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「実行可能キャンペーン」を使ってもっと効率的に自動化しよう

Adobe Marketo Engageコンサルタントの棟です。Adobe Marketo Engageには「スマートキャンペーン」と言われる、いわゆるワークフロー機能のようなものがあります。この機能により、様々な自動化を実現できるAdobe Marketo Engageの核となる機能の一つです。
そんなスマートキャンペーンに新たな機能が追加されているのをご存知でしょうか。それが「実行可能キャンペーン」です。それでは、一体「実行可能キャンペーン」とは何なのでしょうか。この記事を通してご紹介します。

目次

スマートキャンペーンとは

Adobe Marketo Engageのユーザー様であれば、スマートキャンペーンを作成する際にこのようなフラグが追加されていたことに気づいたかもしれません。

このチェックボックスにチェックを入れることで、実行可能キャンペーンを設定することができます。

実行可能キャンペーンの解説に入る前に「スマートキャンペーン」について説明します。
「スマートキャンペーン」とは、前述のとおりAdobe Marketo Engageで設定できるワークフロー機能のことで、「誰に(スマートリスト)」「何を(フロー)」「いつ(スケジュール)」という3つの要素を、ノーコードで直感的に設定することができる機能です。

スマートキャンペーンは、さらに「バッチ」と「トリガー」の2種類に分けられます。

バッチキャンペーン

「バッチキャンペーン」は、設定された日時に実行されるキャンペーンで、「トリガーキャンペーン」は何かのアクションが引き金になって実行されるキャンペーンです。

※バッチキャンペーンの利用例

  • 住所が東京都で既存契約者の方にメールを送信

トリガーキャンペーン

「トリガーキャンペーン」は、何かのアクション起こした際に実行されるため、スケジュールを設定する必要はなく、有効化(アクティブ化)をすることで機能させます。

※トリガーキャンペーンの利用例

  • フォームが入力されたら、サンクスメールを送信

実行可能キャンペーンとは

まず押さえておきたいポイントとしては、「実行可能キャンペーン」単体では何も処理できないという点です。他キャンペーンからリクエストされることを前提としているためです。つまり、「呼び出す側(親キャンペーン)」と「呼び出される側(子=実行可能キャンペーン)」の親子関係が前提となります。

動きはこのようになります。

  1. 親キャンペーンの一連の処理の途中で実行可能キャンペーンへリクエスト
  2. 実行可能キャンペーンの処理が完了
  3. 親キャンペーンの次の処理に進む
「実行可能キャンペーン」の処理イメージ

つまり、一連の処理をパッケージ化して外出しし、その処理が完了してから次の処理を実行させることができます。言い換えると、子キャンペーンの実行が終わるまで次の実行を待ってくれるのです。
そのため、「実行可能キャンペーン」は、先ほどご紹介した「トリガー」でも「バッチ」にも属しません。

キャンペーンをリクエスト(Request Campaign)との違い

Adobe Marketo Engageをすでに運用されている方の中には、「キャンペーンをリクエスト」のフローと何が違うの??と思われる方もいらっしゃると思います。
大きな違いは「同期」か「非同期」かです。

スマートキャンペーンのフローは原則、「非同期(=完了を待たず次の処理に進む)」で実行されます。つまり、各フローアクションを実行した後、完了したかは判断せず次に進みます。

「キャンペーンをリクエスト」の処理イメージ

「キャンペーンをリクエスト」は、親子関係を持つという部分では実行可能キャンペーンと同じなのですが、「非同期」なので、子キャンペーンの処理の完了は判断せず、次に進んでしまうのです。
実行可能キャンペーンが登場するまでは、子キャンペーンの処理が確実に終わりそうな時間だけ待機フローを入れるなどが必要でした。

子キャンペーンの処理が終わりそうな時間を待機

どんなときに実行可能キャンペーンを使うのか?

ではどんなケースで実行可能キャンペーンを使うのでしょうか。
例えば、以下のようなケースです。

  • 例)フォーム入力された都道府県をもとに「担当支社名」「担当支社メールアドレス」フィールドのデータを更新し、メール送信元情報に支社名と支社アドレスを挿入してメール送信。
  • 例)新規獲得時のフォームをもとにリードソースを設定してから、SFAに連携したい
  • 例)入力された値をもとに属性スコアをつけ、しきい値以上のスコアの場合、アラート通知をしたい
  • これらのように、前処理が完了した後でないと、次の処理を実行させたくないケースは意外とあります。

    実装のステップ

    実際、以下の例の実装方法を説明します。

    • 例)フォーム入力された都道府県をもとに「担当支社名」「担当支社メールアドレス」フィールドのデータを更新し、メール送信元情報に支社名と支社アドレスを挿入してメール送信。

    最終的にこのようなプログラム・アセット構成になります。

    手順① プログラムを作成します。(今回はデフォルトプログラムとします)
    手順② 必要なアセットを作成します。フォーム、ランディングページ、サンクスメールを作成します。
    メールには「担当支社名」と「担当支社メールアドレス」のトークンを、「差出人」、「差出人メールアドレス」、「返信先」にそれぞれ設定します。

    手順③ データ更新用のスマートキャンペーン(子キャンペーン)を作成します。

    • 作成時に「実行可能」にチェックを入れます。
    • スマートリストには何も設定しません。
    • フローには、「都道府県」の値によって、「担当支社名」と「担当支社メールアドレス」の値を変更仕分けるように設定。
    • スケジュール設定や有効化は不要です。(つまり、フローの設定のみでOK)

    手順④ サンクスメール送信キャンペーン(親キャンペーン)を作成

    • スマートリストは「フォームの入力」で、該当フォームを指定します。
    • フローでは、まず「キャンペーンの実行」フローアクションで、先程作成した実行可能キャンペーンを選択します。 (Use Parent Campaign Token Contextは今回使わないので偽のままでOKです。) その後に、メールの送信、必要であればその他のフローアクションも入れます。
    「フロー」画面の右側の選択肢から「キャンペーンの実行」をドラッグ&ドロップで追加

    つまり、「データ更新」キャンペーンのフローが全て完了したらメール送信以降のフローが実行されるという流れです。 あとはスケジュールタブで有効化をします。
    これで実際にフォームを入力すると、サンクスメールの送信元の情報が、入力した都道府県の情報によって差し替わっていることが確認できます。

    アクティビティログからも、意図した順序に実行されていることが確認できます。

    実行可能キャンペーン使用の際の留意点

    実行可能キャンペーンには以下のような留意点もあります。

    • 実行可能キャンペーン内では「待機」フローは設定できません。
    • 実行可能キャンペーン内では「Webhookの呼び出し」は実行できません。
      • ただし、実行可能キャンペーンからキャンペーンをリクエストすることは可能です。(親→子→孫の関係)

    最後に

    ただでさえ多種多様なことが実行できた「スマートキャンペーン」ですが、この「実行可能キャンペーン」の登場でさらに「痒いところに手が届く」ようになりました。 意図的に使おうと思って使うような機能ではないかもしれませんが、フローの組み方に困ったときの一つの選択肢として、ぜひ覚えておいてください。

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