SalesTechやMartechの拡がり・浸透とともに、その成熟度が高まってきていることに疑いはない。しかし世の中の変化、顧客の変化も待ってはくれない。

予想もできない出来事の中で、未曽有のスピードで世の中が変化していく。
変化への適応を標榜する国内企業は多いが、日本のマーケティングは欧米諸国に比べて成熟度に大きな差をつけられたままだとも言われている。私もクライアントワークを通じて、自社のマーケティング成熟度に関して下記のような不安・疑問・課題を持つ国内エグゼクティブの声を日々耳にすることが多いのが現実だ。

  • 業界の標準と比較して自社はどの位置にいるのか?
  • 業界のTOP企業と比較して自社の成熟度はどの程度なのか?
  • 自社の弱点は何か、何が足りないのか?具体的にそれがどのような損失を生んでいるのだろうか? ― その原因はスキルの問題なのか? ヒトの問題なのか? プロセスの問題なのか?
  • 改善をすればどれほどの売上インパクトがあるものなのか?

こうした疑問や課題を解決しないままに「デジタルマーケティング」を実行に移すことは、いわば「魔法の手段に期待している状態」「航海図を持たずに船を出す状態」といえ、非常に危険な行為だろう。

入念に設計された自社に合った計画、いわば「航海図」を持たずにデジタルマーケティングが期待の目的地に辿り着くことはない。

「航海図」を持とう。

アドビは、自身がCreative Cloudを中心とした既存のビジネスモデル変革を実現したDX実践の成功企業でもある。そのDX推進の過程を支えたのが下記のDDOM(Data-Driven-Operating-Model)である。(図参照)

DDOM(Data-Driven-Operating-Model)
顧客は一般的に〔 発見→試用→購入→利用状況→更新 〕という購買プロセスの変遷を遂げる
その時々の購買プロセスにおいて、顧客が自社に求める情報やコミュニケーション手段は異なるはずである
例えば、顧客はSNSで評判や市場シェアを知った上で、動画での事例やデモ・試用を通じてその製品を採用するための合理的な意思決定を行っていく
購入以降も、利用を進める中でwebコミュニティや提供リソースに触れ、応用的活用をはじめた顧客自身がインフルエンサーになっていくことも考えられる
自社が顧客に提供すべきコミュニケーションは、「ユーザーの購買プロセスの位置や状態」を知らずには実現できない

まず、顧客購買活動と顧客のライフサイクルを関連付けて考えるフレームワークはForresterも提唱しており、私も「顧客の繰り返し購買」を考える際に参考にしてきた。
アドビにおける「顧客購買活動と顧客のライフサイクルの関連付け」の取り組みで特徴的なのは、データに基づいてユーザーインサイトの把握を目指したことだろう。
信頼できるデータ基盤が部門横断で整備され、顧客のライフサイクルの各ステージに合わせたKPIが設定され(当然KPIはツリーとして部門間で繋がりをもつ)、データに基づいた意思決定が行われる。そうしたユーザーの体験に焦点を合わせた文化を醸成してきたことがアドビの実践したDDOMモデルの要諦だろう。

多くの顧客にとってデジタル変革の重要性は増しており、アドビはDDOMを通じて得た自社の成功体験を多くの企業が実践すべきデジタル変革の必要な手法として再構築していった。

「デジタル顧客成熟度評価」(DxA-Digital Experience Assessment)と呼ばれる手法もそのひとつである。アドビは、顧客体験変革を目的地にデジタルの大海へ向かう企業に向けたいわば「航海図」の描画ツールを生み出したのだ。

さて、本年2020年日本時間の4月1日にオンデマンド配信にて「Adobe Summit 2020」が開催された。
前述の「デジタル顧客成熟度評価」も多くの顧客サンプルデータ・テンプレートや関連リソースが加わり進化してきたが、「Adobe Summit 2020」では多くの企業が実践すべきデジタル変革に必要な手法として新たにCXM Playbookがリリースされた。(CXM= Customer Experience Management:顧客体験マネジメント)

今回シリーズで「Adobe Summit 2020」の見どころを紹介していくにあたり、国内企業が各セッション内容を読み解くための準備をしておきたい。
そこでアドビのCXM Playbookを国内企業に向けた再説明を試み、国内企業がデジタルを武器に顧客体験変革を推進するきっかけを示していきたい。

アドビは以前より利用組織のインスタンスレビューやデジタルマーケティング成熟度のコンサルティングを国内でも積極的に展開しており、プロフェッショナル支援サービスは非常に充実している。私もそのサービスを利用してきた一人であるが、セールス&マーケティングを運営する前に、もしくは運営中に、

  • 正しく顧客とのコミュニケーションができているか?
  • 正しく売り上げに貢献しているか?

