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収益を生み出す成熟した組織と人材とは?

収益を生み出す成熟した組織と人材とは?

B2B SMX2019に学ぶこれからの組織と人材の価値とは? vol.1

B2B SMX2019は、営業とマーケティングとの垣根を越え、売上に貢献する組織を目指した最先端のイベント

B2B Sales and Marketing Exchange 2019(B2B SMX2019)は、米国における3大マーケティングイベント※を初めて1つにまとめ、営業やマーケティングの各サイロを超えた視点を参加者に提供する新しいイニシアチブです。

※米国における3大マーケティングイベント

FlipMyFunnel...B2Bマーケティング、営業、カスタマーサクセスのプロフェッショナル向けのABX(Account Based Experience)カンファレンス

REVTalks...B2Bマーケティングのコストセンターから収益センターへの変革を主導するカンファレンス

Demand Gen Summit...過去6年にわたり、B2B Marketing Exchangeの中心的プログラムで、アナリストやマーケティングの実務者が最新トピックを紹介するイベント

これらの3大カンファレンスが集合したB2B Sales & Marketing Exchange 2019は、マーケティングチームと営業チームがより密接に連携し、ビジネス成長=収益拡大を実現するために役立つヒントを持ち帰ることができるイベントです。

本ブログシリーズでは合計3回に渡って、イベントレポートを掲載していきます。今回の記事においては、タイトルどおり、組織と人材の成熟についての最新情報をお伝えします。

組織の成熟には人材の成熟が求められる

B2B SMX2019のイベントのキーメッセージの一つは、「収益という結果」を出すためには、組織の成熟と人材の成熟が求められる、というものでした。

まずは早速#FlipMyFunnelイベントの創設者であるSangram Vajre氏が本イベントで公開したマーケティング組織の成熟曲線をご紹介します。

組織の成熟曲線

(図1)

図1の組織成熟曲線では、STATUS QUOからB2B 1.0へ、そしてB2B 2.0へと成長する組織の姿が描かれています。また、TEAMフレームワークを開発し、各段階において、Target、Engage、Activate、Measureの要素においてどのような状態かを示しています。

(図2)

組織の成熟曲線

STATUS QUO...Average Marketing (平均的なマーケティング)
Target: Disconnected
組織連携やプロセスが不十分であるために、営業とマーケティングが共有するターゲット像も定かではない
Engage: Quantity
"質"よりもリード数や施策数といった"量"を重視したマーケティングコミュニケーション
Activate: Reactive
施策を実施しているのみで、営業のアクションにつながるデータ提供はできていない
Measure: Funnel
一般的なファネルにある指標を測定しているため、不適切な指標である可能性がある

B2B 1.0...Good Marketing (良いマーケティング)
Target: Static
ターゲットなどの目標が営業と共有されるものの、規模を拡大するためのツールは不足した状態
Engage: Quality
パーソナライズ施策など、"量"よりも"質"を重視したマーケティングコミュニケーションを実施している
Activate: Proactive
パーソナライズ施策を通じて、営業が取るべきアクションについての示唆が提供される
Measure: Double Funnel
一般的なファネルの指標に加え、特定アカウントに対してはエンゲージメント指標も使用する

B2B 2.0...Great Marketing (素晴らしいマーケティング)
Target: Dynamic
アカウントベースで活動できるプラットフォームなどが実装され、マーケティング担当者はリアルタイムの動的データで適切なアカウントをターゲティングしている
Engage: Experimental
チャネル全体で顧客と適切にコミュニケーションし、更により精度の高いパーソナライズによって、顧客のエンゲージメントレベルも向上している
Activate: Prioritised
リアルタイムターゲティングおよびパーソナライズ施策を通じて、営業に常に質の高い案件が送られるため、収益結果につなげやすい
Measure: One Scorecard
自分の組織に適切かつユニークな指標

では、この組織の成熟曲線のように、組織を着実に成長させるためにはどうしたら良いのでしょうか。3つのポイントをご紹介しましょう。

  • 部門間のサイロをなくし、共創を生み出す
    ほとんどの組織では、営業とマーケティングの間に亀裂があります。マーケティング部門ではリードが重視される一方、営業ではアカウント重視のアプローチがとられています。このサイロ状態への処方箋としてABMの導入を推奨します。ABM/ABXによって、営業とマーケティングの両者が共通目的を持った組織へと成長できるでしょう。

  • すべてのアカウントを平等に扱わない
    すべての顧客企業の価値が等しいわけではないので、優先順位をつけて活動しましょう。ABMアプローチを採用することで、アカウントに対するより深い洞察が得られます。これにより、マーケティング担当者と営業担当者がフォーカスすべきアカウントを発見し、適切な活動を実行できるようになります。結果として収益に大きく影響を与え(得)るアカウント内のエンゲージメントを促進することができます。

  • 従来のマーケティング指標に束縛されない
    リード数、ダウンロード数、MQL数など、過去数十年に渡ってベンチマークであった従来の指標を見直しましょう。今日のマーケターには、「マーケティングと営業の連携」を社内に浸透させる責任があります。ウェブサイトの単なる流入数や、Cookieが紐付いた数、リード数、などといった誤った指標、つまり、ターゲット顧客からの売上貢献に結びつかない指標に囚われないようにしましょう。マーケターは正しい指標について社内の合意をとり、CEOに対しても、リードを超えた「ターゲット・アカウント」を見たときに、上に述べたような指標の値が小さくなっても問題ないことを説明する必要があります。

