投稿者:Giselle Abramovich
投稿日:2019年3月28日
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アドビ(マルケト)のシニア バイスプレジデントであるスティーブ ルーカス(Steve Lucas)は木曜日、すべての体験を有意義なものにするデジタルエクスペリエンスカンファレンス、Adobe Summitで何千人もの参加者に挑みました。

ルーカスは、「成功と失敗を決定的に分かつものは体験の差です。」と述べました。

そこに、アドビのCEOであるシャンタヌ ナラヤン(Shantanu Narayen)が登壇し、ルーカスと2018年のアドビによるマルケトの買収に話題がおよびました。ナラヤンは他にM&Aを検討していた企業についての見解を示しました。完全な統合を実現するには、事業ミッション、人員、文化の再編が不可欠であると述べました。

ナラヤンはさらにB2CやB2Bの組織全体に求められている体験について話しました。「デジタルが向かい風になるか追い風になるかは、皆さんの決断次第です。追い風[考え方]であれば顧客により良いサービスを提供することができます。」とアドバイスしています。

ルーカスは参加者であるマーケターに日々関わっている体験について、そしてそれが過去10年でどのように変わってきたかについて考えてもらいました。ルーカスが言うには、ウーバーでは、関連性のあるすばらしい体験を作り出すことなく、ただ見ず知らずの人の車に乗ります。エアビーアンドビーでも体験もなく、見知らぬ人の家に泊まります。

ルーカスは次のように述べています。「体験が一番の差別化要因であることは明らかです。つまり、体験が事業の成否を分けるということです。好例を挙げましょう。コーチェラフェスティバルとファイアフェスティバルです。コーチェラは、何度もフェスティバルの参加者にすばらしい体験を提供しています。それに対して、ファイアは、最悪です。」

B2Bが求められる体験に対応できるように支援

B2Bマーケターにとって、顧客体験をビジネスの中心にするとはCRMの枠を超えて考えるということです。「企業とのエンゲージメントは、今後企業が発信するメッセージではなく、企業のアクションに基づいて行われます。」とルーカスは語っています。

ルーカスによれば、CRMは営業担当者向けに開発されているため、マーケティングソリューションとしては本質的な欠陥があります。CRMは顧客に関する営業担当者からの情報と知見に大きく依存しており、顧客の発言に基づいています。しかし、ルーカスが言うには、顧客の行動ではなく発言に基づいて販売戦略を立てることは適切な戦略の進め方ではありません。

B2Bマーケターは異なるデータが必要です。「マーケターはオーディエンスやキャンペーンを重視します。オーディエンスは誰なのか、何を読むのか、どれくらいの頻度で訪れるのかが重要です。どのキャンペーンによってカスタマージャーニーが進んでいくのか知りたいのです。」とルーカスは語っています。

解決策はアカウントベースドエクスペリエンスです。アカウントベースの購買担当者を特定し、関係を築いたうえで、新しい体験を提供するまったく新しい手法です。ルーカスがアドビとマイクロソフト、LinkedInとの戦略的パートナーシップについての今週の発表を心から歓迎しているのはそのためです。このパートナーシップにより、マーケターは豊富なアカウントプロファイルを活用してターゲットアカウントやオーディエンスをより深く効果的かつリアルタイムに把握できるようになります。

ルーカスは、会話型マーケティングプラットフォームDriftとの業界初のパートナーシップの発表を担当しました。このパートナーシップによりB2Bマーケターの間で昨今急激に普及しているライブチャットを通じて、会話によるアカウントベースドマーケティング(ABM)を実施し、顧客体験を強化することができます。また、マーケターは、パーソナライズされたリアルタイムな会話で、ターゲットのアカウントが訪問するすべてのwebサイトをパーソナライズすることができるほか、ABMによるすべての会話を把握して、会話を収益につなげることが可能です。

コンサルタント会社Digital Piでクライアントサービス担当ディレクターを務めるジェシカ カオ(Jessica Kao)氏が登壇し、ABMがB2Bマーケターにもたらす課題とビジネスチャンスについて語り始めました。

