日本は様々な分野において世界のトップを走る先進国です。例えば製造工程の効率化に関してはトヨタ自動車が作り上げた「トヨタ生産方式」などは世界に比類を見ない徹底した改善アプローチが世界で評価され、"KAIZEN(改善)"という英語さえ生み出すほどでした。

そんななか、まだまだ日本が世界に1歩、2歩遅れている分野があります。それが「営業プロセスの改善」です。

SFAの登場が変えた営業プロセスの可視化

10年ほど前までは多くの企業において営業プロセスは属人化しており、リード件数が増えれば増えるほど営業担当者の負担やフォロー漏れが増加する、そして営業の進捗状況がブラックボックス化して把握できないという状況になっていました。

そのような状況を打破し、属人化からの脱却、営業プロセス管理の効率化を実現するために登場したのがSFA(Sales Force Automation)でした。SFAの導入はリードや商談情報管理の効率化、案件状況の可視化など、営業プロセスの改善に大きく寄与し、また企業によっては優秀な営業社員の行動パターンをSFAで読み解き、普及させることで営業力の底上げ(均質化)などに活用することに成功しました。

インサイドセールス導入による営業工数の効率化

またSFAに加えてインサイドセールスを導入し、営業のアポイント獲得、調整の支援を実施する企業も出てきています。
※インサイドセールスについて弊社弘中が詳しくご紹介した記事がありますので、詳しく知りたい方はぜひご一読ください。

このようにSFAやインサイドセールスの導入などによる改善活動が進むなか、新たな課題、実は以前から存在しているけどまだ気づけていない課題、に直面する企業も増えてきています。

SFA導入後に直面する新たな課題と負のスパイラル

営業プロセスの改善において、多くの企業では「案件化率」、「受注率」に注目した営業効率アップに取り組みます。
しかし、実はここに落とし穴があります。

SFA導入で管理するKPI

「新規獲得依存」による成長の停滞、改善の限界

これは営業、インサイドセールス、マーケティングそれぞれの立場で起こり得る課題です。

例えば、営業は受注率を上げるために本来であればより質の良いリードを求めます。ですが実際は限られた時間の中で成果を出すことを求められるため、より多くの案件を捌き、少しでも受注に繋げるため、より多くの案件を営業に渡すよう、インサイドセールスやマーケティングに依頼します。

営業とマーケティングの負のスパイラル(営業)

するとインサイドセールス(未導入の企業では営業、マーケティングのいずれか)は、より多くの案件作るため、比較的話しやすい、獲得して間もない「フレッシュな」リードへのアプローチを優先するようになります。また、関心度にムラがある獲得元の優先順位を下げるようになり、本当はそこにいるかもしれない、潜在的リードを見逃しやすくなってしまいます。

営業とマーケティングの負のスパイラル(インサイドセールス)

そして営業やインサイドセールスから「より多くの新規リード」を求められたマーケティングは、リードの質を度外視し、より多くの新規リードの獲得に奔走し、予算も多く新規獲得に振り分けるようになっていきます。

営業とマーケティングの負のスパイラル(マーケティング)

このようなやり方は案件化率や売上(むやみな訪問は受注率低下に繋がりますが、売上が上がっていれば黙認されるケースも大いに有り得ることでしょう)に即効的な効果を見せる可能性もあります。しかしこの継続には常に新規のリードを必要とするため、持続性のあるやり方とは考えにくいでしょう。

また、SFAを活用してフォロー漏れなどを防止し、KPIを改善することも出来るかもしれませんが、これもまたいつしか効果を得られる限界に行き着きます。

このような状態が続くことで、

「マーケティングやインサイドセールスは質の悪いリードしか提供してくれない」

「営業は受注率が悪いし、マーケティングは新規や温度感の高いリードを渡してくれない」

「インサイドセールスや営業は案件化率、受注率が悪い」

と、お互いにお互いを非難する負のスパイラルが生まれてしまいます。

ではどうしたらこの負のスパイラルを断ち切り、持続的な売上を生み出すことが出来るのでしょうか?

その鍵を握る方法の1つが 『今すぐではないリードの「買う気を高める」こと』 にあります。

次回は負のスパイラルを断ち切るBtoBマーケティング成功のポイントについてご紹介します。