組織と人材がどこに向かって成長すべきかの方向性が組織内で共有され、成熟まで成長し続けることが、刻々と変化する環境と前進するビジネスパートナーから求められ続けることの秘訣とも言えそうです。

人材の成熟曲線

では、人材の成熟曲線はどうでしょうか。ちなみに、Pedowitz社のDebbie Qaqish氏が図3と図4にあるレベニューマーケティングの成熟曲線を米国で発表したのは、なんと2013年にまで遡ります。

(図3)
(図4) https://www.marketingrockstarguides.com/rise-of-the-revenue-marketer-review-1011/および図3を元に作成

Traditional(従来)、Lead Generation(リード・ジェネレーション)、Demand Generation(デマンド・ジェネレーション)という段階を経てRevenue Marketing(レベニュー・マーケティング)まで成熟するべきであることが示されており、どんな活動がなされれば各成熟度に達したと言えるかを整理したものが図3と図4です。

当初、B2B企業においてのマーケティング活動は、B2Cのマーケティングの「クリエイティブ」な側面を引き継いでいました。しかし、B2Bのマーケティング部門がその活動のROIを証明できずコストセンターとみなされるようになり、米国では収益への貢献とその証明がマーケターの死活問題となりました。自社のマーケティング部門をいかに収益センターに生まれ変わらせるのかを真剣に考えるCEOが増え、CRO(Chief Revenue Officer)と呼ばれる役職が誕生したのにも、こういった背景があります。

収益に貢献するマーケターの成熟曲線に続いて、今回のイベントでは、マーケティングオペレーター(Marketing Operations = MOPs)の成熟曲線が発表されました。

図5にあるように、MOPsは、ただツールが巧みに自社のマーケティングテクノロジーの操作ができるだけでなく、オペレーションにおいて収益に貢献する役割が課されるべき、とQaqish氏は述べています。収益に貢献するというマインドと、それを実現するための戦略的スキルが求められるようになっており、この傾向はさらに強まる可能性もありそうです。

(図5)
(図6)

図6は、Qaqish氏が提示するMOPsの成熟曲線です。簡単に各ステージがどんな成長度合いを指すのかを以下にまとめます。

Stage1「Unaware」

  • テクノロジーの津波にのまれる
  • リーダーシップはなく、オペレーターがタスクをこなす
  • MAの導入をするが、外部スペシャリストの支援が必要な段階
  • マーテックスタックへの計画もロードマップもなく、データも存在しない
  • MOPsがやるべきこと、できることに対して戦略的な理想像が描かれていない
  • 組織にGo-to-Market戦略がないことも多く、焦点は顧客でなく自社のプロダクトやサービス
  • 部門間がサイロ化された状態でタスクが完遂される(マーケvs営業)
  • 基礎的なマーテックが導入されており、マーケティングがデータを蓄積し始めるが、活用には至っていない
  • MOPsに課された指標はない

Stage2「Efficient」

  • MOPsの重要性が組織内で認知されるものの、予算の割当までには至っていない
  • チーム内の若手にマーテックスタックの最適化の役割を与えられ、活動効率が上がる
  • 一定量のベストプラクティスが生まれ、基礎的なレポーティングが開始される
  • マーテックの選定、利用、連携がなされる
  • データ状態の改善プロジェクトや、効率を上げるために必要なレポーティングプロジェクトが立ち上がる
  • 焦点は顧客でなく自社のプロダクトやサービス
  • プロセス自動化プロジェクトやデータクレンジングプロジェクト、指標策定プロジェクトなどが立ち上がる

Stage3「Effective」

  • MOPs機能の必要性とそれに対する予算が割当てられ、効率と効果の両面で重要視される
  • MOPsチームが戦略的になり、マーケティングと営業成果によってパフォーマンスが評価される
  • MOPsがマーテック計画・連携・最適化を担う
  • データ・レポーティングから洗練されたインサイトが生み出され、営業やマーケティングが週次・月次で利用し、活動に活かす
  • 組織にマーテック戦略がある
  • カスタマーセントリックに意識が向き始めるが、機能的にはまだサイロ状態のため、問題は残る

Stage4「Customer Centric」

  • MOPs機能はマーケティング説明責任、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、カスタマーセントリックの3軸に置かれる
  • データからのインサイトの源として位置づけられ、マーケティング活動の収益への影響を予測し、DXにつなげる役割を果たす
  • 顧客の声を集め、全社の意思決定に活かす。また、カスタマーセントリックな組織への変革に重要な役割を持つ
  • MOPsの指標例として、顧客体験、カスタマーサクセス、取引規模の拡大、LTVなどが挙げられる

Stage5「Next Generation」

  • MOPsとカスタマーサクセスが組織統合され、マーケティングと営業にレポーティングする
  • データとシステムが完全にリアルタイムで連携され、新規顧客獲得から拡大までが最適化される
  • カスタマーライフサイクル全体にアプローチするために取り組む

まとめ

本イベントにおいて発表された組織と人材の成熟曲線モデルをご紹介しましたが、いかがでしたか。組織の成熟度も人材の成熟度も、一言でまとめると次のような道を辿ると言えるでしょう。

最も重要なのは、組織と人材が向かう最終地点が共通して「収益」である点です。米国では、マーケター、MOPs、カスタマーサクセスのどの役割においても、収益に立ち向かわなければ、組織にとってのビジネスパートナーとして認めてもらえない時代がすでに訪れているのです。収益貢献の証明ができなければ、存在意義そのものが問われる世界がそこにはあります。日本においても、改めて各職種の役割とスキル要件を定義し、収益チームを早期に編成していく必要があると言えるでしょう。本ブログ記事が、その手がかりとなれば幸いです。

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