「私が幾度となく目にした大きな課題が3つあります。1つ目が、データの課題です。マーケターの誰もがターゲットアカウントリストの作成に急いで取り掛かりたいと考えています。しかし、手元にあるのは不備だらけの不良データばかりです。2つ目は、全体的に十分な連携が取れていないさまざまなタッチポイントの存在です。」とカオ氏は述べています。

そして、カオ氏によれば3つ目が組織的連携です。営業とのやり取りが円滑に行われずマーケティング活動の状況が伝わっていません。「右手と左手の意識がバラバラに働いているようなものです。」さらに、「ほとんどのマーケティングチームは営業チームがターゲットアカウントに何を伝えているか、何を送信しているかを把握していません。」とも語っています。

カオ氏によれば、ABMがうまくいかないと、顧客体験が損なわれてしまいます。

Nvidiaが大きな変化を生む3つの方法

トップレベルの研究者、開発者、データサイエンティスト向けAIコンピューティングプラットフォームを提供する、Nvidiaのデジタルマーケティング担当グローバル責任者であるアリックス ハート(Alix Hart)氏は、B2B企業によるデジタルトランスフォーメーションについて取り上げ、そのトランスフォーメーションにとってABMがいかに重要かを説明しました。

ハート氏は参加者に「[当社のお客様は]ほんの数年前には不可能であった問題を解決した、現代のアインシュタインやダ・ビンチです。Nvidiaのコンピューティングシステムを使用して実現、促進しています。ノーベル物理学賞やオスカー技術効果賞の受賞、自動運転車の設計、腫瘍を早期発見するための新しい方法の開発などを可能にしています。コンピューティングシステムによって世界を変革しています。」と話しました。

個人やその個人が勤める企業とのエンゲージメントを高めるため、Nvidiaは目的をもってオーディエンスにアプローチし、業務の促進や、チームのトレーニングにテクノロジーやシステムをどのように生かすことができるかについて理解を深めてもらう必要があると考えました。

「簡潔に言えば、マーケターは、知識を高め、オーディエンスの話を傾聴して、相手の業界や業務に関連性のある適切なコンテンツを提供しなければならないということです。」とハート氏は語っています。

ハート氏はNvidiaが大きな変化を生んだ3つの方法を紹介しました。まず、デジタルデータや製品内データなどの顧客データを1つにまとめるプラットフォームを構築しました。次にwebサイト、メールテンプレート、リードナーチャリングの過程などの全体験を見直しました。

ハート氏は「リードスコアモデルを改善し、スコア予測ツールを集めて、当社のデータサイエンスチームと社内でいくつか開発しました。カスタマージャーニーの中間地点向けのプログラムを構築しました。中間地点は最もエンゲージメントを高め、業界のイノベーションを紹介し、セミナーやトレーニングに招待するほか、顧客の成果を讃えたい時期です。」と語っています。

3つ目は、Nvidiaのマーケティング部門が営業チームと緊密に連携して、新しいモデルを徹底的に調べてうまく機能している点についてのフィードバックを集めました。好例をご紹介します。Nvidiaのソーシャルモニタリングによる感情の予測はほとんどが不正確でした。たとえば、腫瘍の早期発見に関する投稿は陰性感情に分類されました。

NvidiaマーケターはAI研究チームと協力し、新しいアルゴリズムを作成して精度を80%以上に向上させました。同社は顧客感情スコアカードも作成してカスタマージャーニーでのエンゲージメントの上昇をより詳しく把握できるようにして、コンテンツの最適化をより迅速に行っているとハート氏は話しています。

ハート氏は次のように述べています。「当社の目標は、熱心なゲーマーからAI研究者まで幅広い顧客層とインテリジェントにつながり、エンゲージすることで、既存の顧客関係を基盤に新しい関係をインテリジェントに築くことです。一元的に顧客情報を共有し、インテリジェントな体験とインサイトを重視することは重要でした。」 次は顧客関係管理を目指しましょう。

この記事はCMO.comから転載しています。