を業界平均値と比較し、数値データで把握することは大きな気づきを得ることになる。

今回リリースされたCXM Playbookでも、設問回答を通じてベンチマーク比較した自社の立ち位置を知ることができ、自社の状態に合わせたデジタル顧客体験変革をするためのヒントを得ることができる。現時点では設問や関連記事の多くは日本語化されていないが、本記事でCXM Playbookで得られるヒントの一部を紹介したい。

まず、CXM Playbookを構成する6つの要素、つまり6つの診断項目を見ていきたい。

    この6つの診断項目は、
  1. Digital First-デジタルファースト
  2. Customer Journey-カスタマージャーニー
  3. Data & Insights-データとインサイト
  4. Pervasive Commerce-パーベイシブコマース
  5. Scalable Content-スケーラブルコンテンツ
  6. Optimization & Personalization-最適化&パーソナライズ
  7. で構成される。

CXM Playbookを「航海図」と例えたとすれば、この6つの要素は船のプロペラのようにも見える。その各プロペラの羽を次のように説明していきたい。


1.デジタルを取り入れたビジネスモデル変革

デジタルを取り入れた売り方改革の必要性を語る前提として、まずはインターネットやモバイルデバイスの普及によって、これまでのアナログのビジネスプロセスが急激に変化したことが挙げられる。まさにデジタル革命が生まれつつあり、きっとその幕開けはこれからだ。
経営者はそうした時代を前に、新たな戦略をとらなければならない。つまり、これまでのビジネスモデル・ビジネスプロセスがデジタルによって急激な変化を強いられている事実を強く自覚し、大きな変革を舵取りしていく必要がある。

「デジタルを取り入れた売り方改革」とは、そうした経営者の変革意識のことを指すと考えられる。CXM Playbookでは例えば下記のような設問でアセスメントが実施される

質問:チャネル固有や、製品固有の目標ではなく、全体的な顧客のニーズを満たし、最終的な顧客のKPIを推進することを重視したマーケティング戦略が策定されている

このテーマに関して国内企業を例に実態を考えてみたい。

マジョリティ・ケース
顧客を置き去りにしながら事業・プロダクトの推進を目指すサイロ化組織

事業部やプロダクトに最適化されたサイロ化組織による事業の推進は国内の多くの機能別組織や事業部制組織に見られるパターンである。イノベーションのスピードが速くない時代においては、少品種大量生産が事業を推進するため、機能や事業の最適の追求が全体最適になっていた。イノベーションのスピードが早い時代においても弱点があるが、特に顧客という観点で強い弱点が生まれやすい。図に示す通り、事業部毎に売上目標が置かれ、その事業部が取り扱うプロダクトの伸長のみが重視され、会社として顧客を置き去りにする状態となることが多い。

異なる複数のシステムが事業部毎に乱立するケースや、システム的にDBはひとつでも事業部間が顧客を奪いあいながら閲覧制限をかけているケースを見ることも少なくない。
意識改革は継続的に必要であり、マトリクス組織にしてみたりまた戻したり...と迷走しないビジネスモデル変革に向けた強い経営リーダーシップも必要となる。

アドバンスド・ケース:顧客の成功を中心に据えた共創モデル

デジタルを取り入れたビジネスモデル変革をうまく推進しているケースでは、何より経営者自らが顧客の本業の成功や企業文化の変革を目的に掲げており、その目的は、顧客やパートナーと共に推進されている。

顧客の成功のためには、自社の企業文化や体質を変革することの必要性も強く認識され、加速するビジネス環境の変化や予期せぬ異業種からの参入に対する危機感も十分に備わっている。ひとつの優位性を維持できる期間が極めて短くなっているハイパーコンペティションの時代にふさわしいスピード感も備えており、DevOps、アジャイル、AI、デザイン思考といった手法を取り入れながら、顧客の成功のための解決策としてデジタルの活用は大前提とされている。

次回以降、他構成要素についても国内企業の成熟度や課題を考えながら読み解き、デジタル変革を推進するためのポイントをまとめていきたい。

ライター紹介

御手洗 友昭
2BC株式会社 代表取締役社長
御手洗 友昭

外資系ベンダー、株式会社リクルートなどを経て、2014年に2BCに参画。
社員が1名だった時代から、マーケティングコンサルタントとして戦略策定やシステム運用まで幅広いサービス提供の経験を積む。現在も多くのクライアントワークでプロジェクト責任者として関わる傍ら、海外のマーケティング動向での学びや豊富な営業経験を元に、 セールス&マーケティング支援のベストプラクティスをモデル化することを推進。
海外での学びや顧客事例に関するMarketing Nation Summitでの登壇もしている。

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